同じ誕生日の人が最も少ないのは、2月29日生まれの人です。
4年に1度しかない日ですから、当然といえば当然です。
「4年に一度しか年取らなくていいね」
みたいな戯言もよくいわれます。
実際の法律上はちゃんと1年経過すれば1才加算されていきます。当然、小学校入学も、運転免許取得も、成人年齢も、他の人の4倍経過しないと認められない、なんてことはありません。
今回は、そんな2月29日生まれについてのトリビアをいくつか集めてみました。
うるう年以外の年は、誕生日はいつになるのか?
誕生日が選べる唯一の人たち
「2月29日生まれの人は、うるう年以外の年は、いつが誕生日?」
という疑問も、よく聞きます。
「誕生日」で期日を区切る決まりは、世の中いろいろあります。実際は、決まりによって、2月28日とみなしたり、3月1日までにしたり、判断は違います。
ちなみに、自動車免許証の更新期限(免許有効期限)は「誕生日の1か月後まで」ですが、2月29日生まれの場合、うるう年が3月29日まで、それ以外の年は3月28日までとなります。1月29~31日生まれの人は、毎年2月末日までです。
戸籍に記載する誕生日は、出生届の際に提出される病院等の「出生証明書」に基づいて決まります。が、2月29日生まれの人に限っては、3月1日生まれで届けてもいいことになっています。
戦中までは、親の自己申告で誕生日が届け出られていました。その時代から、子供の誕生日が4年に1度しかない日になるのは避けたい、と思う親は少なからずいたようです。2月29日生まれが極端に少ないのは、そんな「隠れ29日生まれ」の人がいることも影響しているのかもしれません。
年を取るのは実は誕生日の前日
うるう年以外の年の誕生日を定める法律はありせんが、年を取る瞬間は、法的には
“前日の24時(午後12時)”
とされています。
年齢の数え方は「誕生日を1日目とする」と決められているので、満年齢は、誕生日を1日目として365(うるう年の2月が挟まる場合は366)日後の終わる瞬間に達する、と解釈されるのです。
理屈の上では “当日の午前0時”と同じ瞬間ですが、「満年齢に達する日」が判断基準になる場合は、誕生日の前日になります。
例えば、4月1日生まれの子は“3月31日に満6才になる”ので「早生まれ」になります。就学(学年)の規定は「満年齢」が基準なのです。
その理屈でいくと、2月29日生まれの人は、うるう年かどうかに関わりなく、毎年2月28日に年を取っています。うるう年の影響を受けるのは、実は翌3月1日生まれの人で、うるう年かどうかで、満年齢に達する日が2月28日か、29日か、変わってきます。
うるう年のうるう日の調整はなぜ2月?
うるう年について改めて復習
地球が太陽の周りを一周する時間と、暦の1年には微妙に差があるため、概ね4年に1回、1日足すことで誤差調整する、というのがうるう年のしくみです。
“概ね”というのは、4年ごとに1日足すと、今度は100年で約18時間足しすぎてしまうため、400年の間に4の倍数の年なのにうるう年にしない年が3回あるためです。
具体的には、百年紀(一世紀)の最後の年(西暦**00年)は、4の倍数でもうるう年がありません。ただし、400の倍数にあたる年はうるう年です。
記憶に新しい所では、西暦2000年は20世紀最後の年でしたが、400の倍数なので普通にうるう年でした。しかし、今世紀最後の2100年はうるう年にならない予定です。
なぜ半端な日数の月は2月なのか?
では、なぜ、うるう日調整の月が2月なのでしょうか?
現在の西暦(グリゴリオ暦)は16世紀にヨーロッパで作られたものが引き継がれています。元となる暦は古代ローマの暦です。
古代文明の時代
自然を相手にする産業が主流だったので、季節の予測をするための暦計算が重要でした。最初に使われていたカレンダーは、農作業の始まる春(3月)に始まり、収穫の済む初冬(12月)に終わる、10か月の太陰暦でした。農作業のない真冬は「死の季節」として暦がありませんでした。
その後、紀元前710年
死の季節を2分割して11番目と12番目の月が作られました。太陰暦のうるう月は、最後の月(今の2月)の後に入れました。
その後、紀元前46年に
執政官になったシーザーが、改めて1月から始まる太陽暦(ユリウス)歴を定め、4年に1度のうるう年もこの時から始まりました。その際、うるう日は古代歴の慣習を引き継ぎ、2月23日の後に入れました。
中世、キリスト教が社会の基盤となると
キリストの復活祭に関係する「春分の日」が重要になりました。
が、ユリウス暦は春分の日が正確ではなかったため、改めて誤差の修正をしたグレゴリオ暦が生まれました。
その際、2月は28日までとなり、うるう年にはその後29日を付け足すことに決まりました。
特別な日には特別なパワーが働く
半端の調整日、というとなんですが、2月29日は「特別な日」であることは確かでしょう。
メリットとして「誕生日が人に覚えてもらいやすい」という点をあげる当事者も多く、決して忌み嫌われるような日にはなっていないようです。
各種運勢占い等でも、特別な力が働く日として、運気は高いと判断される場合が多いようです。これからも、2月29日生まれの皆さんには、誇りを持って誕生日を祝っていって欲しいものです。
社会人になると誕生日ズラして祝ってもらったりすることも多いし、そんな悪い感覚はしないかも。少数派ってだけで運気が高そうだよね~。