人はなぜ汗」をかくのか?
恵みの汗?
雨って嫌ですよね。傘が必要だし、濡れてしまうし。
どうして水がふってこなければならないのか、などと考えてしまいます。
「雨なんて、必要ないじゃん」
でも必要なのです。
今後いっさい雨が降らなければ、私たちの生活に深刻な影響を与えます。「恵みの雨」っていいますものね。
では汗はどうでしょうか?
自分の意思とは関係なく、肌がじっとりと濡れてくる。ベタベタして気持ち悪いし、拭いても拭いても流れ落ちてきて、きりがない。ニオイが気になることもあるし、脇の下あたりの汗染みなんかも、勘弁してほしいぐらい、うっとうしい。
汗がこの世からなくなれば、どんなに快適か。汗というものがこの世から一掃されたとしても、大きな影響はないと思われます。むしろメリットだらけかもしれない、などと妄想するのです。
がんばれ「汗」
しかしながら、意外というか、やっぱりというか、汗は人間にとって、とても大切なものなのです。どんな役割を担っているか?
そうです、体温の調節に大きな貢献をしています。
体温の調節が必要、と脳が判断すると、汗腺が動き出します。汗腺とは汗を分泌する場所のことです。汗腺が汗を分泌し、そして汗が蒸発することによって体温を下げるという仕組みなのだそうです。
もしこの世に汗が存在しなければ、熱中症になる可能性が非常に高くなります。多分人間は生きていくことができなくなるのでしょう。
面倒くさいけれども、人間をしっかりと守ってくれている、汗という存在。少し詳しく見ていきましょう。
良い汗と悪い汗
汗は本来「無味無臭」
汗が目に入ると染みる、みなさんにも経験があると思います。
汗と一緒に塩分も出て行ってしまうからです。
だから、熱中症対策には水分のみならず、塩分の補給も必要だといわれているのですが、実は「無味無臭」が汗の正しい姿であることは知っていましたか?
- 汗腺が正常に機能しているのなら、汗は限りなく水に近いのです。
- うっすらと粒のような状態が正常で、流れ落ちてベトベトするようなことはないのです。
汗といえば、「しょっぱい」「ベタベタする」「流れる」というイメージが強いのですが、これは本来の姿ではないのですね。
すべては汗腺次第
「味しない」「サラサラ」「しっとり」が良い汗の条件。でも実際は真逆ですよね。
では、どうすれば良い汗をかくことが出来るのでしょうか?
そのためには、汗腺にしっかり働いてもらうことが大切です。汗腺の機能が低下すると、ミネラルや塩分などの必要なものまで、汗と一緒に排出されてしまいます。
汗腺の機能回復には、手足をじっくりと温めるのが効果的とされています。
具体的には、手足を42~3度前後のお湯に浸して20分程度温めます。
また、ぬるめのお湯による半身浴もお薦めです。
さらに湯上がり後はすぐにクーラーに頼らず、扇風機などを利用して、自然に汗がひくのを待つと、機能回復に効果が期待できるとのこと。
とはいうものの、これらの方法は時間も掛かるし、若干めんどくさい気がしませんか。
そこでお勧めしたいのが食べ物による改善です。
キュウリで冷やして、大豆で改善
「良い汗」をかくために特にお薦めの食材があります。
それは大豆です。
大豆に含まれるイソフラボンには悪い汗を抑える効果があるということから、改善が期待できます。
また、しょうがやお酢も汗腺の機能回復に効果があるとのこと。
おまけ情報として「体を冷やす効果」のある食材も紹介
キュウリ、トマト、ナスなどの野菜には身体の余分な熱を放出してくれる特徴があります。
身体を冷やす効果があるといえるわけです。これらの野菜には体内の余分な水分を出す働きがあるのですが、水分が蒸発する際に熱も下げてくれます。結果としてクールダウンできるというわけです。
クーラーに頼りすぎるのもよくありませんが、最近の夏の暑さは、尋常ではありません。無理は禁物です。「良い汗」をかいたあとは、適度に冷えた室内でじっくりと休む、これにつきます。
普通に生活するだけで大変な暑さだから、とにかく無理はしないことだよ!