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「手洗い」をもっと身近に感じよう。指は盲点。最初は鼻で笑われた?

Written by 言祝(kotoho)

実はスゴイ「手洗い」

手を洗おうよ、大人もね

「ただいま。あ~お腹空いた。おやつは?」

「その前に、手を洗いなさい」

こんな感じで、手洗いって子供がするもの、というイメージが定着していませんか。では大人は言われなくとも、手洗いがしっかりできているか、というと必ずしもそうではないです。

手を洗う、という行為は誰でもできることなのですが、衛生面でみると大きな効果が得られますよ。

そこで今回は手洗いに関する豆知識をいくつか紹介していきたいと思います。



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アライグマ、本当は…

アライグマ


まずはアライグマです。アライグマといえばその名が示すように、餌を洗ってから食べることで知られています。

クマというよりタヌキに近い愛らしい姿でゴシゴシと水洗いする様子は見ていて癒されますよね。でも、実は洗っているのではないのです。じゃあ、何をしているんだ、ということになりますが、餌を探している動作なのだそうです。

野性のアライグマは、川や湖などの近くに生息し、魚などの水中に住む生物を主食としています。

お腹が空いたら、水辺で食べ物を探すわけですが、水に手を突っ込んで獲物を探す仕草が、手を洗っているように見えるのだそうです。

動物園などの飼育環境下では、どう見ても、水洗いしているとしか思えない仕草をしますが、あれは野性の習性の名残りなのです。

だから、正確には

「アラッテナイクマ」

なのですが、今さら名称を変更するのもどうかと思うので、「アライグマ」のままでよしとしましょう。余談ですが、野生のアライグマはかなり気性が荒いそうです。もし見かけても、近づかないほうが無難です。

指をしっかりと

手洗い指洗い


次に、効果的な手洗いについて考えてみましょう。

ウィルスなどの感染予防を目的とした場合、いくつか意識したいことがあります。

まず、石けんはよく泡立てること。泡立てることで、手のシワなどに入り込んだウイルスや細菌などを除去し易くなるといわれています。そして、水で洗い流すときは充分な時間をかけるのがポイントです。20~30秒、出来れば30秒を目標にしたいところです。

汚れであれば、落ちたかどうかは目視できます。ところが、ウイルス、細菌などは目に見えません。手洗いの30秒は、実際よりも長く感じることもあるでしょう。でも感染予防のために必要なことなのです。自分をまもるため、ぜひ実行しましょう。

さらに大切なことがあります。

「指」もしっかりと洗いましょう。

というのも、手のひらはおおむね0Kだけれど、指や指先がしっかり洗えていない、という調査結果があるのです。

手のひらや甲は面積が大きいので意識しなくてもしっかりと洗えてしまうのですが、その分、指がおろそかになりがち、特に親指はほとんど洗えていないというケースが多いのだそうです。爪ブラシを使ったり、親指については反対の手で握って、ねじるようにこすると洗い残しがなくなりますよ。

実は悲しい過去を背負っている?

画像の名前


現在では、手洗いが感染予防に効果があることは誰もが認めています。

手洗いの有効性にいち早く注目し、感染予防と結びつけて提唱した19世紀の医師、ゼンメルワイスは、その功績を高く評価されていますが、当初は医学界から徹底的なバッシングを受けたのだそうです。
一体どういうことなのでしょうか。詳しく見ていくことにしましょう。

当時、ゼンメルワイスはウィーンの総合病院に勤めていました。この病院には産科病棟が二つあったのですが、どういうわけか片方の病棟だけ、出産後の母親が「産褥熱(さんじょくねつ)」という病気で亡くなってしまうケースが続出していました。

ゼンメルワイスは原因究明に乗り出します。二つの病棟を比べてみても、男性医師が担当しているか、助産師が担当しているか程度の違いしかありません。助産師が担当している病棟では死亡率は低いのですが、理由は説明がつきませんでした。

そんなある日ゼンメルワイスは衝撃の事実を目の当たりにします。

それは解剖でした。

産科病棟を担当している男性医師は、午前中は研修医の指導に当たっていました。死体を使った解剖実習を行い、午後に産科病棟で診断にあたっていたのです。解剖の際に付着した病原が原因ではないかとにらんだゼンメルワイスは医師たちに薬品を使って手を洗浄するよう指導します。その結果、産褥熱による死亡は減少しました。

しかし医学界は彼の発見を受け入れてはくれなかったのです。ゼンメルワイスは褒めてもらえるどころか、徹底的なバッシングを受けてしまいます。

当時の医学界においては「病原菌」という考えは一般的ではなく、病気というものは、身体のバランスが崩れることで発生するもの、という考えが主流でした。だから手の汚れを落とす「手洗い」いう行為が、病気の予防に効果があるなどという考えはまったく理解してもらえなかったのです。

ゼンメルワイスの発見が受け入れられたのは、彼の死後でした。

考えてみると、手洗いは時代を超えた、人間の知恵といえるのかもしれません。シンプルな方法だけれど軽く見てはいけないのかもしれません。

まさケロンのひとこと

手洗いをするだけでかなりの命が救われてるわけだから、すごいよね手洗いって。
まさケロンも指まで洗おう~。

masakeron-love


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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」