2011年3月11日の東日本大震災から、すでに、3年近く経ちました。
未だ、厳しい現地の状況と、すでに過去のもののように扱われる、他の地域での温度差がときどき問題としてとりあげられています。
当時、ボランティアで、現地に向かった方々も少なくなかったと思います。
私が当時所属していた企業では、有志を募って、バスをチャーターし、週末にバスで現地に向かい、そこでいろいろな指示を仰いで復興のお手伝いをするという試みをしていました。
現地まで行かなくても、こちらでの、子供達にむけての本を集めて送る作業のお手伝いや、支援物資のより分けなど、いろいろ携わったかたもいらしたのではないでしょうか。
メディアの情報はめまぐるしく移っていき、さまざまなことがどんどん変化している社会の中で、いつしか東日本大震災の記憶も他地域の人々の記憶の中では過去のものとして薄れて行きつつあるのが現状です。
ですが、震災をうけた土地では、まだまだ、復興には遠い状況であるのが真実なのです。
被災地のあるお寺のお坊さんの記事では、そちらのお寺さんでは、震災で亡くなった方よりも、そのあと自ら命を絶たれて亡くなった方のほうが多かったというお話がありました。
私たちは、忘れる生き物です。
むごたらしい悲惨だった戦争の記憶も、震災の記憶も、時とともに薄れさせて、その痛みにすら思いを馳せることが出来なくなってしまいます。
ですが、直接に傷を受けた人々にとっては、そんなに簡単に癒えることがない、未だに「今」であり、大きな大きな現実なのです。
被災地の現実は、まだ、いろいろな人々の「優しさ」や手助けが必要なのだと思います。
そんな今、自分の地元で、被災された方々に協力できる、あるプロジェクトがあるのです。
それは
写真洗浄プロジェクト
被災地で泥に埋まったアルバムや、写真立て。
家もなにもかもなくなった方々が、よりどころとしたのが「写真」であったのも事実のひとつなのです。
記憶だけのものとなってしまった思い出が、「写真」を見ることによって、より鮮明に心に蘇ります。
もう、汚れきってしまって捨てるしかないと見られるような写真でも、かなりの割合で、きれいに再生出来るのです。
今、各地で、このボランティアをしている団体があるのです。
ちょっと、ご紹介していきましょう。
「写真洗浄プロジェクト」とは?
富士フイルムによる、写真でつながるプロジェクトの一貫として、活動が始まったのが最初です。
当時、プリントされた写真が、洗浄に耐えうるものだという認識が、まだ一般には広まっていませんでした。
2011年3月11日に発生した東日本大震災後に、状況に注目していた富士フィルムが、被災者の方々が、とても写真を大切に思い、がれきの中から一番に拾い上げている姿を見て、なんとか力になれないだろうかと着目したのだそうです。
そして、現地の方々と共同作業で、写真の洗浄、再生を行いながら、HPで、写真の洗浄再生の方法を詳しくアップしたのです。
きれいに再生された写真は、現地の体育館や、学校の仮設のコーナーに展示され、写真の持ち主のもとに返されていきました。
各地にボランティアも募り、全国規模にこの活動を広めていき、現在の姿になったのだそうです。
写真のプリントの意味
ここで、大きかったのは、富士フィルムがこの運動を始めて改めて気づいたことについてです。
実は、この写真の再生をするなかで、最近10年ほどの写真は、ほとんど見つからず、再生出来なかったのだそうです。
たぶん、皆さんご想像の通りだと思います。
そうなんです。
デジタル化
が、その原因なんです。
デジタルのデータは、一瞬で消えてしまったのですね。
ですが、一見、すぐに色あせたり、傷んだりしてしまうと思われるプリント写真は、生き残りました。
今一度、写真というもの、プリントというもの、データというものについて、考えるときに来ているのかもしれませんね。
究極の、アナログの強さが、ここにあるのかもしれません。
「写真洗浄プロジェクト」の各地の開催ボランティア
各地の写真洗浄ボランティアを、簡単にご紹介いたしますね。
- 課外活動@あらいぐま作戦 (東京都武蔵野)
- 海辺のあらいぐま (神奈川県茅ヶ崎)
- あらいぐま作戦 (山口県周南)
- ハートプロジェクト (長崎県)
- ハートプロジェクト (静岡県)
- MM思い出返し隊 (神奈川県みなとみらい)
- 「おもいでかえる」 (宮城県仙台)
- フォトサルベージの輪 (千葉県)
団体のリーダーの方が、お一人で運営していらっしゃる場合もありますので、問い合わせの際は、そこのところを踏まえて気持ちに余裕を持ってくださいね。
写真の洗浄には、特別な技術が必要という訳ではないんだそうですよ。
1日参加でしたら、午後には、プロフェッショナルだそうです。
老若男女、さまざまな方が、ボランティアには参加なさっています。
プロ、アマ問わず、カメラマンの方なども、多く参加されているのだとか。
再生した写真の展示場所の老朽化や、通常の使用に戻るための返還義務があるなど、いろいろ、問題も抱えているのが現状なようです。
ですが、とても、現地の方の心に添うことの出来る、ボランティアのひとつではないかと思います。
しかし、ここ数年、地球規模で天災が増え、日本では震災以降、地震の回数が増えているのもれっきとした事実です。
被災地の方のため・・・というよりも、自身への戒めのためにも、こういったボランティアに参加してみることは、とても意味があることだと思いました。
なんやねん!
この涙腺がゆるむ話・・・
まさケロンの中での写真のあり方が少し変わった気がするわ
データで残すのもええけど、ちゃんとプリントするのもええなぁ~