日本独特の習慣ホワイトデー。
欧米ではバレンタインデーそのものが好きな人同士でプレゼントをする日なので、「お返し」をわざわざ行事化したイベントはありません。
贈り物の習慣が人間関係を潤滑にする要素があるのは確かです。
が、学校や職場などで誰にも彼にも平等にギフトを配ること、それにお返しすることが半ば義務化してくると、経済的にも精神的にも負担に感じている人だって、実は少なくありません。行き過ぎた儀礼の慣習、無くしてもいいんじゃないかと思ったこと、ありませんか?
チョコも義理もお返しも、豊かな時代に生まれた習慣
バレンタインチョコが一気に広まったのは高度経済成長期
昭和33年東京の「メリーチョコレート」が新宿伊勢丹で初めて「バレンタインセール」をやりましたが、板チョコ5枚しか売れませんでした。
まだまだ日本はチョコより家族のご飯が先な時代でした。
40年代の高度経済成長時代に入ってようやく、バレンタインの盛りあがりも全国に広まっていきます。
70年代に義理チョコが生れ、バブル期にホワイトデーが定着
石油ショックで一時低迷した景気がまた成長路線に転じた頃、新たに
義理チョコ
という言葉が生れました。
続けて菓子業界はすぐにお返しの提唱を始めます。
1980年、飴屋業界が3月14日を「ホワイトデー」と定めました。
その後バブルの好景気の中、義理チョコとホワイトデーが定着化していきます。
20代前半のOLが職場の男性全部にひとりづつチョコを配るのも、普通のサラリーマンが女性に高価なお返しをするのも、何でもないくらい皆お金持ちだった時代でした。
すでに幻想!チョコの数が男性のステータスという思い込み
チョコのひとつくらい持って帰らないと恰好がつかない?
義理チョコを暗に要求する男性の言い分で一番多いのがこれだそうです。
チョコが女性の特別な好意の表明だった時代は、もらう数がモテ度を表していました。
が、義理チョコがこれだけ一般化した今、モテチョコの数を競う人種は一部の限られた立場の人だけです。
多くの男性の本音は、義理チョコなんか喜んでいない
甘党でもなく、日々の仕事の雑事に追われて時間がないサラリーマン男性にとって、会社の中で形式的に配られる義理チョコって、たいして嬉しいものではありません。
しかも、もらったチョコの値段に応じたお返しを個別に用意しないといけない、なんてやってられないのが本音のようです。
思い切ってやめても、案外摩擦はおこらない
女性だって義理チョコ止めたい人はたくさんいる
物価も税金も上がるけれど、末端の労働者の給料はそこまでは上がらない時代、本当に価値のあるものだけにお金を使いたい、という思考が高まっています。
女性の多くも義理チョコの慣習に疑問を感じているのです。
が、前述のように、特に上の方の世代の男性には、まだ義理チョコを期待する風潮も残っているため、女性のほうから止めることが難しいと思い込んでいます。
義理チョコを断ってみる。その上でくれるものにお返しはしない
と、男性が先に表明して、義理チョコをお断りしたら、ほとんどの
“義務”チョコ&お返し
はあっさり無くなるのではないでしょうか。
今年のお返しの際、
と言ってみませんか。
それで非常識を言いつのる女性なんて一部です。
心からの感謝のギフト習慣なら生き残る
最初の義理チョコが発生した理由は、日頃からお世話になってる人にせめてもの感謝の気持ちを伝えたい、という女性の気持ちでした。
義理チョコそのものが、すでに「普段のお返し」のつもりだったわけです。
ホワイトデーが一般化してから、そういう人は
あえて義理チョコを止め、他の形で気持ちを表すことに切り替えました。
本当に人間関係を温かくするギフトの習慣とは、ちゃんと双方の思いやりと共に生き残っていくものです。
お菓子屋さんとしては、景気回復のためにも消費を促進したい、という切実な気持ちもあるでしょう。
気持ちや収入に余裕がある人は、あえて商戦に乗って経済を回すことにご協力ください。
しかし、お菓子のやり取りにストレスを感じているなら、勇気を出してやめてみてはどうですか。
その分で家族のために出費して経済回してください。
本来職場の信頼関係とは、プレゼントではなく、日々いい仕事を作るためのコミュニケーションにより築かれるものですから。
バレンタインデーとホワイトデーが原因で、ギスギスするのって・・・
嫌やねぇ~
かと言って、相手にこの気持をそのまま伝えるのも失礼やし。
難しいな・・・