毎日暑い日が続いています。
暦の上ではついに
大暑
となりました。
大暑というのは、
7月初旬から中旬にかけてが小暑、子どもたちが夏休みに入る頃から8月初旬にかけてが大暑です。
大暑が終わると、暦の上では立秋、秋になります。
実際は、立秋以降に暑さのピークがくることも多いですが、日差しの強さと地面の温度の高さは、やはり今頃が一番厳しいです。
大暑の始まる3日程前から大暑が終わるまでの期間は、夏の土用(季節の変わり目の期間のこと)とも重なります。
丑の日にウナギを食べる習慣に見られるように、昔の人はこの厳しい暑さの期間、体をこわさず元気に過ごすための知恵をいろいろと巡らせていました。
地面に水をまくことで涼をとる
打ち水
の習慣も、暮らしの知恵のひとつです。
エコや省エネが叫ばれる昨今、この「打ち水」の習慣を取り入れようという運動が、都市を中心に官民をあげて、進められています。
打ち水大作戦の広まり
みんなで一斉に打ち水をする壮大な社会実験
国土交通省や、水に関わる民間の研究機関などが協賛、協力して作られている団体
打ち水大作戦本部
という所が、2003年から、地球温暖化対策の取り組みのひとつとして、決められた時間にみんなで一斉に打ち水をすることで、
ヒートアイランド現象
を緩和する実験を行っています。
これは、単に気温の上昇を抑えるだけでなく、実施プロセスを通して、
様々な効果をもたらしています。
日本国内はもとより、海外でも広く呼びかけ、日本の伝統「打ち水」の精神を広めながら、毎年500万人とも600万人とも言われる人たちが参加する、草の根市民運動になっています。
やることは、再利用水をみんなで地面に撒くだけ
壮大な実験と言っても、やることは至って簡単です。
- 友だち同士の集まり
- 地域のサークル
- 自治会のあつまり
この時季開催される夏祭りの余興などでも、みんなで呼びかけて、一斉にやると効果的です。
実際に大人数での打ち水で、気温が2℃くらい下がることが、度重なる実験で明らかになってきています。
打ち水をすると何がいいのか
水道水を使わないことが大事なんです
打ち水で涼をとる、というと、逆に
という声も聞かれます。
自然を開発して地面をアスファルトで覆い、電化製品を使いたい放題して、便利を享受している結果、ヒートアイランド化が進んでいるのに、
更に山奥を開発して作られるダムのおかげの治水の水をジャブジャブ使って涼むとは・・・
という人もいます。
ごもっともです。
この打ち水大作戦では、温暖化をきっかけに、そういった自然開発や環境の問題についても広く、多くの人に考えてもらいたい、という主旨があり、あえて
水道水は使用禁止
というルールで進めています。
米のとぎ汁も捨てずに利用していた昔の人たちの、限りある資源を繰り返し無駄なく使う文化を再考し、私たちの使い捨て生活を見直すきっかけにしてもらおう、という主催者の思いがあるようです。
みんなでやることが街の絆を作ります
暑い時間に、大勢で同じ場所でいっせいにやることで、地面の熱が水蒸気と共に奪われ、温度が下がります。
また、水をうつ様子を見ていることで涼しさを感じられ、それぞれの人がうちの中で個々にエアコンをつけるのではなく、大勢が集まって、外の風の中で団扇で煽いだり氷を食べながらおしゃべりすることで、気持ちもリフレッシュし、暑さも楽しくなったりします。
お祭や自治会の運営などの集まりには気がひけて行けない人も、近所の打ち水のボランティアだけなら、参加しやすく、なかなか隣近所の人と会話する機会のない都会で、ささやかで重たくない近所づきあいのできるチャンスにもなっています。
日本の夏は8月もずっと猛暑が続くので、処暑の頃まで開催している地域も見られますが、この土用の時期が最もイベントが多くなっています。
最近は市区町村なども積極的に参加しているので、あなたの地域でも、もしかしたらやっているかもしれません。
ウナギもいいですが、浴衣でも着て、桶でももって、日本の夏の伝統を楽しんでみるのもいいですよ。
なんたって、エコですし・・・・ね。
打ち水って風流でええやんなぁ~
気持ちから涼しくなるって感じで気持ち良で!