電子書籍とリアル書籍
電子書籍とリアル書籍の棲み分け
電子書籍
が日本に定着して、ある程度の時間が経ちました。
当初ささやかれていたように
という懸念もどうやら杞憂に終わりそうです。
本が売れなくなってきている、と先行きに不安を感じていると専門家もいます。
ですが筆者の目にはそのようには映りません。
あいかわらず本は売れていると思うし、電子書籍の登場により紙の本、ここでは
リアル書籍
と呼ぶことにしますが、リアル書籍が姿を消すこともないと考えています。
リアル書籍が電子書籍に取って代わるということは、筆者の私見ですが永遠にあり得ないと考えます。
自然にそれぞれの棲み分けが成立していると感じるからです。
リアル書籍の得意分野と電子書籍の得意分野が確立されていると言い換えることが出来るかもしれません。
新刊はリアル書籍に軍配が上がる。
最近は新刊が発売されるとほぼ同時期に電子書籍としてもリリースされます。つまり発売とほぼ同時に新刊を電子書籍として読むことが出来るのです。
電子書籍端末が各社から発売された当初は、電子書籍化されるまでにタイムラグがありました。そのため新刊がいち早く読みたければ、リアル書籍を購入するしかなかったのです。
しかし今や新刊書をリアルで読むかデータとして読むかを選択できます。
ですが新刊書はリアル書籍での購入が圧倒的に多いです。
少なくとも筆者は新刊書を電子書籍では読みません。好きな作家の本はやはりリアルで読みたいのです。
のちに詳しく書きますが、本を読むという行為に関してはリアルと電子書籍では全く違います。
紙の本というものが何世紀にもわたって人類に親しまれているのには理由があるのです。
絶版などは電子書籍が有利
一方、もう書店で購入することができない本が電子書籍として購入できるケースがあります。
長い間「絶版」になっているような本がこれに該当します。
このような場合は電子書籍が便利です。なかには図書館にもなく、古書として購入するとそれなりの価格がするものがありますが、それが安価に購入できるケースがあるのです。
筆者は電子書籍端末を保有していますが、ダウンロード購入した本はすべてリアルでは入手困難なものばかりです。
逆に言うとそれ以外はすべてリアル書籍で読んでいます。
電子書籍では読書体験が出来ない?
本を読むという行為
読書好きなら理解していただけるのではないかと思うのですが、本を読むという行為にはある種の感覚が生じます。
皮膚感覚
とでもいうのでしょうか、それは指でページをめくるいう動作です。
当たり前の動作なのですが、印刷されている文字を読んで理解するという読書の基本的な動作よりもこの皮膚感覚が読者にとっては大きな意味のある行為だと思うのです。
ページをめくるときに感じる紙の感触、筆者は人間の脳の働きや役割については素人ですので、専門家から見ると全く見当違いのことを述べているのかもしれませんが、指が感じる紙の感触は脳に何らかの影響を与えているのではないかと思うんです。
そういった感触も含めての読書体験だと思う。電子書籍ではその感覚は体験できません。
そういった人間の本能的なものがあるからこそ、電子書籍が紙の本を駆逐することはあり得ないと思うのです。
極端な意見ですが電子書籍での読書は、本当の読書体験ではないとさえ思います。
では電子書籍に未来はあるのか?
では電子書籍は廃れていくのか? いつかは無くなってしまうのか? それは分かりません。
例えば
歴史的な資料
というものがあります。
博物館に所蔵され閲覧が出来ないようなレベルの貴重な文献、そのようなものを電子化し、誰でも読めるようにする。
そのような方向で発展していくということも考えられます。これは大きなメリットになります。
いずれにしても紙の本で読めるものを電子書籍化するのは全く意味がないと筆者は思うのです。
今まで読めなかった貴重な文献が電子書籍化で見れるようになったら嬉しいね~!