3Dの先を行く「体感型システム」
映画は3Dからさらに進化した
映画の3D上映、すっかり定着した感があります。
小学生からの映画ファンである筆者も、条件さえ合えば通常上映より3D上映を選びます。
筆者の子供の頃と違い、いまは様々な形で映画を鑑賞することが出来ます。DVDやブルーレイをレンタルして、自宅のテレビで鑑賞したり、ネットの映像配信サービスを利用して、スマホやタブレット端末でも鑑賞できる時代です。
多様な鑑賞方法が選べるわけです。そのために映画館まで足を運ぶファンが少なくなったとも言われています。
いま無意識に「映画館」という言葉を使いましたが、純粋な映画館って少なくなってきましたね。
ショッピングモールなどに併設された、複数のスクリーンをもつ「シネコン」が目立つようになりました。
さて呼び名と運営スタイルは変わっても経営側としては「映画館」に足を運んでもらわなければならず、劇場でしか体験できない上映スタイルとして、「3D」や「IMAX」などの技術が開発されたと言われています。
そして「3D」からさらに進化したといわれている上映システムがあります。
それが
「4DX」
です。
4DXって?
「4DX」とは、映画のシーンにあわせてシートが振動し、加えて様々なエフェクトが楽しめるものです。
たとえばカーチェイスのシーンではシートが前後左右に激しく振動し、嵐のシーンでは水が降り、風がふきつけて、雷鳴が画面とシンクロしてフラッシュします。
爆発シーンでは煙が発生するなどのエフェクトが楽しめます。
以下に紹介ムービーを張っておきます。
昨年の12月に東京都内に新たな4DX対応の映画館がオープンしたので、体験してきました。
「4DX」は初めてですか?
まずチケットを購入。4DX上映を指定すると、人気があるようで上映一時間以上前にも関わらず、座席の半分はすでに埋まっていました。
筆者が想像していたよりも、このシネコンの4DX対応劇場は座席数が少ないようです。
これは4DX専用劇場を新たに増築したのではなく、既存の劇場を4DX対応に改装したためだと予想されます。
比較的前方の真ん中の席を予約。料金は大人2800円とかなり高めです。
まあ、4DXだから仕方ないでしょう。
劇場スタッフが質問してきました。
そうだ、と答えると、
ちょっと、不安になってきました。そんなに激しく振動するのでしょうか?
さらに、
とびちるジュースとポップコーンを想像してしまいます。
そんなに激しいのか、でもこぼしに注意しろって言われてもなあ。
大丈夫なのかな、気分が悪くなったらどうしよう、などと考えながらチケットを受け取りました。
幅広い観客層
土曜日の15時台からの上映とあって、観客層は幅広い年齢でした。
小学生高学年の子供から、60代ぐらいの年配のかたまでバラエティに富んでいます。
荷物について言えば筆者は心配だったのでバックとジャケットはロッカーに入れました。
このロッカーは8割の観客が使用しているようでした。
劇場の広さについてはどちらかといえば狭いという印象を受けました。
まず目を引くのがシート。通常の劇場のものとはかなり印象が違います。
完全にテーマパークのアトラクションのシートです。
4人掛けで1セット。肘掛けがついていますが、ソファーのような形状をしています。
座席ナンバーの表示プレートが非常にわかりにくい位置にあるため、自分の座席を探すのにとまどいました。
シートに座ってみると見た目よりもゆったりとした幅で、クッションも程良い感じでした。
「座席下には荷物がおけない」とスタッフが行っていたとおり、太い支柱があるため荷物用のスペースはありませんでした。
あまりのエフェクトのすごさに場内爆笑
さて、上映時間がやってきました。場内が暗くなると、まずスクリーンに映し出されたのが
「ご鑑賞の注意」
身長100センチ未満、妊娠中のかた、ご年輩のかたは4DXを利用できないとのこと。
本当に大丈夫かな。筆者、車に酔いやすいんですけど。
次に上映されたのが、4DXのプロモーションムービー。
ここからいよいよエフェクトがスタートします。
内容は簡単なカーチェイスと銃撃戦。スクリーンで車が猛スピードで坂道を下り、バウンドして着地するシーンが始まると、思っていた以上にシートが激しく振動しました。
そして車が道路上の水たまりを水しぶきをあげながら通過すると、
水しぶきが顔にかかりました。
スプレーで顔に水をかけられた感じ。
筆者めがねをかけていますが、レンズに水滴が。
ちなみに水のエフェクトは手元にあるスイッチでオフにすることも出来ます。
次に銃撃戦。相手が発砲した瞬間、あたかも弾丸が耳元をかすめていったかのごとくエアーが吹き付けられます。
プロモーションムービーが終了した瞬間、観客のほとんどが爆笑していました。筆者も笑ってしまいました。
「なにこれ楽しい」
予告も4DX対応。
3本ほど予告が上映されましたが、驚いたことに予告も4DX対応でした。
本編ではほぼシートが振動しっぱなし
さて、筆者が観た映画は日本のマンガを原作としたフルCGアニメーションです。
近未来を舞台にした、サイボーグと女性兵士が主人公のアクションをメインとしたアニメーションなので、ほぼシートが振動しっぱなしでした。
感心したのは音楽に合わせて画面が振動する点です。
冒頭のタイトルシークエンスでテクノポップがBGMとして使用されているのですが、このビートにあわせてシートが振動していました。
これはうれしい、楽しい。また空撮シーンでも浮遊感を出すためにシートが微妙に振動します。
残念ながら映画に雨や嵐のシーンがなかったため、
- 「雨」
- 「雷鳴のフラッシング」
- 「雪」
これらは体験できませんでした。
ちょっと興ざめだったのが「煙」です。
これは爆発シーンの際のエフェクトだったのですが、スクリーンの左右から煙が吹き出すのです。ちょっと違和感がありました。
結論 〜楽しいが…〜
4DXを体験した感想ですが、楽しいです。
体調や車に酔いやすいなどの体質的な部分がクリアできるのなら体験する価値ありです。
でも私的にはアトラクションであり、映画鑑賞というものとは離れてしまっていると思います。
4DXの特徴のひとつである、「まるで映画の中に入り込んだような臨場感」は残念ながら筆者は感じることが出来ませんでした。
臨場感という面では巨大スクリーンとクリアな映像が売りである「IMAX」に軍配が上がると感じました。
また、今回筆者が観た映画は上映時間が1時間40分前後だったのですが、長さとしてはこれが限界だと思います。
最近は2時間30分かそれ以上の上映時間も決して珍しくなくなってきましたが、長時間の上映ではちょっと食傷気味かもしれません。
人によってはエフェクトのせいで映画に集中できないと感じることもあるかもしれません。
わかりやすいストーリーのアクション中心の映画か、ディズニーのアニメなどが4DX向きのようです。そういう点では筆者はよい選択をしました。
「デートには向いている」とおもいます。実際カップルの姿が目立ちました。
筆者的には、今後すべての映画を4DXで観たいとは思わないけれど、相性の良い映画が上映されればまた体験したいと思います。
体感型の映画館か~。TDLとかUSJのアトラクションを映画に組み込んだようなイメージかな?なんだか物足りないな~っていつも感じてる人とか、寝ちゃう人にいいかも!まさケロンも今度いこ~。