吹替版の謎
洋画は吹き替えに限ります。
筆者は大の映画ファン。
最盛期には週に2~3回は映画館に足を運んでいました。
邦画より、洋画のほうが好きです。
最近の洋画は日本語吹替版を上映することが多くなってきました。
筆者は字幕より、だんぜん吹替版を選びます。
字幕は文字数が決まっているので、情報量が限られてしまい、微妙なニュアンスが伝わらないというデメリットがありますが、吹替なら情報量も多いため、より映画を楽しめると思うのです。
実は字幕を読むのが面倒だという理由もあったりします。
ところで効果音ってどうなってるの?
先日も話題の映画を吹替版で堪能しました。そのとき、ふと疑問に思ったことがあるのです。
吹替版では「セリフ以外の効果音」などはどのように処理しているのでしょうか?
吹替版はオリジナルのセリフを消して、日本語のセリフに差し替えているわけですよね。
セリフだけなら問題無いと思うのですが、映画には効果音があります。
例えばアクションシーンで爆発音が轟くなかでのセリフがあったとします。
そのセリフを消して日本語に差し替えることになると思うのですが、その場合セリフと一緒に爆発音も消えてしまいますよね。
単純に効果音も新しく作りなおしているのかもしれないけど、それはコストがかかるから現実的じゃないと思うのです。
実際に吹替版を見ても、効果音やBGMに違和感はなかったし、一度、吹替版と字幕版を同時に観たことがあるのですが、効果音に違いはなかった、と記憶しています。
一体どうやって処理をしているのでしょうか?
吹替版の効果音、実は…
効果音は、ほぼ作りもの
まず映画の効果音はどのようにして作られていると思いますか?
爆発とか銃声などの非現実的な音は、専門家が作っているのだろうと想像できますが、
- ドアが閉まる音
- 車の発進音
- 雑踏の喧騒
など現実的な音については、撮影時に現場で録音したものをそのまま使っているのではないか、と考える人が多いと思います。
実は映画においては、ほとんどすべての効果音は、作られたものなのだそうです。
爆発音、銃声はもちろんのこと、ドアが閉まる音、椅子を引いたときの音なども効果音専門のスタッフがつくった音を使用するのだそうです。
現場で録音した音をそのまま使用することもないわけではありませんが、概して現実の音は
「映画で使うにはちょっとショボい」
のだそう。
セリフでさえも状況次第では、後日スタジオでアフレコすることもあるのだとか。
セリフ、効果音、BGMは個別に処理される
効果音はあとで作ることが一般的だということがわかったうえで、映画における音響の作業について説明しましょう。
いよいよ吹替版における効果音の謎が解き明かされます。
映画ではセリフ、BGM、効果音はそれぞれ個別のデータとして調整などの処理をしてから、後でミックスします。
個別のデータとして処理をするのは先に述べたように効果音を後で作っているという事情も関連していると思われます。
吹替版の場合はセリフだけのデータに変更を加えるという作業になるので、個別データとして分けてある効果音には何の影響もないということだそうです。
もっとすごい技術が使われているのかと期待していたのですが…。
ちなみに音声を個別に分けて後でミックスするというのは、映画ではもうかなり前から行われてきた作業だそうで、音楽CDなども同じ手法を用いているそうですよ。
現実の音がショボイってのはなんだか悲しいところだけど、作り物の音のほうが心に響くってのも面白いな~。