育児・子育て

「ウンチの香りの液体」の話に興味をそそられる気持ちの心理学

Written by すずき大和

2015年12月上旬、おもしろネタのキュレーションサイトで

「イギリスの通販サイトAmazonで『人糞の香りの液体』が概ね好評!」

という話が紹介されました。

ネットの世界では、たった1日でこの情報を転載、リライト、ネタにする記事が、一気に増産されました。ちょっと検索すると、個人ブログやマニアックなコミュニティから、よく読まれるニュースサイトまで、いろんな所で取り上げられているのがわかります。

クリスマスを前に、パーティーネタやイタズラ商品が人気になる時季とはいえ、雑学ネタ記事としてはなかなかのヒット反応です。

“みんな何だかんだいって、「下ネタ」ほんとに好きなんだな~”

と、思わずニヤッとしてしまいます。



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誰がどこで使うのか?「ケツの臭い液」という名のリキッド

瓶入り「リキッド・アス」。日本円で1600円

ほら、これを読んでいるあなたも、その商品が気になって知りたくなってきたでしょ。

まずは大モトのサイト記事はこちら↓


記事によれば、「リキッド・アス」(アスはスラングで「尻」の意)という商品は、

  • 人類の知る中でも圧倒的に臭い液体
  • 野外トイレ、汚れたおむつ、下水道などの香りを生み出す無限の可能性を持った液体
  • 100%人糞の香り
  • 何かが死んでいるような香り

・・・なんだそうです。

別のサイトには

「濃縮おなら臭」とか「ウンチの香り」

という表現もありました。購入者の反応を見ると、その再現力はかなりの完成度で、イタズラ好きの人からは大絶賛されているようです。

日本ではジョークで済まされなさそう

いったいそんなもの、誰がどこで使うために作ったのか!という気もします。

ネットで検索したら、除菌スプレーなどのノズルにあらかじめリキッド・アスを詰めておき、知らずにシュッとした人が大惨事に見舞われる!というイタズラ指南がありました。

アメリカ人が無類のジョーク好き、という印象はあります。が、イギリスは紳士の国のようなイメージが強く、そんな“お下劣な”イタズラが笑って済まされるのかちょっと半信半疑な感じもします。

もとは

「米軍が模擬戦闘において、引き裂かれた腸の臭いを再現するために生み出された」

と記事にはありますが、欧米人の追求するリアリズム、ちょっと怖い・・・。

日本では、ギリギリその場ではウケても、もう誰も家に呼んでくれなくなるのは確実かも・・・。あくまでも、珍しいモノネタで笑いを取るくらいにして、本当にイタズラに使うのはやめておいたほうが良さそうです。

人はなぜウンチネタにニヤけてしまうのか?

ウンチの興奮は子ども時代の郷愁

日本人が「ケツの臭い液」に興味を示すのは、ひんしゅくすれすれのイタズラに興味があるというより、子どもの頃、意味もなく「ウンチ」「オシッコ」「おしり」というキーワードに興奮してキャッキャッと喜びまわった“あの感覚”を懐かしく思い出すからでしょう。

  • 加藤茶さんの「ウンコちんちん」とか
  • 鳥山明さんの漫画「Dr.スランプアラレちゃん」とか・・・

あなたも思い出すギャグはありませんか。どの時代も子どもは本当に下ネタが大好きです。

下ネタ心理学は実はとっても奥深い

では、どうして子どもはそんな下ネタを喜んでしまうのでしょう?

実は、かの有名な精神分析学者フロイト教授も、この心理について分析されておりました。

無意識のうちに性的な快感や興奮と結びつくからだの一部を

「催情部位(さいじょうぶい)」

というそうです。フロイト先生は、授乳によって母の愛を感じる「口」は、赤ちゃんが最初に意識する催情部位だといっています。

乳を欲しがるのは、栄養への欲求表現であるだけでなく、乳房を吸うことそのものが快感なのです。乳離れしても口寂しくて指をしゃぶるのも、赤ちゃんなりの「性欲」の満たし方なのだとか。

完全に乳離れすると、赤ちゃんは次の「気持ちいい」を求めるようになります。それが、排泄してすっきりする気持ちよさであり、肛門が催情部位となります。気持ちよい結果として出て来るウンチには、赤ちゃんは一種の愛着を持ち、ウンチは快感の象徴となります。

オムツを卒業し、自分でするためのトレーニング時期になると、ウンチできることで、母親から褒められるようになります。そのことも、

ウンチ=喜びの象徴

に結びつき、意味なく

「ウンチ、ウンチ」

と連呼することが、快感と興奮につながっていくそうです。

大人になる通過儀礼

心理学者のいう「性欲」とは、大人の連想する「エロ」とはまたちょっと違う意味なんでしょうが、スッキリ快感を「喜び」として求める子どもの素直さは、なんとなく納得できるものがあります。

フロイト先生は生理的なメカニズムから説いていますが、もう少し大きくなると、大人が顔をしかめる「忌避」の文化に逆らうことの達成感やイタズラ心も出て来るのでは、と分析する社会学の専門家もいます。何にしても、思いの外奥が深いです。

下ネタ好きのやんちゃな子に手を焼いている保護者の皆さん、子どもがやれウンチだオシッコだと興じていても、精神発達する途中の大事な通過儀礼と思って、あんまり叱りすぎないであげてください。・・・無理だけど(笑)。

まさケロンのひとこと

ウンチの香りの液体、もしかしたらそういう“香り”が「好き」とか「落ち着く」っていう変わり者もいるかもね。。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。