普段みんながいろいろな場で目にすることが多い「世界地図」。
日本では日本と太平洋が真ん中にある地図がおなじみですが、欧米先進国がリードしてきた国際社会では、ヨーロッパが真ん中にあるのが定番です。
実は、海外サイトでよく見る地図と日本でよく見る地図を見比べると、配置だけでなく、国の形や向きがちょっと違っているように見えるケースが多いことにも気付きました。
地図といえばメルカトル・・・ってわけじゃない
図法の違いで微妙に違って見える世界地図
丸い地球を平らな地図に描くと、
- 角度
- 方向
- 距離
- 面積
- 上空から見た形
そのすべてを正しく表現することは不可能です。どれかの情報を正しく表す地図にするためには、他の情報にどうしても“歪み”がでてきます。
日本の地図と海外の地図を見て、形や場所などがちょっと違って見えるのは、それぞれ距離や方向や形など、何かの表現に歪みがあるためです。
メルカトル図法とモルワイデ図法
日本の世界地図は、「メルカトル図法」で作成されたものがポピュラーです。緯度と経度の線が碁盤の目のように垂直水平になっている地図です。
海外では、メルカトル図法の地図も使われていますが、北極や南極に近くなるにつれ、先がすぼまっていくように経線がカーブしていく地図を見ることも多いです。多くは「モルワイデ図法」をもとにして作成されている地図です。
メルカトル図法の地図は、緯度が高くなるほど面積が大きく描かれます。例えばグリーンランドは、赤道付近の国と比べた時、10倍以上も大きく描かれています。
モルワイデ図法を元にした地図は、その大きさの歪みの見え方が少し緩和されています。
が、面積比の正確さを優先する地図は、東西の端のほうにいくほど形が歪んで見える、という特徴があります。完全に面積比に忠実なモルワイデ図法では、カナダやロシアやオーストラリアが斜めにびよ~んと引っ張られた変な形に見えます。
メルカトル図法も、緯度が高いほうが大きくなるので、実際に上空から見た形と比べると上下の大きさが違っていてちょっと歪んでいます。が、面積比の歪みをなくす図法の地図に比べると、形の違和感は小さいものです。
なんなら、グーグルアースで確認してみると、よくわかりますよ。
メルカトル地図だけど、実際の大きさ比較もできるシステム
国の大きさを比べっこできるサイト完成
2015年8月、ワシントンポストなどが、“アメリカ・デトロイトにあるふたつのコンピューター関連開発会社が、
「地図上で本当の国土の大きさを表示することを可能にしたシステム」を開発した”
と報じました。1年たって、ごく最近、また海外や日本のキュレーションサイトで話題になっているようです。
この新開発のwebサイト
『The True Size of …』(本当の大きさ・・・)
は、開くとメルカトル図法の世界地図が表れます。
左上のコマンドに、比べてみたい国名を入れると、その国をドラッグして動かせるようになります。
例えば「Japan」をドラッグして、より高い緯度にあるヨーロッパの上まで持ってくると、その辺の縮尺にあった大きさになります。極東の小さな島国の印象だった日本が、意外と大きいことがわかります。
世界の国々を比べて遊んでみよう
最初にページを開いた時、すでに
- アメリカ
- インド
- 中国
の3国が、アフリカ大陸の上にドラッグされて乗っかっています。メルカトル地図だと北半球の国は大きめに表示されていますが、実際は
“アフリカ大陸はアメリカとインドと中国を足した面積より大きい!”
とメッセージして、訪問者の好奇心を煽っているのです。
いくつもの国を同時にドラッグして遊ぶこともできますから、いろいろ動かして楽しんでみてください。意外と面白いです。
日本の世界の国との比較はぜひやってみて!!日本の全長は、アメリカ縦断や中国縦断するよりも長いことが、改めてわかります。
日本をグリーンランドの方までもっていったらBIGになってびっぐりしたよ。