「星占い」の今日の運勢が気になるあなたに贈る、星と星座のウンチクです。生まれ星座の性格占いと、星にまつわるトリビアを紹介しています。
星を結んで何かの形に見立てた「星座」という文化は、古代バビロニア(メソポタミア文明)が発祥といわれています。
ヨーロッパ(北半球)から観測できる星座の多くは、古代ギリシャでバビロニアの星座を元に再構築されたものが、現代まで引き継がれています。ギリシャでは、オリンポスの神々のエピソードと星座を結び付けた叙事詩が語られ、それも今に伝えられています。
9月生まれのあなたは何座?
ひとつの神話から生まれたふたつの星座
9月は、
- 1日から22日までの生まれの人が「乙女座生まれ」
- 23日から31日までの生まれの人が「天秤座生まれ」
になります。
乙女座は、バビロニアから受け継がれた歴史の古い星座です。ギリシャ神話の他に、メソポタミア文明の逸話も残されています。他にも、乙女の正体について、3人ないし4人の説があります。
天秤座は、一番新しい太陽星座です。元は隣のさそり座の一部でしたが、ギリシャ時代に12の太陽星座と占星術の体系が整えられる時に、はさみ部分が分化されて生まれました。
乙女の正体の一説は、天秤座の神話に登場する正義と天文の女神「アストライアー」です。
アストライアーが持っていた“正義を計る天秤”が天秤座になり、アストライアーは乙女座になった、と伝えられています。
真面目で融通のきかない乙女座/世渡り上手な天秤座
乙女座生まれの人は、何事もきちんとすることを好み、完璧主義で、高いスキルも持つ人です。が、理不尽なことを許さず感情より知性で判断するほうなので、時に神経質な融通の利かないタイプに思われ、周囲から疎まれます。
この性格は、人間の過ちを許して信じようとしたアストライアーより、もうひとつの神話に出て来る「大地の女神デメテル」の気質に近いようです。
天秤座生まれの人は、バランス感覚に優れ、機転が利き、品を重んじる友愛の人です。無理な挑戦はせず、無難に平和的に物事を解決する天性の世渡り上手です。周囲から信頼されますが、自分が泥を被らないようにうまく妥協して切り抜けている策士、という一面もあります。愚直で不器用な乙女座の人とはとても対照的です。
星座の形と大きさの話
星座は空の住所表示?
- 星座の“形”と聞くと、星と星をつないだ線の図形を連想しますか?
- それとも牛や羊や天秤など、よく星に重ねて映し出されるイラストの形でしょうか?
現在の天文学では、星座とは空の「領域」を示す符号です。
夜空には88の星座があります。全天の領域は、この星座ごとに88の区画に分けられています。星座と星座の境界線は、「赤経・赤緯」を表す架空の直線で区切られます。赤経と赤緯は、天空の座標を表すために、地球の経度・緯度を表す架空の線を空に反映させたものです。魚座の位置が、赤経0度になっています。
各星座の領域は、モザイクのようにカクカクした輪郭線になり、それが本当の“星座の形”です。空の全ての地点は、どれかの星座の領域内にあります。
「○○座の領域に新たな銀河が発見されました」
というニュースが流れたら、それは○○座と呼ばれる星を線で結んだ図形のどこかではなく、その星座の領域のどこかを表しているのです。
乙女座とさそり座
乙女座は太陽星座の中で最も大きな領域の星座です。天秤座を分化せず、元の大きなさそり座のまま太陽星座にしていたら、それは2番目に大きな星座となるはずでした。
古代地中海社会は12進法の世界だったので、ギリシャでは、天の黄道(太陽の通り道)を星座ごとにバランスよく12のエリア(十二宮)に区切って天文学の体系を作ろうとしました。巨大な太陽星座がふたつ続くと、ふたつの領域を太陽が通過する時間が他に比べてとても長くなってしまいます。天秤座とさそり座に分けたほうが、都合が良かったのです。
尚、現在私たちがよく知る占星術の十二宮は、太陽の位置が1か月ごとになるように間隔をほぼ等分しています。が、実際の星座の領域は大小の差があります。また、長い年月の間に星座の位置は少しずつずれるので、古代の十二宮が現代に引き継がれた占星術では、誕生日の生まれ星座が、必ずしもその日に太陽がいる位置の星座じゃありません。
以前流行った「13星座占い」では、正確に現在太陽のある位置によって生まれ星座を分けていました。星が本当に人の運命を左右するなら、星の位置はちゃんと正確に分析してもらわないと困りますよね。
が、13星座占いは今ではすっかり下火で、西洋社会や日本では、未だに古代に作られた占星術による星占いが支持されています。
でもそれ、占いの根拠なくないですか!?
なんてね。そんなこと気にして占いなんてしちゃいけませんよね。
乙女に会いたいな~なんかもういろいろすごかったんだろうな~。