健康・医療の豆知識

夜間頻尿/夜3回以上トイレに行く人は死亡率が倍になる!?

Written by すずき大和

2018年の夏は、災害レベルとさえいわれる「猛暑」「酷暑」の夏でした。多くの人が「熱中症」で搬送され、命を落とした人数も例年の比ではありませんでした。

熱中症は、より体力や持続力の弱い人に大きな影響を与えます。日中の猛暑で疲れた身体を夜間の睡眠によって回復しきれないまま、疲労が慢性化していった人たちの多くが、思いがけず一時的にクラクラして仕事にならない熱中症症状を経験した夏でした。

夜間も気温が下がらない「熱帯夜」に睡眠を妨げられた人もいました。また、熱中症対策として、水分補給が繰り返し呼びかけられたため、今度は水分摂取過多状態になり、夜何度もトイレに起きる「夜間頻尿」症状が、睡眠障害を連動したケースもありました。

夜頻繁にトイレに行くことは、熱中症以外にも、想像以上に危険な病気につながる、または何らかの病理が隠れている場合があります。

たかが「おしっこの回数」と、見過ごしてはいけません。



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おしっこ近いですか?

どれくらい近いと頻尿?

一般的に、

“日中起きている間、8~10回以上おしっこに行くと、「頻尿」”

とされています。個人差もあり、それまでの生活に比べて、「最近回数が多い気がする」と感じたら、何らかの体調不良のサインだと疑ってみてください。

“夜のトレイ回数が2回以上の場合は、「夜間頻尿」”

と呼ばれます。40代を過ぎると、どうしても多少トイレが近くなるので、中高年者なら、夜1回だけトイレに行く人は、まあ、正常の範囲と思っていても大丈夫です。

2回の人は、

寝る前の水の飲み過ぎに注意して、他に体調不良がないか気を付けていましょう。

3回以上トイレに起きてしまう人は、

夜間頻尿です。出来れば、ちょっとお医者さんに相談してみましょう。

夜間頻尿に隠れている病気

日中の頻尿は、

直接的な原因として、膀胱機能や前立腺、腎臓、脊髄などに病気がある場合が考えられます。糖尿病や高血圧、うっ血性心不全などが誘因となっていることも多いです。ストレスがそれらの症状を引き起こしている場合もあるし、意識過剰など心因性の症状もあります。

夜間頻尿の場合、

眠っているので心因性(気にし過ぎて尿意を誘発してしまう症状)のケースは少ないのですが、昼間はそうでもないのに、夜間だけ頻尿の人は、更にいくつか気にしたほうがいい問題があります。

通常は、夜間は昼間より尿量が少なくなりますが、

水分過多の人は、夜間も尿量が多くなっている場合が多いです。

ただの水の飲み過ぎ、と軽く見てはいけません。

水やお茶の摂取が多すぎることが日常化していると、「水中毒」(ナトリウム不足の症状)になっている可能性もあります。

睡眠障害は、原因にも症状にもなっていて、夜間頻尿が続くとイタチごっこになります。睡眠不足は、日中の注意力を散漫にし、事故の原因となります。また、熱中症に限らず、多くの不調や病気を誘発していきます。積み重なると過労死にもつながります。

そんなに水も飲まないし、若いのに夜間頻尿の人は、

「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。

これは、睡眠中に10秒以上呼吸が停止して、酸欠状態に陥ることが、1時間に複数回発生する症状で、起きている間も様々な体調不良を引き起こす病気です。

また、糖尿病は、

日中だけでなく、夜間の頻尿も誘発します。

他にも、心臓病、腎臓病を患っていると、

夜の尿量が増えて、夜間頻尿になりやすいです。

ホントは怖い!高齢者の夜間頻尿

なぜ年を取ると夜トイレに行くようになる?

子供の頃は夜9時間とか10時間、ぐっすりと眠っていた人も、40歳を過ぎると、多くの人が夜中に1回トイレに起きるようになります。一番大きな原因は、膀胱の老化現象といわれています。

が、前述のように、頻尿の原因は様々なことが影響しています。年を取り、身体のいろいろな部分にガタがきて、何らかの病気になりそうなことを警告するため、身体がトイレを近くすることでサインを送っている、とも考えられます。

原因不明のケースも少なくなく、はっきりとコレ!とはいい切れません。

死亡率2倍!

高齢になればなるほど、頻尿の割合が高まることははっきりしています。

60~70代の調査では、

  • 男性の30%
  • 女性の15%

に、夜間頻尿の症状が見られます。

そして、有名な北欧での実験データが知られています。

高齢者の集団を4年に渡り追跡調査した結果、夜間頻尿の高齢者とそうでない高齢者では、死亡率に大きな差が開きました。夜間頻尿の人は、そうでない人より2倍も死亡率が高かったのです。

夜間頻尿を誘発している病気にかかっている人が多かったせいもあるでしょうし、睡眠障害が寿命を縮めた、とも考えられています。

何にせよ、

『夜間頻尿の人は長生きできない!!』

という可能性が極めて高い、ということがわかります。

おしっこは、いろいろな病状と密接に関係があります。夜間頻尿や尿失禁など、少しでも今までと違う感じを覚えたら、早めに泌尿器科を受診してみましょう。何でもなかったらそれでよし。念の為に、お早めに。

まさケロンのひとこと

あなどれない頻尿!!けっこう深刻なパターンもあるみたいだし、これははやめに受診したほうがよさそうだね。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。