キリスト教徒の皆さんにとっては、一年で最も重要な祭典
イースター
日本語では復活祭と呼ばれます。
イエス・キリストが十字架にかけられてから3日後に生き返ったことを祝福する日です。
宗教を超えて世界中でホリデーイベント化しているXmasに比べると、異なる宗教を信心する人が多数共生する国でも、キリスト教徒以外の人がイースターをお祝いすることはほとんどないようです。
何でもありありの日本では、お祭りなら何でも便乗して商戦ネタにしてしまうのがお得意です。
というのがメインイベントになっているイースターは、商戦向きに見えます。が、今一つ盛り上がっていませんね。
盛り上がらない現状の分析
ハロウィンの時のように商業展開していかない
イースターはキリスト教色が強すぎるから広まらない、という人もいますが、似たようなキリスト教独特のイベント「ハロウィン」は、30年程前に取り込まれると、不景気な時代であったにも関わらず、徐々に浸透して、今ではみんな知っているイベントになりました。
某人気テーマパークでイベント化されたことも、普及に拍車をかけました。
イースターイベントも千葉県某所で2010年に始まっていますが、身近な商店街がこの時季イースター仕様に様変わったりはしていません。
とにかく企業が商戦化に消極的
かぼちゃより卵のほうが、スイーツも料理もグッズもバリエーション豊かに展開できそうです。
仮装パーティーより家族でご馳走のほうが、どう考えても日本人の生活に取り込まれやすいでしょう。
欧米ではこの時季イースターエッグを作るための様々なグッズやキットが販売され、Xmasの電飾のように家ごとに卵作りが盛り上がります。
年度明けで忙しい日本人は、そんな面倒臭いことは嫌でしょうが、それならば尚のこと出来上がった卵を売りつけるマーケットは広いですよね。
ほぼお菓子業界だけが儲かるハロウィンより、よっぽど商戦に取り込み易そうに思えます。
が、商品展開しようとするメーカーや外食産業はあまり増えません。
4月という時季がネック?
「サン・ジョルディの日」の失敗
そういえば、ハロウィンが認知され始めた1986年、日本書店商業組合連合会などが4月23日を
サン・ジョルディの日
と定め、男女の間でバラと本を贈り合う習慣を広めようとしたことがありました。
これはスペインの祝日の習慣です。
花屋業界も一緒になり、本と花の販売促進を目指しました。
マスコミも使って散々宣伝しましたが、全然根付きませんでした。
新学期が始まったばかりの時で、子どもに本を贈るにはいいタイミングだったのに、児童書の売り上げすら伸びませんでした。
GWの直前に物は売れない
このキャンペーンの失敗の原因は、
っていうのもあるでしょうが、産業界の中には
と考える人がいました。
イースターは毎年日付が移動する祝日ですが、3月22日から4月25日までのどこかの日曜日になるので、まさにこの理論のいう人々がお金を使いたがらない期間です。
春の訪れを喜び合う祭典
寒さ厳しい季節を超えて春を迎える喜びは、全世界共通のようで、イースターは春を祝う祭典でもあります。
春を祝うイベントはユダヤ教など他の宗教にも見られます。
多文化多宗教国などでは、キリスト教徒がイースターを祝っている頃、別の宗教には別の春の祭典があったりします。
異なる宗教の人がそれぞれに春の祭典に沸き立つシーズンであることも、外国でイースターが盛り上がっている要因です。
その視点で考えると、日本人が春の訪れを実感する一大イベントとしては、「お花見」に勝るものはないでしょう。
春の喜び満ち溢れるお花見があれば、イースターなんかに目もくれないのは仕方ないのかもしれません。
なかなか広まらないイースターですが、小さい子どもを持つ人には、親子共に工作を楽しむことができて、卵探しの遊びも楽しく、子どもが異なる宗教文化について考える貴重な体験ともなります。
幼稚園でイースターエッグを作ることも多くなってきたようです。
この子たちが大きくなるにつれ、ゆっくりと日本の家庭にもイースターが広まっていくのかもしれません。
やっぱり春っていったらお花見やからなぁ~
でも、イースターを楽しむのもありやな!