健康・医療の豆知識

献血のメリットを知りたい人がたくさんいる日本

Written by すずき大和

6月14日は

世界献血者デー

2005年に世界保健総会決議にて記念日として承認されました。

安全な血液と血液製剤の需要が世界中でどんどん高まっていること、多くの人たちがボランティアで献血してくれていることを広く人々に知ってもらい、献血者に感謝と敬意を表する日です。



スポンサーリンク

献血するかどうかはメリット次第・・・という考え方

献血者の減少が深刻な問題となっている日本

日本は急速に高齢化が進んでいる社会です。

献血された血液の用途のほとんどはガンなどの病気治療に使われます。

輸血を受ける人の8割以上が50歳以上5割以上が70歳以上です。

これから先、血液の需要は確実に増えていくと予想されています。

しかし、献血者(75%が50歳未満の人たち)の方は、少子化で先へ行くほど人口が減っていくだけでなく、10代20代の健康で採血のダメージの回復が早い若年層の献血離れが、他の先進国には見られない程顕著に進んでいます。

このままいくと、需要がピークを迎える2027年には

100万人分を超える血液が不足すると予測されています。

若者の献血離れの原因はメリットがないから?

大手検索サイトで献血を検索すると、調べられている関連単語の上位にメリットが出てきます。

日本人は、献血というと

メリットは何か

が最も知りたいことのひとつのようです。

若者の献血離れの原因論としても、年配層からは助け合い意識の低下が指摘されていますが、ネットの記事やコメント等を見ていると、実際の若者たちは

メリットがない

ことを真っ先にあげる人が多いようです。

若者の求めるメリットとは、

  • 金券や図書カードなども含めた対価がもらえること
  • 自分や自分の身内に輸血が必要になった時にそれまで献血した分が無償供給してもらえること

の2点に集約されています。

メリットを求めることがそもそも人助け意識の低下?

売血の歴史

日本も昔は民間の血液銀行が、血液を買っていた時代がありました。

しかし、金銭を得るために健康を度外視した危険な採血を繰り返す人や、感染症などを隠して売血する人が増えました。

また、売血者集めが暴力団の資金源にもなりました。

やがて輸血後肝炎のリスクが20%を上回っていることが社会問題視世界されるようになり、売血を禁止する法律ができました。

献血によって需要を賄う方針になると、献血した分、輸血が必要になった時に有利になる預血制度ができました。

が、これも預血証書が売買されるなど、売血のようなことが起きたので、廃止されました。

血液供給の100%を献血によって賄うことが世界の目標

日本の売血の経験と同じような問題は、世界でも起きています。

今も発展途上国の多くは売血によって供給量を確保しています。

しかし、善意の無償提供者の献血によって賄うほうが、はるかに安全性が高まるため、先進国ではほとんどが献血方式になりました。

アメリカの一部の州など、今でも売血を行う血液銀行が残っていますが、採血に厳しい条件を課して、危険な血液が混入することを防いでいます。

世界保健機関(WHO)では、2020年までに、世界のすべての血液供給を献血で賄うことを目標に掲げています。

困っている人を助ける善意の意識と損得計算

血液は、人工的に作ることはできません。

献血した血液やそれから作られる血液製剤の使用期限は短く、取りだめもできません。

毎日コンスタントに献血を続けていく必要があります。

命の危険にある人を今健康な人が助けることの是非は

見返りがあるかどうかで判断する性格のものではない、と、国際社会では考えられています。

先進国の多くでは、高校や大学で献血の必要性を学ぶ授業等が行われ、学生の献血者の割合が非常に高くなっています。

個人主義、というか自己責任や自業自得、という価値観が強まっていると言われる現代の日本。

勝ち組・負け組など、損得をものの判断の基準にすることが当然と思って育ってきた若年層が多いのは、大人の世代も同じ価値観を抱く人が増えているせいでしょう。

人助けの意識を育てるのに、損得の勘定と拮抗させることが、そもそも意識の低下と世界では捉えられそうです。

リスクに見合うメリットがない

から

献血なんかしない

と堂々と言い切る人が次々出てこられる社会は、自由で生き易い社会ってことなのでしょうか・・・・。

日本人の2人に1人はガンにかかる時代ですが、50過ぎて発病したら、輸血してもらうことに負い目を感じないといけない国になるのは・・・・

ちょっと辛いかもしれません。

まさケロンのひとこと

最近は、気軽に行けるよな献血センターがいくつか作られてるみたいやで!
そこでは、いくつかのサービスを受けることも出来るんや。
例えば、マッサージとか、ネイルケアなんかもやってもらえるんやでぇ~

masakeron-happy


スポンサーリンク

あなたにオススメの記事&広告

筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。