サラリーマンにボーナスが出る季節、各地お中元商戦も熱くなる時期です。
東日本では7月に、西日本では8月に贈る習慣が多いようです。
さすがに、それは有名らしく、関西に住む嫁の実家から8月にお中元がきたからといって
なんて怒る関東の姑はいないようです。
が、この時季、お中元の悩み相談には、諸々の常識に振り回されて悩む人の声がたくさん集まります。
上司など目上の他人に贈るには問題なさそうですが、“親戚”へのお中元の悩みが、毎年毎年尽きないようです。
新婚夫婦を困らせる親戚へのお中元
夫の実家の言いなりになると、家計がもたない
お悩み事のNo.1は、夫と妻の実家の考え方や習慣が違っている場合
相手の考えが気にくわない、というものです。
結婚すると、夫の母が嫁にお中元やお歳暮を贈りなさい、と指示することが多いそうです。
嫁の実家のしきたりと同じならばいいのですが、
- 贈る範囲
- 金額
- お返しの習慣
などが、嫁の考え方と違った場合、義母の口出しが大きなストレスに発展します。
給料が安い都会のサラリーマンである若夫婦には、田舎の濃厚な親戚づきあいを求められても金銭的に苦しすぎるケースもあります。
一方、お中元にお返しは無用というのが元来の慣わしでしたが、親戚間のやり取りに関しては、同額の品を返すのが常識と思う人もいて、お返しが無い、または半額程度の品だと、憤りを訴える声もあります。
双方が相手の人間性を貶めることで納得する
傍から見ると、贈るほうともらうほうの思い込みが違っているだけのことなんですが、悩んでいる人の多くが、相手の方が常識がないと言いつのっています。
最後は、相手がその程度の人たちだったと思って諦めて
- 揉めるよりお金で済ます方がまし、と相手のやり方に合わせる
- どう思われてもいいと割り切り、きっぱりこちらのやり方を主張する
のどちらかで納得する傾向が見られます。
大切なのは相手への感謝と思いやり
何のために贈るのかを考える
お中元は
明治になると上官や恩師や仲人さんなど恩ある人に、わざわざお使い物を用意して届ける習慣が定着します。
目上の人からの常日頃の恩義への感謝の気持ちなので、自分の出来る範囲で相手が喜ぶものを選び贈りました。
心が大事なので、目上の人のほうも相場なんて言わないし、相手が気にするといけないのでお返しもしません。
そういう人と人の心を届ける思いやりの習慣だったのに、相手は変人と決めつけて、嫌々贈ったりもらったりを続けるなんて、ちょっと悲しいですね。
常識はひとつではないことを知ろう
地方へ行くと、親戚づきあいの形式を守らないと地域社会で生きていけない所があるのは確かです。
農村などには誠意は金額で表すことを良しとする文化もあります。
と口癖のように言う人、周りに一人くらいいませんか。
反対に、高価なものを贈るのは
- 相手に返礼を催促する
- 羽振りの良さを自慢する
などの意味になるので、戒める文化もあります。
形式的な儀礼は上司など他人とのやりとりで、親戚なら普段から季節の贈り物や旅行のお土産を贈り合って交流するのが普通、という家庭もあります。
相手の文化を知り、自分の文化を知ってもらおう
普段付き合いがない叔父伯母、配偶者の兄弟姉妹や従弟にお中元を贈ることを求められたら、なぜそれが必要なのか、
相手の文化をちゃんと聞いてみてください。
義父母のメンツのためには必要なしきたりなのかもしれません。
その上で、経済的に難しいとか、相手も実は迷惑と思えるフシがあれば、それを伝えてみましょう。
また、こちらは儀礼を大事にしたいのに、贈り合いは負担になるから止めよう、と言われたら、お中元ではなく、普段から気軽にお土産などのプレゼントをしてみましょう。
喜ばれたら、儀礼が嫌いなだけで、親戚づきあいが嫌いなわけではないと思ってください。
と認め合うことが大事です。
お互いが相手を思いやろうとすれば、相手のために自分が譲れるラインが、見えてきます。
同額のお返しをし合うのが常識、ではない
相手が喜んでくれることがこちらの喜びであり、お返しがもらえないとがっかりするというのは目的が間違っています。
同程度の生活階級に見えても、家庭状況は様々で、お金に困っていても気付けないこともあります。
特にみんな平等のゆとり教育の学校生活が長かった若い人は、贈り物にはお返しが当り前と思うようですが、人生お返しがくる贈り物のやり取りの機会より、一方的に助けてもらったり、助けてあげるべき機会のほうが多いものです。
もらったら同額を即返すのが常識、という考えにこだわらないほうが、豊かな人間関係が築けることに気付いてください。
あなたのお中元が、ストレスや相手を嫌いになる原因にならないことをお祈りします。
せっかく仲良くしようとお中元を贈るのに、もめごとのたねになったら元も子もないで。
お互いの意見を尊重しあうのも大切やで!