子どもが小学校の高学年にもなると、塾のことを考える保護者の方が多くなります。
中学受験に備えるためや、授業の補習的なものという理由が多いようです。
また中学生になると、勉強も難しくなり、塾に通う子どもの率がグッと上がります。
我が子が通う「塾・家庭教師・通信講座」選び。
何が決め手となるのでしょうか。
十人十色
きっかけは・・・
中学3年生になると、殆どの子どもが塾や家庭教師を利用しています。
そのきっかけもいろいろ。
- 友達の紹介
- 折り込みチラシを見て
- ネットで調べて
- 自宅から近い
- 難関校への合格率
でも、友達がその塾に合っているからといって、我が子にも合うとは限りません。
性格が違うように、学びの相性もそれぞれです。
目的をはっきりさせよう
まずは利用する目的を、ある程度明確にしてみることがポイント。
それを具体的に、はっきりさせることが大切。
親子で何度か時間をかけながら話し合い、検討してみましょう。
まずは今の学校での成績を元に考えることが大切です。
- どの教科を補強したいのか。
- 進学・補習・その両方、目的はどれか。
- 集団指導・個別指導、どちらを希望するか。
- 予算の問題。
無料体験の利用も積極的に
塾がいいのか、家庭教師がいいのか、通信講座がいいのか。
やってみないと分からないというのが正直なところですよね。
実際に「お試し無料体験」を利用してみるのも大切です。
通信講座の場合は、「魅力的なおまけ」に子どもが惑わされないようにご注意を。
メリットもデメリットも考えて
それぞれのメリット
塾
- 自宅とは違う場所で学ぶため、メリハリがつく。
- その塾が持つノウハウを活かした学び方が身に付く。
- 進学に関する情報が手に入る。
家庭教師
- 必ずマンツーマンで指導してもらえる。
- 保護者の目が届きやすい。
- コミュニケーションが取りやすい。
通信講座
- 自分のペースで学習出来る。
- 教材が分かりやすく作られている。
- 費用が安く抑えられる。
それぞれのデメリット
塾
- 時間の融通が利きにくい。
- 教師の変更が出来ない場合が多い。
- 通塾に時間を要する。
家庭教師
- 塾や通信講座に比べて費用が高め。
- 教師の当たり外れが大きい。
- 自宅に来られるので、気を遣う。
通信講座
- 質疑応答に時間を要する。
- 自分に厳しく根気がないと続かない。
- 各地域、学校の情報・傾向に合った個別指導法ではない。
費用の比較
1か月の平均的な費用を比べてみると(塾・家庭教師は週3回利用の場合)、
- 塾(集団指導) ・・・ ¥20,000~¥50,000
- 塾(個別指導) ・・・ ¥30,000~¥60,000
- 家庭教師 ・・・ ¥50,000~
- 通信講座 ・・・ ¥5,000~
塾の場合、1コマの授業時間がそれぞれ違うので、比較する時は注意が必要。
1コマが、50分・60分・70分・75分・80分・90分など、塾によって時間設定は大きく変わってきます。
料金だけを見るのではなく、「1コマの時間」を確認しましょう。
塾に入りたい場合
授業料だけじゃない
塾に関しては通常の授業料のほかに、教材費・模試代、
そして夏期・冬期・春期講習代が別に必要になります。
この季節講習の出費が結構大きくて、塾によってはそれぞれ10万前後かかる場合もあるので、入塾の前に必ず確認をすることをお勧めします。
季節講習は必須?
この季節講習を拒否することは難しいと思って下さい。
塾側は「お子さんのため」という伝家の宝刀で迫って来ますし、子どもに対しても「キミの学力を上げるため」「キミの将来のため」などと、あながち嘘ではない言葉と、子どもの気持ちをくすぐる作戦を駆使してきます。
「塾に入ること=季節講習も込み」
であることを頭に入れておきましょう。
集団指導と個別指導
塾の場合は「集団指導」と「個別指導」に分かれます。
個別指導の方が授業料は高くなります。
メリット
集団指導
- ほかの生徒達と切磋琢磨して学べる。
- 個別指導より授業料が安い。
- 友達がいると心強い。
個別指導
- 質問しやすい。
- 自分のペースで学べる。
- 無駄を省き、分からない所だけを徹底的にフォローしてもらえる。
デメリット
集団指導
- 質問しにくい。
- 授業を休んだり、内容が理解出来ていなくても、先に進んでしまう。
- 優越感を抱く子がいる一方で、劣等感を抱く子も出てくる。
個別指導
- 集団指導より授業料が高め。
- 競争心が高まらない。
- 塾によってはアルバイト学生が先生をしている。
某個別指導塾の月謝(通常授業:1コマ90分、単位:円)
どちらにもメリット・デメリットがあるので、親子で良く検討しましょう。
教材のすごさにびっくりの通信講座
やってみようかな・・・と思わせる通信講座
続いたか続かなかったは別として、通信講座を申し込んだことがある人は結構多い筈。
通信講座は同じように育てた筈の兄弟でも、向いている子と向いていない子がいます。
ある程度やらせてみて向いていないようなら、きっぱり諦めて退会しましょう。
研究されつくしている教材
通信講座のメリットは、その教材が丁寧に作られていることです。
別に参考書や問題集を買う必要はありません。
暗記する項目を集めて覚えやすくまとめてある暗記ブックや、基礎から分かりやすく説明してあるテキスト、テストに良く出題される問題を集めた定期テスト攻略本など、痒いところに手が届く、まさに至れり尽くせりの教材。
これで学習したら「分からない」なんてことは有り得ないと思うほどです。
まずは親子一緒に
通信講座なので仕方ないのですが、但し、誰かに直接教えてもらえる訳ではないので、一人で学習することが苦手な子には向かないかも知れません。
続けさせたい場合は、最初から一人でやらせないで、親が一緒に付いて「学ぶ楽しさ」「出来た時の達成感」を実感させることが大切です。
当たり?はずれ?家庭教師の難しさ
相性のハードル
家庭教師は相性が全て。
なかなか相性が良い家庭教師に恵まれず、結局断念したというケースもあるのです。
100%の相手などは有り得ませんが、何を基準に判断するのかは子どもにとっても難しいところ。
- 教え方が分かりにくい。
- コミュニケーションが取りにくい。
- 成績が上がらない。
- 生理的にNG。
子どもの気持ちばかりを優先させるのではなく、我慢すべきところは我慢させることも必要です。
「先生に悪いなぁ」
家庭教師を利用している子どもは、自分がテストで良い点が取れないと、「家庭教師の先生に悪いなぁ」と思ってしまうケースもあるようです。
そんなふうに我が子が他人を気遣えることが嬉しくもあり、そして切なくもあり…ですね。
おもてなしは
また先生が自宅に来るので、ちょっとした気遣いもしちゃいますよね。
お茶とお菓子
コーヒーとケーキ
などで、おもてなし。
時間帯によっては食事を差し入れるケースまであるようです。
もちろん、これは義務ではないので、何も出さなくてもOK。
そうじゃなくても高い授業料を払っている訳だから、本来は気遣い無用なのです。
高校生になると
高校生活は甘くない
高校にやっと入ったと思ったのに・・・入学式翌月の5月には進路説明会が開かれます。
そして大学受験に向けてのスケジュール表なども配布され、親子してげんなり・・・。
3年間なんて短いものだから、仕方ないってことは重々分かっているけれど、世の中って厳しいと改めて実感する瞬間です。
塾よりも予備校へ
高校に入ると、塾よりも予備校に通う子どもが多くなります。
塾の方が劣っているという訳ではないのですが、同じフロアに小中学生がいることを、嫌がるようにもなるみたいです。
予備校の方が、ちょっと「大人の塾」のようなイメージがあるのでしょうか。
予備校というと、
- 東進ハイスクール
- 河合塾
- 代々木ゼミナール
- 駿台予備校
などが頭に浮かんできます。
では、その予備校の授業料ってどれくらいなのでしょうか。
4大予備校の比較
ざっくりと比べてみました
以下の内容は2013年度の内容を参考にしたものです。
※夏期講習などは含まれていません。
3科目でこれぐらいですが、実際は受講科目や特別講座等(志望校対策講座や過去問演習講座など)が、増えることになると思います。
高くなると、100万円を超す場合もあるので、アレもコレもではなく、授業料も視野に入れてよく検討しましょう。
大学受験~入学に必要な費用は?
受験するだけなのに
費用がかかるのは受験も同じ。大学受験は、結構大変。
入学願書を入手するだけで1,000円程度かかることも。
- センター試験 ・・・ 3教科以上~¥18,000
- センター試験 ・・・ 2教科以下~¥17,000
- 国公立大学の2次試験 ・・・ ~¥17,000(平均)
- 私立大学一般入試 ・・・ ~¥35,000(平均)
私立大学3校受験すると、もう10万円超え。
国公立大学もセンター試験と、前期・後期の両方を受験すると5万超え。
更に遠方だと、交通費や宿泊費も必要になるので、受験だけでも大きな出費となることを、覚悟しておかなくてはなりません。
サクラサク、サイフナク
2014年度現在の大学の入学金&授業料は以下の通りです。
あくまでも平均的な金額なので、志望校が決まったらHPなどで確認しましょう。
国公立大学
- 入学金 ・・・ 30万円程度
- 授業料 ・・・ 55万円程度
私立大学
- 入学金 ・・・ 30万円程度
- 授業料 ・・・ 80万円程度
当然のことながら、これらのお金も必要です。
専門学校や短大でも、私立大学と同じくらいか、それ以上の場合も。
また、この他にも教科書代や生活費などもかかります。
これだけの大きな出費。出来るだけ早めに、そして計画的に準備することが大切です。
高校受験から教育費が大きくなる
結構、かかります
高校受験~入学にかかる費用もなかなかのもの。
このほかに予備校や塾に通うとなると、その負担はかなり大きくなります。
公立高校(平均)
- 受験料 ・・・ ¥2,000
- 入学金 ・・・ ¥6,000
- 年間授業料 ・・・ ¥120,000
- 諸費用 ・・・ ¥330,000
私立高校(平均)
- 受験料 ・・・ ¥10,000~¥30,000
- 入学申込金 ・・・ ¥30,000~¥50,000
- 入学金 ・・・ ¥200,000~¥400,000
- 年間授業料 ・・・ ¥250,000~¥350,000
- 諸費用 ・・・ ¥450,000
※諸費用には制服代、教材費、PTA会費、修学旅行積立金等が含まれます。
私立高校の入学申込金は殆どの場合、入学してもしなくても返還されません。
合格発表の後、入学申込金を振り込むことを忘れないようにしましょう。
可能性のかたまり
教育費は家計の大きな負担になることは間違いありません。
高校受験からの教育費は、すさまじい勢いで膨れ上がってきます。
学資保険や積立型の金融商品などで、子どもが小さい頃から、その準備を考えることが必要になってきます。
子どもはみんな、あらゆる可能性のかたまり。
その輝くような可能性を育て、伸ばして、発揮出来るような環境を作ってあげたいものです。
「何を、どうしたいのか」を決めてから選ぼう!
「塾・家庭教師・通信講座」のどれがいいかは、子どもの性格にも合わせてあげたいね。