自撮りは自己表現
プリクラから始まる自撮りの歴史
先日、Facebookのプロフィール写真を更新しました。
プロフィールに自分の写真を使用しない人もいますが、筆者は極力自分の素顔を公開したいという考えを持っています。
理由は
目立ちたいから。
なんとも単純な考え方です。
ともかくプロフィールとしてふさわしい写真を得るために、自分にカメラを向けて何枚も写真を撮るわけです。
これがなかなか難しい。
けっして「イケメン」ではなく、特に特徴のない顔立ちですから、ただ普通に撮るだけでは印象に残る写真になりません。
角度を変えたり、魚眼レンズを使ったりと試行錯誤を繰り返すのですが、思うような写真は撮れません。
結局正面から撮った写真をアプリを使って加工し、プロフィール写真として使用することにしました。
自分の写真を撮るという行為は、ともすれば「自分が大好き」というナルシストだととらわれがちですが、果たしてそうでしょうか?
スマートフォンや携帯電話にカメラ機能が標準搭載されているのが当たり前になった現代では、誰もがカメラを常に持ち歩いている状態です。
フィルムとはちがい、その場で写真を見ることができるし、ネットで共有することもできるのです。
写真は基本、自分以外の対象にレンズを向けるものです。風景であったり、友人であったり、ペットなどが被写体として選ばれます。
そこから一歩進んで、自分にレンズを向けてみる。これも立派な表現の一つだと思います。
自分の姿を表現として「切り取る」という行為は古くから行われてきたように思われます。
本格的に行われるようになったのは、過去に一世を風靡した「プリクラ」ではないでしょうか。
「プリクラ」は基本的には友達や恋人同士で撮影して楽しむものではありますが、自分だけで撮影して名刺代わりに配ることもできました。
そのような発想が時代と共に変化して「自撮り」に発展していったといえるのではないでしょうか。
自撮りがさらに進化した
自撮り写真をアレンジする方法として一番簡単なものは写真加工のアプリをつかうことでしょう。
基本無料で高機能なアプリがたくさんあります。素材の写真をビンテージ風に加工したり、ポラロイド風の質感に変えることもできます。
撮影した写真を水彩画に変換したり、イラスト風に変換もできるものまであります。とはいえ写真を加工する方法も若干ながら出尽くした感が否めません。
そんななか、新たな自撮りのテクニックが話題になっています。
その名も
「ドーナツ・セルフィー」
いったいどのようなテクニックなのでしょう。
まさに目からウロコ、ドーナツ・セルフィーがアツい
これがドーナツセルフィーだ
まずは実際にみてみましょう。
いかがでしょうか。
ご覧いただいたのはドーナツ・セルフィーの生みの親と言われているアメリカ在住のカレン・チェンさんがアップしたものです。
彼女はこの方法を友だちとカメラで遊んでいるときに偶然思いついたのだそうです。
まるでプロが撮影したプロモーション・ビデオのようです。
カメラが回転するたびに違う場所にワープしたみたいで、出来の良い短編映画をみているような完成度ですね。
撮影の仕方に特別な機材やテクニックは全く必要ありません。スマホのカメラ部分を自分の耳に当て、そこから自分を中心に手をぐるっと一周させて撮影し、反対側の耳にカメラを押し当てる。このアクションの繰り返しです。
この映像をつなぎ合わせることによって、まるで瞬間移動したかのような効果を生んでいるんですね。
これはスゴいです。まさに自撮り(セルフィー)が進化した、新しい形の表現方法といえるのではないでしょうか。
このドーナツ・セルフィー、大ブレイク中で日本でも次々とYoutubeなどで発表されています。
いくつかみてみましょう。
一本目に紹介した作品は山手線の主要駅で撮影した点が秀逸です。
ドーナツセルフィーの「瞬間移動効果」をうまく応用した作品で、何度みても飽きません。
二本目の作品は、セルフィーという枠からさらに一歩進んで仲間たちが次々と登場するシチュエーションがすばらしい発想だと思います。
ドーナツ・セルフィーを成功させるいくつかのポイント
シンプルな方法とはいえ、うまく撮影するためにはコツがあります。
まず撮影はスローモーションで行うということ。実際にチャレンジしてみるとわかりますが、通常のスピードで撮影してしまうと、早すぎて何がなんだかわからなくなってしまいます。
またスローモーションを使うことで、ちょっとした浮遊感がプラスされ、ドーナツ・セルフィーの不思議な魅力の一つとなっているのです。
スローモーションについてアドバイスがあります。
筆者が実際に撮影した時に感じたのですが、意外にゆっくりとした動きで再生されます。
撮影時には若干早めにスマホを動かしたほうが、適切なスピードで再生されると思われます。
そして最初と最後はスマホをぴったりと頭につけること。
これを意識することで映像の最初と最後が黒みになり、次の映像につながりやすくなります。
筆者が試したとき、これを意識していなかったため映像が黒みにならず耳のアップになってしまい、次の映像にうまくつながりませんでした。
撮影するシチュエーションは多い方がいいでしょう。
最低でも10カ所以上で撮影しないと、ドーナツ・セルフィーの魅力は半減してしまいます。
旅行とかテーマパークに遊びに行ったときなど、様々なシチュエーションで撮影できて、楽しめることでしょう。
短歌や俳句に匹敵する、無限の可能性を秘めたフォーマット
このドーナツ・セルフィー、筆者は無限の可能性を秘めていると感じています。短歌や俳句と同様、おもしろいルールだと思うのです。
短歌や俳句にはそれぞれ、57577、575という文字数のフォーマットがあり、そのフォーマットに基づいて言葉を選んで構成していきます。
ドーナツ・セルフィーは映像版短歌・俳句といえるのではないでしょうか。
自分を中心に回転させる、という基本フォーマットのなかでいかにユニークな映像を作り上げていくか、という部分にとても魅力を感じます。
近い将来、世界規模の「ドーナツ・セルフィーコンテスト」なんか開催されるといいですね。
スマホさえあれば誰でも作品を発表できるあらたな表現方法のドーナツ・セルフィー。ぜひみなさんもチャレンジしてみてください。
セルフィー(自撮り)ブームとは聞いてたけど、まさか「ドーナツ・セルフィー」なんてものがあるとは・・・!
まさケロンもチャレンジしてみよ。