身体の調子が悪い…
市販薬を飲んでも良くならない…
病院に行ったのに「異状なし」との診断。
何で?どうして?早く治したいのに!
そんな経験ありませんか?
もしかすると、それは自律神経失調症かも。
自律神経って、どんな神経?
まずは末梢神経から
まずは末梢神経というものの説明から。
脳と脊髄からなる中枢神経。
その中枢神経から枝分かれして、目・耳・手・足・皮膚・内臓などの体中の各部分に向かい、網の目のように張り巡らされている神経なのです。
末梢神経のお仕事
その末梢神経は中枢神経からの指示を各部分に伝達したり、反対に各部分の情報を中枢神経にも伝達してくれるんです。
その末梢神経は次に2つに分かれています。
体性神経系
→骨格系の運動、視覚や皮膚などの感覚。自分の意志でコントロールが可能。
自律神経系
→内臓系の運動や感覚。意識とは無関係に器官を制御。自分の意思でのコントロールが不可能。
自律神経を詳しく知ろう
自律神経は、自分ではコントロールが出来ません。勝手に働く神経なのです。
その自律神経には、
- 交感神経
- 副交感神経
があり、それぞれ次のような役割をしています。
交感神経
→身体が活発に活動する時に働く神経
副交感神経
→身体がリラックスしている時に働く神経
この2つの神経は正反対の働きをしています。
交感神経と副交感神経は交互に働いています。
主に昼間は交感神経が、夜は副交感神経が働くことで、安定した体調を保つことが出来ます。
ストレスが最大の敵!?
身体にも心にもダメージが
交感神経と副交感神経のバランスが乱れると様々な体調不良が起こります。
それが自律神経失調症。
症状としては・・・
- めまい
- 冷や汗
- 動悸
- 頭痛
- 過呼吸
- 吐き気
- 不眠
- 耳鳴り
- ほてり
- 便秘
- 下痢
- 頻尿
- 冷え
- 血圧が激しく上下
- 生理不順
- 手足のしびれ
など様々です。
メンタルな部分では
- イライラ
- 落ち込み
- 情緒不安定
- 人間不信
- 不安感
- 被害妄想
- うつ症状
など、こちらも様々です。
お互いの状態が影響し合っている「心と身体」
それらの症状は
- ストレス
- 環境の変化
- 生活リズムの乱れ
- 女性ホルモンの影響
などが原因となっている場合が多いのです。
例えば・・・
↓
交感神経ばかりが働いてしまう→疲労回復が出来ず、疲れが溜まっていく
↓
血管が収縮したままになり、栄養が行き届かない
↓
新陳代謝も進まない
↓
血行不良による頭痛、肩こり、また便秘や下痢を繰り返すことも
↓
慢性的な体調不良で疲れも取れず、睡眠にも影響が出て、更に心身ともにダメージを受ける
まさに悪循環・・・。
たかがストレス、されどストレス放置しておくと、大きな病気に繋がってしまうことも。
ストレスを溜めないように
誰にでもある、感情や疲労といった日常生活のストレス。
でも、これを無理に抑え込み過ぎてはいけません。
交感神経と副交感神経のバランスを考え、軽く運動したり、好きなことを楽しんだり、そしてもちろん睡眠や休息もしっかりと取るように心がけましょう。
とりあえずは心療内科へ
何も異状がないと言われたら
体調が悪く、慢性的に動悸・めまい・頭痛・下痢などの症状がある。
市販薬を飲んでも良くならない。
病院に行って検査したけど、何も異状が見付からない・・・
そんな時は心療内科を受診してみましょう。
心療内科での診察
心療内科では、
- 問診
- 医師との面接
- 自律神経機能検査
- 心理テスト
- ホルモン検査
- 除外診断(ほかの病気が隠れていないかどうかの診断)
などが行なわれます。
必ずしも全ての検査をするとは限らず、いくつかの検査を組み合わせて行なわれることもあります。
心療内科での治療とは
治療方法は、主に次の4つとなります。
➀薬物療法
文字通り、薬で症状を和らげる治療です。
処方される薬の種類は以下のとおりです。
自律神経調整薬
自律神経のバランスを整えます。
抗不安薬
不安感を取り除きます。
抗うつ薬
イライラや落ち込み、不安などのうつ状態を解消します。
睡眠導入剤
不眠を解消します。
ビタミン剤
自律神経のバランスを整えます。
ホルモン剤
更年期などでホルモンバランスが崩れた場合に処方されます。
➁ライフスタイルの見直し
生活習慣を見直し、自律神経のバランスを整えます。
- 不規則な生活
- 偏った食生活
- 運動不足
- 睡眠不足
- 暖房、冷房の調節
など、これらは自律神経失調症の大きな原因になっています。
医師と相談しながら、少しずつ改善していきましょう。
➂心理療法
自律神経失調症になる原因には、心理的な問題が大きく関わっていることがあります。
- 不安感
- 人間関係
- ストレス
- 悩み
- 性格的なもの
心理療法は医師と患者の信頼関係が大切です。
患者の思いや悩みに真摯に耳を傾けてくれる医師を選びましょう。
心と身体のバランスを整えながら、少しずつストレスに強い心身にしていくことが目的です。
➃理学療法
薬を使わずに、身体をほぐしながら心もリラックスさせていく治療方法です。
- マッサージ
- 指圧
- 鍼灸
- 温熱療法
マッサージや指圧でツボを刺激、血行を良くして筋肉のコリや緊張をほぐします。
姿勢が悪いのも自律神経失調症の原因のひとつ。
骨格のバランスで身体を支えられず、慢性的に筋肉に力が入ってしまい、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、きちんと休息が得られなくなります。
食事からアプローチすることも大切
食生活もひと工夫
胃腸の働きを活発にすることは、副交感神経が優位になります。
また腸内環境を整えると免疫力もアップします。
その為には、
- 食物繊維の多い物を摂る。
- 発酵食品も取り入れる。
- 水分を積極的に摂る。
特別な物も必要なく、お金もかからず、簡単にスタート出来ること。
血行も良くなるので、新陳代謝が活発になります。
出来れば毎日実行するのが理想的ですね。
こんな栄養素が効果あり
ビタミンA
ストレス時に放出されるホルモンの原料となっています。
- にんじん
- レバー
など。
ビタミンB
集中力欠如、イライラ、眠気などに効果があるといわれています。
- 玄米
- 豚肉
- 納豆
など。
ビタミンC
ストレスを感じるとビタミンCが消費されてしまいます。
- 柑橘系フルーツ
- ほうれん草
- ブロッコリー
など。
カルシウム
心臓のリズムを整えたり、イライラを解消します。
- 乳製品
- 海藻類
- 大豆
など。
マグネシウム
情緒不安定、吐き気、食欲不振などに効果があります。
- 大豆
- ひじき
など。
鉄分
疲労や食欲不振に効果があります。
- レバー
- ほうれん草
- ひじき
など。
亜鉛
情緒不安定に効果があるといわれています。
- 貝類
- 豆類
- レバー
など。
楽しい人生を取り戻すために
自律神経失調症は、自分のライフスタイルと深く結びついていることが分かります。
ちょっとした工夫で、身体も心も元気になれるのかも知れません。
日頃から無理をせず、疲れを溜めないように心がけることが必要です。
また、思い切って早めに病院に行くことも大切。
サッサと苦しみや辛さにサヨナラして、いきいきとした楽しい人生を取り戻しましょう。
一時的に治すんじゃなくて、しっかり治したいよね。
まずは薬物療法で整えつつ、ライフスタイルから見なおしていこう!