犯罪捜査において重宝されるものといえば…
日本全国に300万台設置されている 防犯カメラ
東京都世田谷区の高級住宅地、成城では、警察が防犯カメラの設置を推奨し
空き巣や強盗などの被害総額が 前年比1億6755万円も減少したそうです。
近年では、スリや痴漢の抑止目的で電車の中や、
街中で目にする自動販売機の中にもつけられているんです。
東京都足立区では、過去4年連続で犯罪発生件数がワースト1位を記録しており
(平成18年~21年 警視庁調べ)
ある商店街において、異常な数の防犯カメラを設置したところ、犯罪が減少したそうです。
ちなみに、400mの商店街に防犯カメラがなんと…
48台!
8mに1台設置されているということになります。
歩容認証システムとは?
ここで、本題です。
これは一体どういうことか?
実は、歩容認証システムという、人の歩き方に注目した方法で特定しているんです。
従来からある防犯カメラといえば、もちろん顔がうつっている必要があります。
しかし、そんなことは犯人も承知のうえ。
犯罪者は顔なんて自分からわざわざうつさない人のほうが多いんです。
しかし!顔がうつっていなくても特定できるのであれば、今よりももっと安全な社会がつくれるのではないか・・・?
そう訴えている方こそ、防犯カメラ博士こと、大阪大学 産業科学研究所の八木康史教授です。
歩容認証システムは、撮影の条件にもよりますが、おおむね90%以上の精度を誇る最新技術です。
そしてこれ...
となっています。
顔はいらないので、整形しようが無駄!ということになります。
検証実験
歩容認証システムは、歩く姿だけで犯人を特定するというものです。
実際に歩く姿だけで犯人を特定することができるのか?ある番組で検証実験を行っていました。
第一検証
暗闇を歩いている犯人、もちろん顔は見えていないとします。
それに対し、防犯カメラに映っていた5人の人間。
一体誰が犯人なのか・・・?
突き止めることができるのか。
やり方
まず、3日かけて5人分をシルエット化します。
つづいて、暗闇を歩いていた犯人の解析を行います。
こちらも同じように、1日かけてシルエット化をしています。
この2つのシルエットの照合を行うステップに移ります。
そして認証システムに通します。
第一検証結果
この照合の際に、照合率という、いわゆる「どれだけ似ているか」というのが%(パーセント)表示されます。
今回、5人の各照合率ですが
- 容疑者1 0.1%
- 容疑者2 0.2%
- 容疑者3 35.8%
- 容疑者4 90.1%
- 容疑者5 0.0%
という結果になり、犯人が容疑者4であることを見事当てて見せました。
分析項目
分析項目は以下のように、全身を解析しています。
- 歩幅
- 歩行速度
- 歩行周期
- 背中の曲がり
- 腕の振り
- 左右対称性
また、暗い映像はそのままでは解析ができないので、できるレベルまで明るさを調整します。
第二検証
さらに検証実験は続きます。
カメラから人までの距離が50mある場合に、解析できるのか?
遠い映像は、シルエットが似てきてしまうので、解析が困難とのこと。
第二検証結果
5人の各照合率ですが
- 容疑者1 1.9%
- 容疑者2 95.7%
- 容疑者3 0.0%
- 容疑者4 0.0%
- 容疑者5 0.1%
ということで、容疑者2が犯人でした。
実際に警察からの依頼は月に1,2件あるそうで。
現在、警察庁の科学警察研究所が歩容認証システムを試用中とのことです。
私自身、認証システムについて研究を行っていたことがあるので、慣れだとか癖、自然な動作を利用するというのは、非常に良い手法だと思います。
監視されるような世の中というのは嫌ですが、安心、安全な世の中がやはり一番だと思うので、世に出回り、犯罪者への抑制に繋がるといいと思います。
歩き方で犯人を特定出来るんか!
これを元に犯罪の無い世の中を作れていったらええねんけど・・・
みなさん、悪いことは出来まへんな