バレンタインデーは、主にキリスト教国の中で広まっている、聖人ヴァレンティヌスの記念日です。
司祭だったヴァレンティヌスは、ローマ皇帝の結婚禁止命令に逆らって、カップルを結婚させていたため、処刑されてしまいます。
恋人たちの愛のために命を落とした聖人を祀るお祭は、「愛の記念日」とされ、恋人たちがギフトやカードを贈り合う日になっています。
それが、なぜか日本では
「女性が男性にチョコレートを贈って告白する日」
として広まりました。
「お菓子業界の商業戦略でそうなった」
という由来説が広く流布されています。
なぜ日本ではギフトがチョコレートに限定されたのか
最初は欧米文化のまま伝わるが、全然流行らなかった
日本にバレンタインデーが伝わったのは戦前といわれています。
東京で発行された英字新聞に、神戸モロゾフ製菓が
「あなたのバレンタインにチョコレートを贈りましょう」
という広告を載せた記録が残っています。バレンタインは、「愛しい人」の意味です。
英字新聞であることでもわかる通り、最初は、対象は在日外国人(主に欧米人)であり、外国でのバレンタインデーの習慣そのままの伝来であったと思われます。しかし、当時の日本社会では、男女間でカードやギフトを贈るような文化がなかったので、日本人にはさっぱり広まりませんでした。
戦時中、欧米文化が一時否定されましたが、戦後になって再び、いくつかの菓子メーカーやデパートがプレゼントの呼びかけ広告を出すようになりました。が、やはりなかなか認知されるようにはなりませんでした。
お菓子屋さんの陰謀説は、半分くらい当たり
1970年代に入り、
「女性から男性へ告白する日」
「贈るギフトはチョコレート」
という習慣が流行り始めると、あっという間にバレンタインデーは全国に知れ渡るようになりました。
一説によると、小中高生の間で流行り出したのがきっかけだったといわれます。そして、商業主義はちゃっかりそこに便乗して消費を煽るようになり、日本型バレンタインデーの独特の習慣が固まっていったようです。
チョコレートにする意味はあんまりないのか
チョコレートには、恋の媚薬効果がある?
では、ギフトがチョコレートであることに、本当に特別な意味も必要性もないのでしょうか。というと、実はそうともいいきれない面があります。
チョコレートの歴史は古く、カカオの原産国であった中央アメリカでは、古代文明の頃から、カカオをすり潰してお湯に溶かし、香料などを混ぜた飲み物を飲んでいました。当時は、砂糖はものすごい貴重品でしたから、この元祖ココアドリンクは、甘くないどころか、カカオ豆の苦味やえぐみも強く、ちょっと飲み辛いものだったようです。
しかし、カカオの栄養価は高く、貴重だったので、滋養強壮の薬として珍重されていました。高貴な身分の人たちの間では、嗜好品として、そして
「恋の媚薬」
として(つまり強壮剤ってことですね)、好まれたようです。
科学の発達によって本当に発見された媚薬成分
現在は、科学的にカカオの成分の解明が随分進んでいます。
カカオのポリフェノールが、活性酸素を抑制するなど、様々な健康に良い効果をもたらすことは、随分前から指摘されてきました。
また、カカオのみに含まれるカフェイン成分の一種
「テオブロミン」
は、リラックス効果があります。
昔からいわれてきた「チョコレートは健康にいい食べ物」説は科学的にも実証されたのです。
そして、最近の研究で、新たに
「フェニルエチルアラミン(PEA)」
という物質が、カカオの中にはたくさん含まれていることが発見されました。
これは、性的興奮時に脳内でたくさん分泌される物質で、特に、男性が女性に恋していく過程で分泌されることがわかっています。脳内にこれが増えすぎると、興奮して、陶酔してしまい、周りが見えなくなる傾向があります。
まさに、「恋は盲目」状態を促す働きが、チョコレートにはあったわけです。
というわけで、やはり愛の告白には、チョコレートはうってつけの媚薬となります。ぜひ、上手に活用して、男性の心をあなたに夢中にさせてください。ミッションの成功お祈りしております。
あ、盲目すぎるのも、それなりに危険をはらみますから、食べ過ぎにはくれぐれもご注意を・・・。
うまいことチョコレート食べてもらえればそれで落とすこともできるってこと?なんだかこわいね!