ウォッカというとどんなイメージがありますか?ただただ度数が強くて、酔いつぶれるために飲むお酒だと思っていませんか。そして、アルコールのツンっとした匂いだけで、香りも味わいもないものばかりだと思っていませんか。
それは大きな間違いです。確かに、ウォッカはクリアな味わいを求めてきたために、多くの銘柄において、深みや香りは、製造上あまり気にされてこなかったという歴史があります。
しかし、深みや香りで個性のあるウォッカも実はあるのです。
それが
「リトアニアの国民酒・サマネ」
というウォッカです。今回はサマネの魅力をお伝えして、ウォッカについての先入観をプラスの方向に変えたいと思います。
ちょっと変わったお酒ですので、知っていると尊敬されますよ。
サマネとは
元密造酒
サマネというのはリトアニアの家庭で親しまれているウォッカです。いつからつくられているのかは定かではありません。
というのも、「サマネ」という名前は
”密造酒”
という意味だからです。家庭で密かに作られていたお酒でしたが、1998年に正式な商品として売りだされました。
ライ麦100%
普通ウォッカの原料といえば、その他の「雑穀」というような表現がされます。その名のとおり様々な原料がごたまぜにされています。なんだか、少し安っぽい感じがしますよね。
一方で、サマネの原料は「ライ麦100%」です。
ライ麦ってよく聞くけれども、何?という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明すると、ライ麦は寒冷地で育てられる麦で、小麦よりも栽培の歴史が古く、庶民の間で親しまれてきました。具体的には黒パンの原料です。
ライ麦は香りだかさとほのかな酸味が特徴です。こうした原料を100%用いているために、サマネはちょっと変わり種のウォッカとしての位置づけを確立したのです。
おすすめの飲み方
カクテルベースには不向き
ウォッカといえば、その度数の強さとクリアな味わいから、日本ではカクテルベースとして親しまれてきました。ウォッカの個性はカクテルベースにした時に、発揮されると言われているほどです。
しかしながら、先述のように、サマネは「独特の香り」が魅力であるため、逆にカクテルベースにすると、様々なフルーツの味とぶつかってしまうため、あまりおすすめできません。
ストレートでちびちびと
ウォッカというと、乾杯してぐいっと飲み干すイメージがありますが、サマネの場合はおすすめできません。
なぜならば、「アルコール度数が50°」もあるので、日本人はすぐに酔いつぶれてしまうことは間違いないでしょう。
そのため、ちびちびと飲むことをおすすめします。むしろそのほうが、ライ麦100%がもたらす独特の香りをゆっくりと楽しむことができます。
そしてやはりストレートで飲むことが特におすすめです。なぜなら、炭酸割にしてしまうと、ミネラル成分が味わいを邪魔してしまいますし、まして水割りにすると香りが変質してしまい、臭みが強くなってしまいます。
また、常温のほうが、アルコールがうまく気化することによって、素朴な田舎の家のような香りを楽しむことができます。
ちょっとした小ネタ
サマネを楽しむときにちょっと試してみてもらいたいのが、マドラーでほんの一滴、手の甲に垂らして、こすって香りを嗅いでみてください。
すると、気取った表現ではなく、本当に焼きたてのパンのような香りがします。誰かとお酒を楽しむときには、この小ネタを披露してみれば、驚かれると同時に、知識の深さを尊敬されること間違いないですよ。
「リトアニアのお酒」という触れ込みだけでも、十分にお酒をしっている雰囲気を出すことのできるウォッカ・サマネ。強いお酒を飲みたいけれども、ただの飲べえとは思われたくない人は、サマネをぜひ一度試してみてください。
てっきりウォッカは癖が少ないものだけだと思ってた。「お酒にわか」まさケロン。