子供のころは当たり前だったのに…
水分摂るな、ガマンしろ
昔は常識だったのに、今は非常識になってしまったことってありますよね。
たとえば、スポーツ時の水分補給。こまめに水分を摂ることは、今や熱中症対策の基本。推進されることはあっても、禁止する人はいません。
ところが、筆者が中学生のころは部活などの休憩時、水分補給はかたく禁じられていました。
「バテるから」
というのがその根拠です。
今では考えられませんが、当時は誰も疑問に感じることなく、頑なに水が飲みたいのをこらえていたのでした。
真夏の屋外であっても例外ではありません。でも不思議なことに、具合が悪くなる人は、ひとりもいなかったと記憶しています。
当時は「熱中症」という言葉はなく、暑さで倒れたら「日射病」といわれていました。
先生、うちの子殴っちゃっていいですから
昔の常識から大きく様変わりしたものを、他に挙げるとすれば「体罰」でしょうか?
筆者が小学生だった30年前は、先生が生徒の頭を叩くなんて、日常茶飯事でした。今そんなことをしたら、親が黙っていないでしょう。
もちろんビンタやゲンコツで殴るのは問題になりましたが、当時はある程度の「体罰」は指導の一環として、親も認めていたような気がします。
むしろ
「先生、うちの子をもっと厳しく指導してください。本当にいうことをきかないんですから、もっと殴って構いません」
という感じで推奨(?)していたように記憶しています。
いつのまにか消えたうさぎ跳び
「うさぎ跳び」って知っていますか?
これまで見てきたように、昔は常識だったけれど、今では非常識になったり、姿を消してしまったものって割と多いようですが、みなさんにここで質問します。
「うさぎ跳び」って知っていますか?
腕立てとか腹筋などと同様のトレーニング法のひとつです。腕を後ろで組んで、しゃがんだ姿勢から、膝を延ばして軽くジャンプしてから着地。再びしゃがんだ姿勢から、膝を延ばしてジャンプ。これを繰り返します。
まるでうさぎのような動作なので、この名がついたのでしょう。ところで、ちょっとその場でやってみると分かりますが、けっこうキツイ動作だったりします。
この「うさぎ跳び」ですが、筆者が中学、高校のときは盛んにやらされました。先生からは「罰」として、そして部活の先輩からは「しごき」の一環として、「うさぎ跳び」を命ぜられるのです。
- 「うさぎ跳び」で校庭一周。
- 近くの神社の階段を「うさぎ跳び」で二往復。
特に階段が地獄でした。筆者などはよく脱落してコワイ先輩の罵声を浴びていました。だから部活の間はいつ先輩の口から「うさぎ跳び」の言葉が出るかと冷や冷やしていましたね。
筆者にとって恐ろしくも懐かしい「うさぎ跳び」。でも最近全く見かけなくなりました。近所に学校があり、通りすがりに校庭で部活に励む学生さんたちの姿をみて元気をもらったりしているのですが、「うさぎ跳び」をしている光景は見かけたことがありません。
「うさぎ跳び」は廃れてしまったのだろうか?
そんな疑問が湧いてきたわけです。
「うさぎ跳び」は危険?
「うさぎ跳び」はなぜ衰退(?)したのか?
調べてみましたが、簡単に説明すると
「トレーニングとしては以前考えられていたほど効果はなく、むしろ体を痛める可能性が高い」
とのこと。
あの苦痛をさんざん味あわされた身としては「いまごろ気がついたのか」という感じですが、近年の研究の結果「うさぎ跳び」は一般的ではなくなったというわけでした。
しかしながら「危険なので禁止」ということではなく、しっかりとした指導の下で計画的に実施することが推奨されているのだそうです。
すくなくとも部活や体育の授業で全員に課すトレーニング方法ではないという解釈に変わったということですね。
スポーツのトレーニング法に限らず、問題点や新たなメリットがないかを最新の研究を基にして調査しているという人たちがいるからこそ、より安全な方法が選択肢として増えるわけですから、専門家の方々には感謝しなければなりません。
「うさぎ跳び」は本当に苦しくて、ひどいときにはしゃがんだ姿勢のまま、膝を延ばすことができなくなってしまうのですが、およそ30年後に「うさぎ跳び」に対する解釈が変わることを、当時の筆者が知っていたならば、もっと頑張れたかもしれません。いや、やっぱり頑張れません。
まさケロンは「ゆとり世代」になるわけだけど、うさぎ跳びなんかやらされなかったなぁ。。・・・カエル跳びしかできないわけじゃないんだよ?