花屋さんの業界では、月毎、日毎に「誕生花」を定め、プレゼントに推奨しています。
3月の誕生月の花は、西洋ではラッパ水仙が多いですが、日本の花屋さんではチューリップがイチオシされています。
チューリップは、バラやランなどと並ぶ、世界的な人気園芸種です。中世にオランダを中心として幅広く改良が進められました。花色や形なども豊富で、現在までに5000種以上作出されました。今、世界の市場に主に出回っているものは1000種ほどで、日本の市場でも100種類くらいが流通しています。
多彩な花言葉と花束のメッセージ
愛の物語に由来する花言葉
チューリップには、全般的なものも色別も含め、10以上の花言葉があります。また、戦後育種された新種の多くには、品種別の花言葉も付けられています。
多くが愛の喜びや悲しみ、苦しみ、すばらしさなどを表す言葉です。これは、西洋に伝わるチューリップの悲恋の伝説に由来した花言葉が多いためです。
伝説はふたつあります。
ひとつは、古代ペルシャの神話です。仕事に没頭している間に恋人が死んでしまい、悲しみのあまり自殺した青年の血の跡から咲いた花がチューリップだという話。
もうひとつは、オランダに伝わる神話で、美しい少女が3人の騎士からプロポーズされる話です。優しい少女はひとりだけ選ぶことができなくて、女神に頼んで自らをチューリップの花に変えてもらいます。騎士たちはチューリップの花をそばに置いて、少女を思い続けました。
これらの神話は、一途な愛の美しさ、叶わぬ思いの苦しさ、愛する人を失う哀しみ、など多くの愛の姿を示唆し、チューリップの花言葉もポジティブ・ネカティブ両方の愛の言葉がたくさん並んでいます。
チューリップの花言葉の例
『思いやり』
『博愛』
『愛の告白』(赤)
『失われた愛』(白)
『望みのない恋』(黄)
『不滅の愛』(紫)
『愛の芽生え』(ピンク)
『私を忘れてください』(黒)
こちらで、チューリップの花言葉や由来について紹介しています。
https://hanatama.jp/tulipa.html
チューリップの花束で愛を贈る
西洋では、気軽に友人や恋人に花を贈る文化が根付いています。多くの国で、特定の意味を持たせて、メッセージとして花を贈る習慣もあります。
愛の花言葉が多いチューリップは、恋人への贈り物として昔から定番の花です。
同じ色の花でも、恋愛にはマイナスに働きそうなネガティブ花言葉と、まっすぐな熱い想いを伝えるようないい意味のメッセージになる言葉、両方ある場合もあり、実際は、そんなにこだわらずに相手の好きな色の花を贈る人も多いです。
ガーデニングでも、様々な種類や色を取り合わせて楽しまれています。切り花の花束も、とりどりの色をアレンジして、溢れる愛の想いを伝えるギフトにされています。
数が示唆する詳細なメッセージ
花束には贈る本数にも意味がある
西洋では、花別、色別の花言葉だけではなく、花束を贈る場合はその本数によっても、伝えるメッセージが微妙に異なる、というマナーもあります。
チューリップやバラのように、色別花言葉も細かくてややこしいものは、色を複数混ぜた花束にして、本数でメッセージを伝える、という贈り技もありです。
愛のメッセージに相応しい本数
恋人や配偶者にプレゼントするのにいいメッセージの例をあげてみました。さりげなくウンチクと共に想いを伝えよう、という人だけでなく、自分の気持ちの中の縁起担ぎとして、気持ちが伝わるおまじないにしたい人も、ぜひご参考にしてください。
- 1本 『あなたが運命の人』
- 3本 『愛している』
- 4本 『一生愛し続ける』
- 6本 『あなたに夢中』
- 8本 『思いやりに感謝』
- 9本 『いつも一緒にいよう』
- 11本 『最愛』
- 12本 『恋人(妻)になって』
- 40本 『永遠の愛を誓う』
- 50本 『永遠』
- 99本 『永遠の愛』
- 108本 『結婚してください』
国により、多少の差もありますが、
“愛の告白には、12本の花束”
というのは、比較的よく知られた常識だそうで、日本の花屋さんでもよく勧められるウンチクです。まあ、日本では男性が100本近い花束なんて贈ると、当人も周りもドン引きしてしまいそうですから、12本くらいの愛情表現が無難ですね。
ちょっと注意の本数もあり
- 15本 『ごめんなさい』
なんていうのも、ちょっと怒らせた彼女のご機嫌を取る時に使えそうです。
ちなみに、ネガティブメッセージの本数もいくつかあります。
- 16本 『不安な愛』
- 17本 『絶望の愛』
みたいなのもありますが、まあ、わざわざ語らなければ、たぶん知っている日本人は少ないと思いますが・・・。16歳、17歳の誕生日に年の数だけ贈る、なんていう場合は、そんなに気にしなくて良いでしょう。
気軽に花を添えてみよう
日本人でチューリップを知らない人、嫌いな人はほとんどいないと思われます。
恋人に花を贈る習慣なんてぜんぜんなかった人が、手始めに挑戦する花ギフトとしては、気軽に買いやすく、あげやすい花ではないでしょうか。誕生月の花というのも、自然に花をプレゼントする理由づけに使えるいいわけですから、ぜひ3月生まれの彼女さんがいる男性の皆さんは、勇気を出して、素敵な花ギフトデビューしてみてはいかがでしょう。
たしかに、チューリップの花言葉けっこう複雑で、あの色はなんだったっけってなるもんね。本数で愛を伝える・・・まさケロンもやってみよっと。