4月生まれ 誕生石・パワーストーン

4月の誕生石ダイヤモンド/宝石の王様は地球の贈り物

Written by すずき大和

日本では、恋人へ貴金属をプレゼントする時、誕生石を選ぶ、という人が少なくありません。それぞれの石は「パワーストーン」と呼ばれ、神秘的な開運招福のスピリチュアルパワーがあるとされています。

そして、結婚指輪となると、俄然「ダイヤモンド」の指輪を求める風潮があります。

世界一硬い鉱石のダイヤモンドは、加工が不可能で、ギリシャ語の「征服されざるもの」という意味の名前が付けられました。ダイヤには

「変わらぬ固い絆」

を保つパワーがあるといわれます。

それにしても、ダイヤは、貴重さや値段において、他の宝石とは一線を画す扱いをされる傾向があり、西洋文化では「四大宝石の筆頭」とされ、

「ダイヤモンドは宝石の王様」

ともいわれています。

なぜ人々は、これほどまでにダイヤに魅了され、時にステイタイスとしてダイヤを追い求めるのでしょうか。

4月生まれじゃない人も必見、ダイヤのお話です。



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ダイヤモンドの世界一の歴史は意外と短い

大昔はみんなが欲しがる石じゃなかった

美しい結晶の天然石は、文明が発祥した大昔から、人々を魅了し、磨き加工されて宝石にされてきました。古代エジプトなどの遺跡からは、多くの宝石がついた宝飾品がたくさん出てきています。

それらの古代の財宝に見られる宝石のほとんどは、ルビーやサファイア、オパール、ヒスイ、水晶などです。ダイヤモンドの古代秘宝など聞いたことがありません。

中世を舞台にした冒険小説の挿絵によく見られる「海賊の宝」みたいなイラストも、丸く磨いた天然石や金銀財宝が多く、ダイヤはまだ宝物の主役ではなさそうです。

宝箱イラスト


研磨技術の発見がダイヤを宝石にした

ダイヤモンドの原石は、紀元前7世紀頃インドの川底で発見されました。その後1000年以上の間、ダイヤは川の砂から採掘されていました。

希少な美しい結晶の原石は美術品とされたり、工業用の硬い鉱物として利用されたりしましたが、宝石としては流通していませんでした。あまりに硬いので、当時は磨いたり削ったりすることが困難過ぎて、宝石加工ができなかったのです。

1475年に研磨法が発明され、カットを施した宝石が作られるようになると、その透明でキラキラした輝きは、特権階級の人々に好まれ、ステイタスとして求められました。

やがて、18世紀にブリリアントカットの原案が考案され、時代と共にどんどん洗練されていきました。ダイヤモンドは、他のどんな宝石より、光の屈折率が高く、ブリリアントカットはその特徴を存分に生かす加工です。

  • まぶしく明るい輝きと
  • チカチカとしたきらめきと
  • 光の角度が変わると起きる虹色の反射

が見える、うっとりするような美しいダイヤの誕生です。

ダイヤ裸石


鉱山の発見とデビアス

インドの川でしか取れなかった時代、ダイヤは特権階級のものでした。マリー・アントワネットのブルーダイヤの話は有名です。まだ一般の人が持つことなどありえませんでした。

18世紀以後、インドやブラジル、アフリカなどで次々鉱山が発見され、採掘量が増えていきました。

やがてユダヤ系のデビアス社が、いち早くダイヤモンド市場を掌中に納めました。20世紀には世界で取れるダイヤの9割以上を買い取り、市場も価格もコントロールしていました。

供給量の増加に伴い、デビアス社はメディアを利用した様々な宣伝を駆使して、世界中でダイヤを一般の人々にも広く知らしめる作戦に出ました。

「結婚指輪といえばダイヤモンド」

という価値観は、デビアス社によって洗脳された、といっても過言ではありません。

80年代にデビアス社のCMが流した

「ダイヤモンドは永遠の輝き」

というフレーズが、今も世の中に浸透しています。

こうして、ダイヤは、誰もが欲しがる宝石の王様としての地位をゆるぎないものにしていったのです。

世界一の硬さと輝きは、どうやって生まれた?

ダイヤはどこから来たのか?

デビアス社の宣伝も凄いのですが、ダイヤ本来のクオリティが高いことが、特別の一番の理由です。その硬さ、美しさの理由は、その生成の過程が他の宝石にはない特別なものだからです。

ダイヤは炭素の塊であることは知られています。

30億年以上の遥か昔、地球が形成される過程で、地下のマントルの中で、炭素の結晶が生成されました。マントルの中は物凄い高温・高圧の状態です。

マントルは時間をかけてゆっくりと地表近くに上がってきます。炭素の結晶は、ゆっくりと冷え固まり、鉛筆の原料などになるグラファイト(石墨)になります。しかし、マントルがドロドロに溶けたマグマが地表に吹き上がる場合は、一緒に噴き上げられた結晶は、急激に温度が下がることによって、物凄く硬く、光の反射率の高いダイヤモンドになります。

噴出されたマグマが冷え固まった岩盤は、「キンバーライト」という岩石になります。キンバーライトが出来たのは1億年以上前です。長い間、岩盤が風化し、ダイヤモンドだけが残って川に流れつき、たい積したため、川からダイヤが採れたのです。

マントルの中で作られた宝石は、限られます。高温高圧でぎゅっと固められ、そのまま急速冷却される、という特別な過程を経て生まれたダイヤモンドは、特別な美しさと永遠の絆をつなぐパワーを持つ、地球の贈り物なのです。

まさケロンのひとこと

ダイヤモンド、名前からして重厚感があるよね。

masakeron-love


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。