カメラ・撮影 ライフスタイル

「インスタ映え」を目指すなら「写真には写らない」ものを感じ取れ!

Written by 言祝(kotoho)

すべての人がフォトグラファー?

「撮影はご遠慮ください」

先日、近所のショッピングモールで気になる光景を見かけました。時計店のショウウインドウをスマートフォンのカメラで撮影している男性がいます。隣に奥さんらしき女性と男の子、おそらく家族なのでしょう。

陳列された腕時計の背景に俳優の写真が飾ってあり、どうやらそれを撮影しているようです。奥さんとの会話から男性はその俳優の大ファンらしいことがうかがえます。

その光景を見て、筆者はドキッとしました。お店のスタッフに止められると思ったからです。

「店内の撮影はご遠慮ください」

などと声掛けされて、もしかしたらその場で写真の削除をさせられるかもしれない。実際に近くにスタッフがいました。

でも何も言いませんでした。

何枚か写真を撮った後、三人は店から離れていきました。

この家族の行動を非難したいわけではありません。むしろ筆者は「これは面白いな」と感じました。



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写真は「特別」

そもそもなぜ筆者が「ドキッ」としたかといえば、

「写真を撮るということは特別なことである」

という考えがあるからです。

いま、年齢を問わず、ほとんどの人がスマートフォンを持っています。そしてスマートフォンには必ずカメラがついていますよね。だから、いつでもどこでも、どのような状態でも写真を撮ることができるわけです。

若い世代の人たちにとっては当たり前のこと、でも昭和生まれのオッサンである筆者ににとっては「いつでも写真が撮れる」状態は「特別」なことなのです。かつては写真が撮りたければカメラを使うしかありませんでした。

カメラという機材を用意しなければならなかったから、撮影する方もちょっと背伸びするというか、襟を正すようなところがあって、それは撮られる側も同様で、知らない人やお店のショウウインドウなどにレンズを向ける場合は「撮っても良いですか?」という挨拶というか、マナーみたいなものが必要だったんです。

もちろん今だって、見ず知らずの人にいきなりレンズを向けたら、トラブルになることだってあるでしょう。でも、昔と比べたら「カメラが日常に溶け込んでいる状況」だから、「撮る、撮られる」が大げさなことではなくなっているような気がするのです。

ここはひとつ新しい環境に身を投げてみるのはどうか? だから、写真店での光景を見て「これは面白いな」と感じたわけです。

忘れてはいけないこと

記録するためなら

その後写真に関して、気がついたことがいくつかあったんです。

仕事で倉庫内の備品を貸出しすることになりました。その際、何がどこに保管してあったかをあらかじめ覚えておかなければならなくなりました。返却後はすべて元の場所に戻さなければ不具合が生じるから、という理由からです。そのため筆者はメモをとることにしました。

「〇〇は、奥の棚の二段目、△△は…」

それを見ていた同僚が、

「スマホ持ってんだろ。写真、撮ればいいだろ」

言われてみれば、その方が早いし、正確です。でも、写真に関して、前述したような「偏見」が捨てきれていない筆者には、同僚のような発想が、なかなかできないのです。

一応、責任者の許可をとったうえで写真を撮りました。これは便利です。記録するためなら、スマートフォンなどのカメラは頼もしいツールであることを覚えました。

「みなさんの顔が…」

ある有名なアーティストのライブを観に行ったときのこと。開演前の場内アナウンスの内容に衝撃を受けました。驚くことに開演中のステージの撮影はOKだというのです。

フラッシュはNGですが、撮影は自由、ちょっと信じられませんでした。通常は、公演中の写真撮影は禁止です。守られないときは公演中止もあり得るなどと警告されることも珍しくありません。

さてライブが始まり、筆者はかなりの枚数の写真を撮りました。他にもレンズを向けている人が大勢いました。なにしろ「撮影は公認」なのです。

MCのとき、アーティスト本人から改めて、撮影OKの旨、アナウンスがありました。あえてOKにして、SNSなどに投稿されたほうが、宣伝になるからなのかな?などと考えながら聞いていました。

「フラッシュは使用しないでくださいね。あとは、自由にどうぞ」

次に、こんな発言があったのです。

「でも、できればみなさんの顔が見たいです」

この言葉を聞いたとき、なぜかホッとしました。

時代は変わろうとも。

写真を撮ろうとしてスマートフォンをかざすと、顔が隠れてしまう。写真は撮らないでほしい、というわけではないのだけれど…。

皆さんなら「…」の部分をどのような言葉で埋めますか?

スマートフォンのおかげで、常にカメラを携帯している私たち。古臭い表現だけれども、息をするように、写真を撮ることができます。でもやっぱり守らなければいけないものがあって、時代が変わっても、それは変わらないのかもしれません。

アーティストの、この発言のあと、心なしかスマートフォンを掲げている人は少なくなったような気がしました。

まさケロンのひとこと

たしかにまさケロンもライブやるならカメラのレンズじゃなくて顔が見たいかな〜と思う!それに、その場でしか味わえないものだってあるもんね!!

masakeron-happy


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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」