3月3日は女の子のお節句ひな祭りです。
女の子のいるおうちでは、ひな祭りの定番となっているお料理を作っているかもしれません。
柔らかな優しい色が並ぶひな祭りメニュー、どうしてそれを食べるようになったのでしょうか。
健康と長寿と幸せな結婚 女の子に望まれる三大要素
女の子の節句として現在のような形になったのは江戸時代だったようです。
当時の社会の女性観が、ひな祭りのしきたりの中にたくさん残っています。
封建制の時代、男の子には社会で成功するための強さやたくましさが望まれましたが、女の子の幸せは結婚と出産にあるとされていました。
元気な子が産める働き者の妻になるよう、健康と長寿と幸せな結婚を願う思いが、ご馳走一つ一つにも込められています。
夫婦円満を願うはまぐりのお吸い物
二枚貝のはまぐりは、ペアとなる貝殻同志以外はびったりと合いません。
はまぐりのお吸い物には、夫婦が仲良く一生添い遂げられるように、という願いが込められています。
魔よけと健康を願う3色のひし餅
菱餅の3つの色にも意味があります。
緑と白と桃色は大地の上に積もった雪の間から春の命が芽吹き桃の花が咲く様子を表します。
大地は「健康と長寿」、雪は「清浄」、桃は「命の力」を意味しています。
また桃には魔除け(古来から桃は邪気を払うとされてきました)の意味もあります。
災いをよけて健康に長生きすることを願うお飾りなのです。
一年中の幸福を願う四季の色のひなあられ
ピンク・緑・黄・白の4色のひなあられは、それぞれ春夏秋冬の四季を表します。
という願いの現れです。
邪気を払う桃のお酒が転じた白酒
もともとは桃の花びらを漬けた「桃花酒」というお酒を飲む習慣だったそうです。
桃に邪気を払う意味があったことは、前述の通りです。
中国から伝わったお酒でしたが、日本では白酒のほうがポピュラーだったようで、江戸時代中期にそちらが一般化しました。
最近のしきたりとして定着してきたちらし寿司
ご馳走の主役といえば、彩のいい具を混ぜ込んだちらしずしを思い浮かべる人が多いと思います。
が、これは古来からの習慣ではなく、比較的最近根付いたものです。
実はちらしずしそのものにいわれはありません。
寿司はもともと縁起の良い祝いの席の食べ物
ただ、お寿司は昔からお祝いの席などで食べられる縁起の良いものです。
ひな祭りを祝う食べ物としても、多く食べられたのだと思います。
昭和の半ば頃には茶巾寿司が流行ったこともあったし、料理番組では見た目の可愛らしさから手まり寿司の作り方がよく流されていました。
つい最近まで、大阪以外は節分に恵方巻を食べる習慣がなかったので、ひな祭りに巻きずしを作る家庭も多かったように思います。
ひな祭りのお寿司として定着しているちらし寿司の法則
ちらしずしが定番になっていった理由はよくわかりませんが、混ぜる食材として
- 海老
- れんこん
- 豆
を使うことが縁起担ぎになっているから、という説が広まっているようです。
それぞれ
- 長寿
- 見通しのきく未来
- マメに働く
という意味をこめて、お節料理にも使われているものですね。
ただし、実際家庭で作られているものは、必ずこの3食材を入れることを意識されてはいないようです。
欧米ではジェンダーフリーという考え方が男女平等の基本理念になっていますが、日本では90年代後半頃から「女らしさ・男らしさ」を大事にする考え方が、政治や教育、文化の中にも強く反映されてきています。
女性の追求する「かわいい」が日本文化として突出して世界に着目されている現在、ひな祭りには優しくて華やかな雰囲気のご馳走を食べて、クール・ジャパンを体感してみてはいかがですか。
ちらし寿司自体には、意味はなかってんなぁ~
でも、もともと縁起のええもんやからお祝いごとって言ったらお寿司やろ!