ゴールデンウィークが終わると、一気に本格的な夏の陽気に近づきます。
アイスクリームが美味しくなる季節に向け、毎年5月9日はアイス業界が
アイスクリームの日
と定めて各地で販促キャンペーンを開催します。
欧米では最近、バランス栄養食としてアイスクリームを軍隊食やダイエットに活用する向きもあるようです。
カロリーの高さを気にする人もいますが、ケーキやラーメンに比べると低カロリーなおやつです。
しかし、種類によっては栄養価が低いアイスもあります。
アイスの中味の正体についてのお話です。
アイスの高級感の決め手は乳固形分とオーバーラン
アイスは成分の濃さによって3段階に分かれる
アイスクリームとひと言で言っていますが、パッケージの後ろを見ると、実は3つの種類に分かれていることがわかります。
乳脂肪分の多い順に
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
の段階があり、濃厚で高級な印象のプレミアムアイスと呼ばれるものは、アイスクリームのカテゴリーに入っています。
高級な食感を作るのは乳固形分の濃さと空気
アイスクリームは凍らせて食べるお菓子です。
凍るというと、カチンコチンのイメージがありますが、アイスクリームは滑らかでクリーミーな食感です。
しかし、かき氷やシャーベットなどの氷菓よりも、はるかに温度が低く、ああ見えて中にある脂肪分や水分は凍っているのです。
凍っているのに滑らかなのは、含まれる脂肪や氷の粒が非常に小さく砕かれて全体に均一に散らばっているためです。
この状態を
乳化
と言います。
乳固形分の中の乳たんぱく質の働きにより空気が含まれやすくなり、製造工程でたくさん空気を含ませながら撹拌することで乳化が促されます。
オーバーランの低いプレミアムアイスクリーム
空気の混入割合をオーバーランといいます。
1ℓのアイスクリーム溶液を空気を含ませて撹拌して2ℓにすれば、オーバーラン100%です。
オーバーラン60%以上だと、フワッと軽い口どけの食感になりますが、空気が多い分味わいは薄くなります。
オーバーラン20~40%くらいだと、ねっとりと濃厚な味わいになります。
プレミアムアイスクリームと呼ばれるものは、含まれる乳成分が濃いだけでなく、オーバーランを少なくすることでより濃厚な味わいを作り高級感をだしています。
濃さとまろやかさとカロリーの関係
乳成分が濃いほど風味も栄養価も高まるが、カロリーは別
プレミアムアイスは、アイスミルクやラクトアイスに比べて乳成分が濃くなる分、コクやまろやかな味わいはやはり格段に増しています。
そして、脂肪やたんぱく質はもちろん乳製品に含まれるミネラルも、より豊富になっています。
その分、カロリーが気になるかもしれませんが、確かにアイスミルクよりは2、3割高くなります。
が、ラクトアイスよりは若干低いです。
アイスクリームの口当たりの良さの元は乳化であることは前述の通りです。
ラクトアイスでは、十分に乳化させるだけの乳脂肪分が足りないため、代わりに植物油を混ぜています。
そのために、ほぼ乳成分しか使わないアイスクリームより、カロリーが高くなるのです。
高栄養か、高カロリーか、手ごろな値段か
乳製品には、日本人に不足しがちなカルシウムやビタミンAも多く消化吸収されやすい性質もあるので、ほぼ乳成分で出来ているアイスクリームは優れた栄養食品であることは間違いありません。
より乳成分の多いものほど栄養価も良くなります。
しかし、プレミアムアイスクリームになるとカップ1個で一日に必要な脂質の半分以上摂取できるため、食べ過ぎは成人病を促進しますし、第一高いです。
100円アイスのラクトアイスはお手頃ですが、乳成分の栄養は少なくなります。
カロリーだけは多いので、スポーツ後など急なエネルギー補給には向いています。
また乳脂肪分が合わない体質の人もアイスクリームの食感を楽しめる貴重な嗜好品です。
栄養価もカロリーも値段も程々なのは、アイスミルクということになります。
アイスクリームの満足感より、やや劣りそうですが、イタリアン・ジェラートなど、製法の違いによりリッチな味わいと高級感を出しているアイスミルクもあります。
太りやすさは、一概にカロリーだけでは比較できませんが、乳脂肪の少ないラクトアイスは太りにくいと思っていた人は誤解のようです。
また、乳固形分が少ない分、乳化のために安定剤や乳化剤が多く使われているので、添加物が気になる人も注意したほうがいいでしょう。
- 卵
- フルーツ
- チョコ
- コーヒー
など、フレーバー材料によっても栄養価やカロリーは変わります。
何がどうからだにいいのか、その時の状況に応じて上手にチョイスしながら、アイスクリームを楽しんでください。
アイスクリームって結構栄養価が高い食べ物やってんなぁ~
でも、食べすぎたらお腹壊すし、成人病の元にもなるから注意せんとアカンで!