昭和の前半までは、学生には当然だった下宿。
寮であればもちろん相部屋。
それが昭和の後半になると急速に姿を消し、プライバシー確保を重視する若者が増え、一人部屋の生活が当たり前になってきました。
そうやって、いわゆる「他人と距離を置くライフスタイル」というものが確立。
しかし近年、そのライフスタイルが見直されるようになってきました。
古き良き時代に帰る
時代と共に変化する
顕著な例を出すと、「シェアハウス」です。
他人と同じ屋根の下に住むなんて絶対イヤ!という風潮だったのに、今ではそれがオシャレなスタイルとして人気を集めています。
そして今、飲み屋も古き良き時代のタイプが見直され、静かなブームを呼んでいるのです。
チェーン店の居酒屋
1980年代、居酒屋のチェーン店化がピークを迎え、系列店であればどこの店に入っても、同じメニューで同じ金額。
更に少人数から大人数まで対応してくれる宴会用の個室などがあることから、サラリーマンから学生まで幅広い世代に人気となりました。
大衆居酒屋が静かなブームに
主要な沿線の駅前などにはチェーン店の居酒屋が競うように軒を連ねた時代。
しかしそんなスタイルにも飽きがきたのか、今じわじわと存在感が大きくなり始めたのが
大衆居酒屋。
価格が安く、料理なども庶民的で気軽に楽しめる雰囲気の居酒屋です。
大衆居酒屋って、どんなところ?
映画の世界?
チェーン店に比べると小汚く感じてしまう店も多く、個室も殆どありません。
それどころか長椅子に長テーブル、そしてカウンターという昔の映画の中に出てくる酒場そのもの。
ビールケースを裏替えした物が椅子だったりするかも。
密接ですよ
混んでいれば隣に座った知らない人と肩が触れ合うぐらいの近さです。
もちろん会話も丸聞こえ。
どこからどこが自分達のスペースかなんてハッキリしないくらい、テーブルの上もごちゃごちゃしちゃうのです。
早めに切り上げるのがマナーです
ひとつひとつのテーブルに区切られて座って、居場所が確保されているのが当たり前な居酒屋と思って行ってはいけません。
また2時間も3時間も居座るのはNG。
大衆居酒屋は長く居座る店ではなく、「1時間程度を目安に切り上げる」のがマナー。
(もちろん、その時の店内の混雑状況にもよりますが・・・。)
大衆居酒屋を知っておこう
事前にチェック、5つのマナー
- お店に入る時は「こんばんは」と挨拶。
- メニューは店内の壁などに貼り付けてある。
- 近くに座った人とは積極的に会話をする。
- 常連さんにおススメな物を聞いてみる。→それがきっかけで仲良しに。
- 相席を拒むのはNG。
これは最低限のマナーです。
お店の雰囲気は大切に保っていきましょう。
仲間に入れてもらう・・・そんな気持ちで!
安さが嬉しい!
大衆居酒屋はメニューが安いのも大きな魅力。
- かつおのたたき : \390
- しめサバ : \390
- トマスラ : \290
- 冷奴 : \190
- タコわさ : \190
- 牛煮込み : \480
\500以下のメニューが中心になっている店も多く、ドリンク類が\280均一などという所もあります。
昼間は食堂として営業している店もあるので、ラーメンや餃子、炒飯、ニラレバ炒めなどの食堂メニューが美味しかったりもします。
角打ちに行ってみよう
角打ちの基本
お酒の販売店の一角に立ち飲みコーナーを設けて、買ったお酒をその場で飲めるという店。
立ち飲みが基本ですが、「お酒が安く飲める」のがメリットです。
飲食店ではないので、おつまみは乾き物や缶詰が中心となります。
中にはおでんや串を出してくれる店もあります。
ちょこっと飲みたい人におススメ
角打ちの平均的な価格を調べてみました。
- 生ビール : \350
- ビール各種 : \300前後
- 日本酒 : \300台
- 焼酎・ワイン・梅酒 : \300以下
缶詰、乾き物 \200台が中心。
1杯だけ飲んで帰りたいとか、軽く飲みたいという人にはおススメです。
なんで「角打ち」っていうの?
「角打ち」というこの名前。
升酒を飲む時に、その角を口に当てて飲むということに由来しているそうです。
鳥取県から島根県の東部にかけては「たちきゅう」というそうです。
素朴だけど、立ち飲み感が伝わる言葉ですよね。
この角打ち、江戸時代から一般的になっていたそうで、なかなか歴史ある店なのです。
屋台に行きたい
屋台といえば
屋台といえば、やっぱり博多。
中洲には屋台が軒を連ねている場所があり、どの店に入るか迷ってしまうほど。
人気の屋台の前には、いつも行列が出来ています。
屋台に行くときの7つ心得
- 雨天などの悪天候の場合はお休みすることも。
- 日曜定休が結構多い。
- 広めの店でも10人程度で満席。
- トイレがない。
- 生の食品のメニューはない。(食品衛生法により)
- 営業時間は18時頃から、店によってはam5:00まで開けている場合もあり。
- 狭いので出来るだけ荷物は小さめ・少なめに。
トイレがないので、予め「トイレがある場所」をチェックしておきましょう。
荷物が多い場合は近くの駅のコインロッカーなどに入れて、持って行くものを最小限にするといいですよ。
屋台の中身は
屋台のメニューの価格は、大衆居酒屋や角打ちよりは、ややお高め。
- ビール : \500
- 酎ハイ : \300~
- ワイン : \400
- 日本酒 : \430
- 梅酒 : \330
- 焼き鳥 : \150
- ラーメン : \500~
- もつ煮込み : \500
- 明太卵焼き : \650
- 餃子 : \500
などが博多の屋台の平均的な価格。
中にはカクテル各種、ピザやパスタ、フォアグラのソテーまである屋台も。
店の外側にメニューを表示している所もあるので、それを参考にしてみるのもいいでしょう。
心地よいコミュニケーションを求めて
オジサンの聖域だから
知らない誰かと打ち解けて、楽しい時間を過ごす。
大衆居酒屋や角打ち、屋台には、そんな魅力があります。
でも常連さんが多いタイプの店。
それでお店が成り立っているのです。
だから、一見さんがいきなり大勢で行ったりするのはNG。
常連さんとも仲良くコミュニケーションを取ることが大切です。
すっぴん・ジャージ大歓迎
友達と行っても、ひとりで行っても、違った楽しみが待っています。
女性もすっぴん・ジャージで行ける店があったら嬉しいですよね。
心地よいコミュニケーションを求めて、今度は気取らない自分が通えるお店を見付けてみませんか?
最近まさケロンね、人との繋がりって、一番大事なことなんじゃないかな~って思うんだよね。大衆居酒屋・角打ち・屋台での出会いが、今よりもっと明るい未来に繋がるかも?