ダイエット

朝から晩まで12時間以内に一日の食事を済ませば太らない!?

Written by すずき大和

生物は皆「体内時計」を持っています。それに合わせて、いろいろな機能が必要な時に的確に発揮されるように、体内リズムを調整しています。

規則的な食生活は、体内時計を正しく保つためには重要な要素です。

不規則な食事は、体内時計を狂わせることにもつながりますが、同時に、からだの消化・吸収・代謝機能のリズムに逆らう食事は、代謝の効率を思いのほか悪くしてしまいます。

同じものを食べてるのに、太っちゃう人と太らない人がいるのも、体内時計に関係ありそうです。



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食べる時間帯によって、太りやすさが違う

1日の代謝のリズムはどうなっている?

人は、昼間活発に働き、夜は眠ってからだを休め、消耗した部分を補給・再生して翌日に供えることを毎日繰り返して生きています。

これから活動を始めるという朝は、

  • 食べたものを消化吸収する機能、栄養素を体中に運ぶ機能がとても高まります。
  • 脂肪の燃焼効率も高くなり、からだのエネルギー消費量が増加します。

休息と再生に向かう夜は、

  • 脂肪をからだに蓄積する遺伝子が活発になり、エネルギー消費量も落ちていきます。

朝はエネルギーを消費しやすく、夜は脂肪をため込みやすい

これらの機能を考えると、同じ量を食べても、朝食で食べるほうが夕食で食べるより消耗効率がよく、寝る直前の夜食は脂肪としてため込まれやすいことがわかります。

「夜食は太るよ」

というのは、理にかなっている指摘です。

マウスによる実験でも、餌の総量は同じでも、

  • 朝ご飯だけと夕ご飯だけでは朝ご飯をあげたほうが太らない。
  • 朝2夜1の割合で与えたものと、朝1夜2の割合のものでは、前者のほうが太らない。

という結果が出ています。

食事は1日12時間以内で!がポイント

「夜食は太る」もうひとつの理由発見

世界的に著名な生物学・医学研究所として知られる、アメリカ・サンディエゴのソーク研究所のパンダ教授の研究室が、2014年に

“1日の食事を8時間以内に済ませるように時間制限すると、太らなくなる”

ということが動物実験の結果からわかった、という論文を発表しました。

マウスに高脂肪な餌を与えると肥満になります。しかし、餌を与える時間を1日8時間以内に固定すると、同じ量食べても全く肥満にならなかったそうです。更に、その後12時間以内に条件を緩和しても、マウスは太りませんでした。

これは、人間であっても、

“お腹いっぱい食べても、8~12時間以内に食事時間を収めれば、太らない可能性が高い”

ということを示しています。

「夜食は太る」のは、食事終了時間が遅くなり、12時間以内で収まらないことも問題だったのかもしれません。

人間で実験すると・・・

パンダ教授は、同じことを人でも検証してみました。

スマートフォン用アプリで不特定多数の一般人の食事時刻を調べると、アメリカ人の平均食事時間の幅は、1日14時間45分であることがわかりました。

そこで、14時間以上かけて食べている人の中でBMI(体格指数)25以上(肥満に含まれる数値)の人を集め、食事の時間を1日10~12時間以内の生活を3週間続けてもらいました。

すると、以下の結果がでました。

  • 体重が平均3.27kg減少
  • 朝の活力が向上
  • 睡眠の満足度が改善

食事の時間制限は有効なダイエット法になりうるか

12時間以内というと、朝仕事の前7~8時くらいに朝食を摂る人は、夜8時には夕食を済ませて、そこから翌朝まで何も食べてはいけない、ということです。

マウスの場合は、隔離して、決まった量の餌を与える実験ができました。が、人に時間制限をした場合、夕食時間を早めにするだけでなく、今まで食べていた夕食後の間食・夜食を止めることにつながり、食事の全体量も平均20%落ちる結果になったそうです。

ということは、痩せた原因は、時間制限の問題というより、食べる量を減らしたせいともいえます。

「デブの皆さん、どんだけ夜食食べてたのさー!!」

って話ですが(笑)、12時間以内に制限することで、それを止める習慣を作れるならば、時間制限は有効なダイエット法であることは間違いないでしょう。

肥満は体内時計の精度と反比例する

この実験で注目する点として、

  • 朝の活力が向上
  • 睡眠の満足度が改善

という部分にも大きな意味があります。

これは、朝のダッシュ効果がアップし、夜の休息効率も上がったということですから、

“体内時計の効力が強くなった”

“からだのリズムがより効率的に働くようになった”

といえます。

別の実験では、マウスに高脂肪の餌を与えてどんどん太らせると、肝臓と脂肪の体内時計のメリハリが小さくなることがわかっています。すると、寝ている時間に起きるようになったり、肥満の速度も早まっていく影響が出てきました。

アメリカ人とマウスの実験から、

  • 肥満は体内時計を狂わせる
  • 体内時計が乱れると肥満を進めてしまう

という相乗関係があることがわかります。

おデブさんもそうじゃない人も、ダイエットと健康保持のために、どうやら

「夜8時までに食事は済ませる習慣をつける」

ことが大事なようです。

ちなみに、早起きで6時に朝ご飯食べる人は、夕方6時に夕食を済ませないといけません。それは無理だから、と、朝ご飯抜いてしまうと、朝の活力アップを後退させ、それはそれで体内時計を狂わせますので逆効果です。

まさケロンのひとこと

ただ食事の量を制限するんじゃなくて、時間を考えることもダイエットには大事なことなんだね~。がんばって飯テロに勝つぞー!

masakeron-oko


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。