2.5次元ミュージカル！？
2.5次元ミュージカルとは
漫画、アニメ、ゲームをミュージカルにしたものです。2次元の漫画やアニメと3次元の舞台の中間として、2.5次元という呼ばれ方がファンの間で自然発生したと言われています。
わかりやすい例を挙げると、宝塚歌劇団の
『ベルサイユのバラ』
が有名です。ブロードウェイで人気の
『ライオンキング』
『美女と野獣』
などディズニー・アニメの舞台化も、2.5次元ミュージカルと言えます。
最近では人気の漫画、アニメ、ゲームがミュージカル化していて、そちらを指すことが多いようです。
2.5次元ミュージカルの歴史
意外にもその歴史は古く、1966年に『サザエさん』がミュージカルとして上演されています。
ベルばらは2.5次元ミュージカルの金字塔
宝塚歌劇団といえば『ベルばら』です。
1974年に宝塚歌劇団で
『ベルサイユのばら』
の初演されました。2014年6月には観客数が通算500万人を達成し、同劇団でもっとも愛されている演目です。当時の「ベルばらブーム」と相まって、テレビに押され、客足が遠のきかけていた宝塚歌劇団の人気を復活させました。
子ども向けだった2.5次元ミュージカル
1980年、1990年代もアニメや漫画はミュージカル化されていました。昭和世代なら懐かしい、日曜日の夜7時半に放映されていた世界名作劇場から
『愛少女ポリアンナ物語』
『小公女セーラ』
など。
少年漫画では
『聖闘士星矢』
などがミュージカル化されました。蛇足ですが、『聖闘士星矢』の初演はSMAPが演じていたことは有名です。ですが、主催はアニメ会社やおもちゃ会社で、どちらかと言うと子供向けのものが多く、世間の注目度は高いものではありませんでした。
劇団四季のディズニー・ミュージカル
1998年ブロードウェイで人気を博していたミュージカル、ライオン・キングが劇団四季によって上演を開始。今も上演され続けている、同劇団の人気作品です。これ以降、劇団四季は、ディズニーミュージカル作品を多く上演するようになり、
『リトルマーメイド』
『アラジン』
『美女と野獣』
などが上演されています。劇団四季の商業的成功によって、ミュージカルの不毛地帯だった日本にも、じわじわとその人気が浸透し始めました。
2.5次元ミュージカルの人気作品
人気漫画のミュージカル化
最近の2.5次元ミュージカルの代表格は
『美少女戦士セーラームーン』
のミュージカルでしょう。なんと、1993年から2005年のロングランで、800公演以上が上演されました。当初、2.5次元ミュージカル化されるのは少女漫画の原作が多かったようです。舞台化しやすく、華やかな衣装でアピールしやすかったのでしょう。
少年漫画のミュージカル化
少年漫画のミュージカルの先駆けになったのは
『テニスの王子様』
です。
2015年の公演は、なんと横浜アリーナ（収容人員17,000人）で行われました。原作は中学校のテニス部が全国大会で上位に進んでいくストーリーで、少年ジャンプの中でも大人気作品でした。ですが、ミュージカルの方は認知度が低く、2003年の初演ではチケットもほとんど売れず、空席のほうが目立つ状態でした。
それが、女性のファンの間で口コミで人気が出て、観客動員数は2014年に170万人を突破する、人気ミュージカルとなりました。
日本2.5次元ミュージカル協会の設立
これらの流れを受けて、2014年3月23日に日本2.5次元ミュージカル協会が設立されました。
世界中が注目する日本の新しいカルチャー、2.5次元ミュージカルをより多くのお客様にご覧頂く事を目的として設立されました。引用：日本2.5次元ミュージカル協会
2.5次元ミュージカルを世界へ発信する事も視野に入れ、国内では業界の発展と品質向上を目標にしています。
まとめ
2.5次元ミュージカルは大きくわけて2つあります。
- 劇団四季や宝塚歌劇団など、古参の劇団がディズニー・アニメやベルサイユのばらなどを舞台化
- 最近の人気漫画のミュージカル
当初は夏休みのお子さま向けだった2.5次元ミュージカルも、口コミでどんどん動員数が増えてきて、エンターテインメントの一つとして定着しつつあります。このまま独自の発展を遂げて、日本のミュージカルの一端を担うようになるかもしれません。
若い役者さんが舞台に立ち、キャラクターのファンから役者さんのファンになる人も増えています。2.5次元ミュージカルの役者さんからいつか大スターが生まれるかもしれませんね。
ディズニー系はミュージカル入門にもおすすめかも。とっつきにくいイメージのミュージカルだけど、こうやってどんどん身近なものになっていくといいな～。
