時々、「フランス人は十着しか服を持たない」など、欧米人は日本とは大きく異なるファッション観を持っていることを指摘する声が上がります。
しかし、
- 「フランス人は〜」
- 「アメリカ人は〜」
というのはあくまで
「日本人から見た欧米人のファッション観」
を示しているに過ぎません。
逆に欧米人から見て
「日本人のファション」
はどう思われているのでしょうか?
今回は、「ブランド服」に対する考え方に焦点を当てます。
欧米の若者は「超高級ブランド」の服は着ない
まず、欧米人の「ブランド品」に対する考えとはどのようなものなのでしょうか。
実は、欧米では特に若い世代ほど「シャネル」や「ルイ・ヴィトン」のような有名な超高級ブランドの服やカバンは持っていません。
これは特に「公立学校」が学校教育の主流である国でよく見られる傾向です。「公立」の学校に通えば、色々な経済状況の友達が出来ます。そんな中で、よほどのお金持ちでなければ買えないような服を着て目立つことは決して良いこととは思われないようです。
小学校から高等教育まで、名門校がほとんど全て公立であるフランスなどの場合はこの傾向は特に顕著です。いくら高級ブランドの多くがフランス製だからといって、実際にシャネルで全身を包んでいるようなフランス人はScienes Poなど、富裕層の子弟が集まることで有名な学校でさえかなり珍しいようです。
欧米の富裕層はフォーマルな服を「ブランド」で固める
とはいえ、欧米人が全くブランド服を着ないわけではありません。特にある程度以上収入のある層であれば、結構な値段のするスーツを若い時から着ていたりします。
日本と違うのは、欧米の富裕層は比較的にカジュアルな服にはお金をかけないという点です。
その代わり、スーツなどのフォーマルな服にお金をかけるのです。そのせいか、イギリスやフランスのエリート家庭に育った有名大学の学生などの場合、日常的にスーツを着る人が結構います。
従って欧米人の富裕層からすると、日本のオシャレな若者のようにTシャツ一枚で20,000円以上するような高級カジュアルを好んで買うという行為はあまり普通のことではないようです。
カジュアルならカジュアルらしく安いものを、フォーマルな服はなるべく良いものを、というのが欧米流のようです。
欧米人から見た「日本のファッション」
では、欧米人から見て「日本のファッション」はどのように思われているのでしょうか?
前述の通り、欧米では富裕層はスーツなどのフォーマルな服装を日常的な場面でも好む傾向があり、その影響で
- 「カジュアル=ダサい」
- 「フォーマル=かっこいい」
という図式が成り立ってしまっています。
従って欧米の富裕層から見れば高級カジュアルを着こなす日本の「オシャレ」でさえ「カジュアル」というだけで既に一段低く見られ、「ダサい」と評価されてしまう可能性があります。
一方で、富裕層ではない「普通」の欧米人から見れば、日本の独特のカジュアル文化はとても魅力的に映るようです。
欧米のカジュアルな服というのはシンプルで味気ないものが普通です。実際日本のブランドのうち欧米市場で一般に人気があるのは
- 「ユニクロ」
- 「無印良品」(欧米ではMujiとして知られています)
など、比較的安価で「シンプルさ」を売りにしているカジュアルブランドです。
そのため、装飾が多くデザイナーの工夫がこらされている日本のカジュアルファッションは欧米人から見ればとても新鮮で、漫画やアニメと同様の文脈で「日本のポップカルチャー」の一部として肯定的に評価する向きもあるようです。
まとめ
ということで、日本人が欧米へ旅行する際には、普段のような「オシャレなカジュアル」よりも、大人しめのなるべくフォーマルな服装の方が高級感を出すことができるという意味で無難かもしれません。
とはいえ、それを承知の上で敢えてアニメのコスプレかと思われるほど派手なカジュアルファッションで日本文化をアピールしてみるのも面白いかなと思います。
欧米旅行のときのファッション、中途半端じゃダメってことだね。思いっきりフォーマルでいくか、思いっきり日本文化アピールしていくか、だね!!