11月生まれ 誕生石・パワーストーン

トパーズの色が消えていく!偽物?11月の誕生石の謎に迫る

Written by すずき大和

11月生まれのある女性が、何年か前に夫がプレゼントしてくれた誕生石の指輪が“偽物”だったと怒っています。

大きなトパーズをあしらったその指輪は、年々なんとなく色が薄くなっていき、数年後にはくすんだガラス玉のように色落ちしてしまったそうです。彼女がいうには、自分の母がもっていたトパーズは色落ちなどしなかったので、これは偽物に違いない!というわけです。

が、しかし、たぶんその指輪は、正真正銘、本物のトパーズだと思われます。

実は、トパーズには、

  • 放っておくと色がなくなっていくタイプ
  • 放っておいても色が変わらないタイプ

2種類あるのです。どちらも本物です。

宝石は鉱物なので、未来永劫変わらぬ美しさを保つ、とは限りません。トパーズは、その変色しやすい特徴のせいで、特に稀有な歴史を辿った宝石です。



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トパーズってどんな宝石?

インペリアルトパーズとその他のトパーズ

トパーズの最高級品は、ブラジルの一部の地域からだけ産出される

「インペリアルトパーズ(Imperial topaz)」

と呼ばれる石で、他のトバーズよりも色味が濃いのが特徴です。多くが、橙褐色から茶褐色の色彩を帯びて(「シェリー色」と呼ばれます)、透明な輝きを放っています。

インペリアルトパーズ


婚約指輪などにはこの高級品を使うことが多いので、トパーズというと、この色がポピュラーです。が、他にもピンク、紫、赤、青、白、黄、茶、無色などのトパーズが流通しています。

インペリアルトパーズ以外のトパーズは、色味が薄いだけでなく、

“光や温度の変化するところに放置しておくと、色がだんだん落ちていく”

という特徴があります。黄色や茶色は特に退色しやすいといわれます。長持ちさせるには、容器に入れてしまっておかないといけません。

色落ちタイプは、加熱や冷却、放射線照射などによっても、容易に色が変化します。ブルートパーズやピンクトパーズは、天然の色のものもありますが、多くが無色や褐色のトパーズを逆にわざと加熱や放射線で加工し、色をだしたものです。

ブルートパーズ


色の変化はなぜ起きる?

トパーズは、「ケイ酸塩鉱物」という鉱物です。

「水酸基(OH)」「フッ素(F)」

が成分として多く含まれていますが、インペリアルトパーズと他のトパーズでは、その割合が異なっています。

一般的なトパーズが、フッ素のほうを多く含むのに対し、インペリアルトパーズは、水酸基のほうが多いのです。(一部、水酸基タイプのピンクやブルートパーズもあります)

トバーズはもともと無色の鉱物であったのが、結晶構造がなんらかのゆがみを起こすことで色がついて見える、と考えられています。フッ素の多いトパーズは、温度変化や放射線の影響でゆがみやすく、水酸基が多いほうは、結晶のゆがみが起きにくいのかもしれません。

なぜなのか?は完全に解明されていません。確かなことは、インペリアルトパーズは、Imperial(皇帝)の名に相応しく、深みのある安定した色で恒久的に輝いている、ということです。

見た目の区別が難しかったトパーズ

トパーズという名の由来

トパーズの歴史は古く、紀元前3世紀、霧に包まれた紅海に浮かぶ「トパゾン島」で採れた宝石がエジプト王家に献上されていました。「トパーズ」の名前の由来はここにあります。以来、黄金色の宝石として広く世界中の人に愛されてきました。

・・・・と、いいたいところですが、実はトパゾン島ではトパーズは採れませんでした。採れたのはペリドットでした。エジプトで採れたペリドットとトパゾン島のペリドットは、色味がちょっと違ったので、別の宝石と認識されたようです。

色が不安定な石の不運

鉱物の科学的な成分分析などまだできなかった時代、宝石の区別は外見の違いと比重で判断されました。光や熱の刺激で異なる色になってしまうトパーズは、ひとつの同じ鉱物だと安定して認識されにくく、その時その場の見掛けで種類分けされました。

ヨーロッパではオリーブ色のペリドットと茶褐色のトバーズが、まとめて「トパーズ」と長い間呼ばれていました。それ以外の色のトパーズは、多くは、見た目のそっくりな別の宝石として認識されていました。

紫色のものはアメジスト、薄いブルーはアクアマリンと分類され、無色透明なものはダイヤモンドとして流通することもありました。

日本も実はトパーズ(黄玉)産出国でしたが、明治末期に西洋の鉱物学が伝わるまで、黄水晶(シトリン)と同一視されていました。ちなみに西洋では、両者は比重の違いで区別できましたが、トパーズのナンチャッテとしてシトリンが流通していました。

シトリン原石

シトリン


トパーズはいつトパーズに?

中世後半、ブラジル産のインペリアルトパーズがヨーロッパに渡り、橙褐色のトパーズが注目されるようになります。そして、18世紀にドイツで黄色いトパーズの原石が大量に産出されたのがきっかけで、ようやくオリーブ色の似た色味のペリドットとトパーズが明確に区別されるようになったといわれています。

古代から愛されてきた宝石として名が残るトパーズですが、本当にトパーズがトパーズとして愛されたわけではなく、数奇な運命を歩んできた、謎の多い宝石なのでした。

まさケロンのひとこと

いっそのこと色が変わるのを楽しむっていうのも面白そうな。
にしても、インペリアルトパーズかっこいいなぁ。。

masakeron-love


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。