4月生まれ 育児・子育て

4月生まれあるある/自分はできる子じゃない?『4年生の挫折』

Written by すずき大和

最近は、妊活する親たちの間で、「4月生まれの子」への羨望が強まっているようです

  • 早生まれは損。かわいそう
  • 4月生まれは得。何かと有利

と考え、わさわざ4月生まれを目指して妊活や出産日調整を行う親も増えています。

ネット内には、同じ生まれ月の人が集うコミュニティがいろいろ見られます。4月生まれの皆さんが集まって、「あるあるトーク」しているところなどを覗くと、他の生まれ月の人たちにない“あるある話”で盛り上がっている傾向がありました。

実際、私の周りにいた4月生まれの複数の知人にも聞いてみましたが、ほぼ全員「私も!」と同じ体験を語ってくれました。

親が望む“得”で“有利”な4月生まれは、当人たちから見ると、親の思っているようにはいいことばかりではなかったみたいです。



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成長の先頭を走る4月生まれ

1年違うと成長に差があるのは当然

親たちが早生まれを“かわいそう”と思う理由は、小さい時に見られる成長差を気にしてのことです。

幼少期には、月齢10か月以上の差は、体格、体力、運動能力、知力・・・などすべてにおいて、大きな発達差として現れます。

4月生まれの人たちの「あるある話」では、同じ学年の中で一番になった経験談は定番ネタです。

  • クラスで一番背が高かった
  • クラスで最初にうんていを渡れるようになった
  • 他の子より高い跳び箱が飛べた
  • かけっこすると一番速かった
  • 一番強くボールが投げられた
  • 掛け算九九覚えたのもクラスで一番
  • 漢字覚えるのも早かった
  • 教科書の文章や先生の説明もすんなり意味が理解できるのが普通だった

物事の対応力も4月生まれの子は凄い

3~6才くらいでは、記憶力や論理的思考能力だけでなく、そもそもの認知力も段階的に発達している途中です。

例えば、子供が自分以外の人の視点に立って物事を考えられるようになるのは、だいたい5歳くらいからです。3歳児では、そのことを目の前で見ていた自分にはわかるけれど、後から来た友達にはわかってない、みたいなことが理解できません。

幼少期は、4月生まれの子には認知できることが3月生まれの子にはまだ理解不能、という問題が常にあるわけです。

これらの発達差は、“思いやり”とか“責任感”など社会性の差にもなります。幼稚園や小学校低学年では、どうしたって4月生まれの子は他の子より“大人な対処”ができるので、自然とリーダー的な立場になりやすいです。

自信が更に能力を伸ばす

4月生まれの子は、からだが大きいだけで、まだ能力差が自覚できないうちから、他の子に物怖じせずに自己主張できる強さをまといやすいです。更に、何でも卒なく上手にこなして、大人に褒められたり、他の子から尊敬のまなざしを向けられる体験が重なっていくと、確固たる自信が付きます。

その自信が余裕となり、新たなことにチャレンジして、尚も自分を伸ばしていくことも多いです。また、先生からも信頼されて、学級委員などやらされた人も少なくありません。

4月生まれの会に参加したことのある人が、

「4月生まれが集まると必ず“我が世の春”みたいな幼少期を懐かしむ話題で盛り上がる」

という話をしてくれました。

「小さい頃、自分はとても優秀な人間だと思っていた」
「自分は何でもできる子だから、失敗しても何も気にしなかった」

なんていう人もいます。

4月生まれを苦しめる『4年生の挫折』

やがてやってくる「その時」

12か月の発達差より個人差の方が大きくなるのは、だいたい10歳以降、4年生くらいからです。3年生まで、さしたる努力をしなくても自然と人より優れた結果を出せた“我が世の春”を謳歌してきた4月生まれの子供たちが4年生になると、本当に努力したり天才だったりする子供に、どんどん抜かれるようになるのです。

運動能力は特に顕著で、跳び箱もかけっこも幅跳びも・・・別の子供たちに一気に追い抜かれる体験を、多くの4月生まれの子がしています。背の順の並び位置もどんどん前になっていきます。

体格で常に負ける分、技や作戦を磨く努力を小さい時からやり続けないといけなかった3月生まれの子などに比べると、頑張り方のノウハウやモチベーションは、どうしても低いので(クラスで一番ラクしてここまで来た、ともいえます)、この時期の4月生まれの形勢逆転ぶりは、それはそれはショックなものがあります。

大抵の子はここで初めて

「自分はできる子ではなかった」

ということに気付きます。

『4年生の挫折』とトラウマ

この4年生の体験について、

『4年生の挫折』
『4月生まれの凡人化現象』

などと呼ぶ人もいます。

これを機に、今まで無意識に見下していたクラスメートへの敬意や、努力の大切さに思いを馳せて頑張るようになる子もいます。

「何くそもう一度・・・」

と我が世の春復活を目指して、モチベーション上げていく子もいます。

ただ、中には、凡人の自分を受け入れることができなくて、挫折のトラウマから登校拒否になってしまったり、何事も投げやりな子になってしまったりする例もあります。

人生何が“損”“得”か、そんなもの、最後まで生き切ってみないとわかりません。

小さい時から劣等感を味わう経験をすることの多い早生まれの子供を、安易に「かわいそう」なんていっている人、そういうのもうやめましょうよ。

まさケロンのひとこと

挫折だって、みんなどこかで味わってると思うんだよね。結局は自分たち次第じゃないかな!細かいこと気にしないでがんばっていこ!

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。