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明晰夢/見たいように夢を本当にコントロールできるのか?

Written by すずき大和

テクノロジーの発展目覚ましい21世紀、人工知能(AI)やロボット工学がこのまま進むと、2045年には機械が人間の脳の能力を超える!なんて話も出ています。が、そもそも人間の脳の潜在能力について、今も100%解析できているわけではありません。

例えば、「夢」については、そのメカニズムや影響力、意味や意義など、まだまだわからないことがたくさんあります。

最近、ライフハック系のキュレーションサイトで、

『明晰夢(めいせきむ)』

というワードをよく目にします。何か見るととってもいいことがある夢らしく、

「明晰夢を見るためのホニャララ~」

的な記事がいろいろ見つかります。中には怪しげな疑似科学みたいな話もあります。サプリメントみたいな、商業主義のものではなさそうですが・・・あれ、何なんでしょう。



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夢だとわかって見ている夢

明晰夢とは?

簡単にいうと

「見ながら『これは夢だぞ』と気が付いたけれど、まだ覚めずに見続けている夢」

のことです。

人は夢を見ている時、ほとんどの場合、それが夢だとは自覚していません。

夢を夢だと自覚しながら見ていると、その夢を自分で見たいようにコントロールできるようになる、ともいわれています。実際に、好きなように組み立てた楽しい明晰夢を見た体験談も、いくつもあります。

なぜ明晰夢を見たがるのか?

見たいように夢が見られたら、夢の中で理想や幻想の世界をいくらでも思い描き、自分が気持ちよく活躍することができます。目覚めもさぞ爽快で、起きている間のストレスも解消され、リフレッシュした1日を迎えられることでしょう。

また、トラウマとなっている出来事を明晰夢の中でやり直すことで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に役立つ、という研究も進められています。

プロアスリートたちの間でも、イメージトレーニングに明晰夢は効果的である、といわれています。

これらの効能が着目され、意図的に明晰夢を見るための方法について、あれこれと取り沙汰されることが多いのです。

夢のメカニズムはまだまだ謎

夢とはそもそも何?

人の脳は、眠っている間に、思考や意識を司る「前頭葉」と記憶を収納する「海馬」の間で、情報(記憶)の整理を行っています。その過程で「夢」が発生すると考えられています。

情報整理中に、何かのきっかけで前頭葉が半分覚醒することがあります。この状態で見る夢が明晰夢です。脳が半分起きている状態なので、意図的に夢をコントロールできるのです。

明晰夢を確実に制御する方法はない

明晰夢は睡眠時に誰にでも起きる生理現象です。しかし、見たい時に見られるわけではありません。

中には、明晰夢を見やすいタイプの人というのがいて、そういう人の体験などから、「これは夢だ」と気付きやすくなるための、いくつかの手段が導き出されています。ライフハック情報の「明晰夢を見るための方法」は、多くがそういう“傾向と対策”アドバイスです。

よくいわれる訓練(?)方法は、

  • 夢を見たらすぐメモして記録する
  • 起きている時から、常に「これは夢か・現実か?」と確認する癖をつける
  • 寝る前に、どんな夢が見たいか強く念じるようにする

などを習慣化していくと、夢を覚えている頻度が上がり、夢を忘れにくい人ほど夢であることにも気付きやすくなるのだそうです。

科学的アプローチ

夢を忘れにくくする効果が得られる科学的な研究も数多く行われています。

最近では、オーストラリアのアデレード大学の研究者が、2018年の春に、

「寝る前にビタミンB6を接種すると、夢を覚えている確率が上がる」

という実験結果を発表しました。

ビタミンB6が、明晰夢を見ること・夢をコントロールできるようになることへの一助になるかもしれない、と、発表者の博士は話しています。

また、過去には、ドイツのフランクフルト大学の研究チームが、

「脳の前頭部に微弱な電流を流すことによって、明晰夢を見る確率が上がる」

という実験結果を発表したこともありました。この時は、寝る時に装着する微弱な電流を流すアイマスクやヘッドバンドを商品化した企業もありました。

しかし、どちらの研究もまだ実験の結果にいくらかの傾向が見られただけで、メカニズムは完全には解き明かされていません。また、その後の調査結果も、まだ効能を十分証明できるほどのデータ量にはなっていません。

明晰夢は危険な反面もある

悪夢の明晰夢は心身に悪影響

明晰夢はすべて自分でコントロールできるかのごとく書いてあるライフハック記事も見かけますが、夢と気付きながら止められない場合も多々あります。特に、何かに追い詰められるなど、恐怖体験の悪夢は、「夢なら覚めて」と願いつつも抜け出せないことが多いです。

脳が半分起きた状態なので、明晰夢の体験は忘れにくく、起きた時に本当に体験したかのようなショックを残すことが多いです。一時的な精神不安や体調不良だけでなく、悪夢がトラウマになって、睡眠障害につながる場合もあります。

慢性化することで、精神が蝕まれていくこともあり得ます。

安易に真似してはダメ

また、ビタミンB6や電流ヘッドバンドも、その長期的な安全性についてはまだまだ検証途中です。

明晰夢はメリットばかりとは限りません。気軽にハウツーを煽る記事に乗せられて、安易にのめり込まないように注意してください。

まさケロンのひとこと

好きな夢をみることができたら幸せいっぱいで一日がんばれるようになる人もいるんじゃないのかな~とか思ったり。夢のコントロールもいずれは…!!がんばれ人間!

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。