6月、夏の日差しが日に日に強くなる頃です。
春に花が咲いた樹木の果実の収穫が始まっています。
早春一番に花開く梅も、青い大きな実がたわわに枝についてきました。
梅は中国より伝わりましたが、古来よりその効能が知られ、
漢方薬や薬膳に使われてきました。
科学が発達するにつれ、そのメカニズムが次々解き明かされていくと、改めてその健康増進作用をもたらす成分の豊富さに驚かされます。
クエン酸パワーで疲労物質もばい菌もさようなら
代謝を促進し、乳酸を溜めないからだにする
クエン酸は体内で食べ物を分解しエネルギーを生み出す代謝作用を高めます。
代謝を盛んにすることで、疲労物質(乳酸)が溜めこまれず排泄されていきます。
血液内の乳酸が代謝されることで、全身の疲労回復だけでなく
- 肩こりや血圧上昇の防止
- 腎臓や肝臓の働きを助ける効果
もあります。
殺菌・抗菌・消炎作用で三毒を断つ
梅にはクエン酸の他にも
- リンゴ酸
- カテキン酸
- コハク酸
などいくつもの酸が含まれます。
これらの酸は総じて殺菌・抗菌効果に優れ、昔の人は、梅は
とか
などと言いました。
今でも食中毒防止にお弁当に梅干しを入れたりしますね。
炎症を鎮める効果もあり、軽度の火傷や切り傷の消毒や、虫刺されの応急手当て、水虫やおできなどの皮膚病の治療にも梅肉エキスや梅酢は効果的です。
口内雑菌もやっつけるので、毎日食べると口臭予防にもなります。
カルシウムの吸収率アップでイライラ解消
日本人は慢性的にカルシウム不足と言われます。
クエン酸はカルシウムの吸収を助ける働きもあります。
梅自身にも
- カルシウム
- カリウム
- マグネシウム
- 鉄分
など、アルカリ性ミネラルがバランスよく含まれており、これらの作用で血液を弱アルカリ性に保つことで、精神を落ち着かせ、ストレスや睡眠障害の軽減効果にも繋がります。
高い抗酸化機能により、老化や病気を防ぐ
体内で発生する活性酸素は老化や癌などの原因になります。
活性酸素を
無害化=抗酸化作用
を促す酵素は、元来人間の体の中にあるものですが、化学物質や紫外線にさらされることの多い現代人は、活性酸素を溜めやすくなっています。
梅に含まれるポリフェノールには、高い抗酸化作用があります。
梅を摂ることで、アンチエイジングを図れます。
胃腸の働きを整え、様々な効能を発揮
梅は唾液の分泌を促し、食欲増進するだけでなく、胃腸のさまざまなトラブルを解決する働きがあります。
代謝を良くして抗酸化作用が進むと、胃酸の分泌や胃の動きが整えられます。
胃酸過多・過小で起きる胸やけ胃炎を解消し、胃潰瘍の予防にもなります。
肝臓で作られる胆汁酸とクエン酸の相乗効果により腸内の抗菌作用はさらにパワーアップされるので、悪玉菌を押さえ、炎症を鎮め、下痢を止めます。
整腸作用により便秘も予防します。
また果肉に含まれるシリンガレシノールという成分は、胃腸のトラブルの元ピロリ菌の活動を抑制することがわかっています。
次々発見される新たな効能
動脈硬化予防には焼き梅干し
梅を加熱すると、含まれる糖とクエン酸が結合し
ムメフラール
という成分が生れます。
これには血液をサラサラにする効果があることが証明されています。
また、血圧を上げて動脈硬化を引き起こす原因として、アンギオテンシンⅡというホルモンが関係していますが、梅干しはこのホルモンの活性化を80~90%抑えられることが確認されています。
糖尿病の改善にも役立つ梅
最近、梅を食べると脂肪細胞から分泌されるアディボネクチンというホルモンが増加することがわかってきました。
このホルモンはインシュリン感受性を高め、血糖値を下げます。
梅には他にも
- カロチン
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンC
などが含まれています。
酸の成分のひとつピクリン酸はクエン酸との相乗効果により、乗り物酔いや二日酔いの症状を軽減してくれます。
常用することで、美容と健康を促進するだけでなく、食あたりなどの緊急時の応急薬として、予想以上のパワーを発揮してくれる食品です。
塩分の少ない梅干しや、使いやすい梅肉エキス、梅酢などの商品も最近はいろいろ出回っています。
ぜひ家族の危機管理のためにも、梅肉や梅干しをひと瓶常備されてはいかがでしょう。
梅干しってめちゃくちゃ凄い食べ物やってんな!
まさケロンもこれから梅干し毎日食べよぉ~