7月に入り、早くも9日が過ぎました。
後、2週間もしないうちに
海の日
がやってきます。
「海の日」の祝日が7月20日と決まった時
と喜んだ子どもはたくさんいたことでしょう。
ハッピーマンデーになってからは、たまにくる21日が海の日の年は、なんだか損した気分になっているかもしれません。
海の日って何する日?
戦時中に決められた「海の記念日」
これは世界の主要国の中ではトップクラスの日数です。
こんなにたくさん祝日があるのは、政治の都合が大きく、日本人の長すぎる労働時間の緩和とそれに伴う経済の活性化のために、ここ30年くらいの間に法定休日をどんどん増やしていったためです。
また、特定の業界団体が政治家に働きかけて
記念日の祝日化
を図る傾向も見られます。
海の日は
勢力の働きかけで生まれた祝日です。
元は昭和16年に定められていた海の記念日でした。
昭和の貿易を切り開いた大臣と海の記念日
「海の記念日」は、戦時中、海運の戦時体制確立を図った海運自治連盟の理事長であり、商船三井(当時の大阪商船)社長だった
村田省蔵さん
が、後に内閣大臣になった時に提唱して定められました。
7月20日は、明治9年
村田さんは戦後も日本国際貿易促進協会の初代会長となって、周恩来さんと会談して日中貿易協定に調印するなど、貿易外交に尽力した戦後の貿易の父みたいな人です。
彼の没後2年して、船舶や貿易などの海事関係団体が集まって、海の記念日を祝日化する運動が始まりました。
その後、歴代の運輸大臣の後押しがあったり、海の旬間を設けたり、海の祭典を毎年開催したりなど、官民による長年のキャンペーンが功を奏して、1996年より祝日となりました。
海の日の目的
現在の法定休日は、戦後の法律
国民の祝日に関する法律
で決められています。
それによると、海の日とは“海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う”日だそうです。
海洋国とは、単に海に囲まれた国のことではなく、
中世以降
- ポルトガル
- スペイン
- オランダ
- イギリス
などが、次々と世界に名だたる海洋帝国になっていきました。
近代の大日本帝国も一時アジア圏の海洋帝国でした。
戦後復興した日本も、1980年頃までは、世界の貿易港の取扱量ランキングで、神戸や横浜が上位に位置していました。
祝日化運動を進めた人たちの多くが、そういう貿易大国日本を誇らしく思い、その繁栄を本気で祝いたい気持ちだったのだと思います。
海洋国日本の繁栄を願う、ってどうすればいい?
海洋国家日本の今の状況
世界の海上輸送量は、ここ30年で5倍、6倍に膨れ上がりました。
中国を始めアジア国家の経済発展と貿易量の増加が著しく、世界で最も取扱量が多かった港の年間総取扱量の最大は、1980年のニューヨークと2012年の上海では、数字が実に16倍になっています。
2012年東京港の取扱量は、1980年の神戸港(当時世界4位)の3倍ありますが、それでも世界ランキングでは29位という後退ぶりです。
貿易量が増え、輸送船がどんどん大型化しましたが、港の大型船対応などの近代化整備を進める施策を怠った日本は、アジア圏のハブ港の役割を担える港がなく、アジア貿易の玄関の立場は、韓国や中国にあっという間に奪われ、今や船員や港で働く日本人も激減しているそうです。
現在の日本は海洋大国と呼ぶにはとても貧弱な状況です。
で、何をすればいいのだろう
ということで、現在の海の日は、業界団体さんがかつての海洋国日本復活を目指して、何やら気運を高める啓発イベントなど行う日となっています。
が、一般国民としては、結局
くらいの受け止めしかできない感じです。
景気回復に繋がるなら、海洋国としての繁栄は大いに願いたいですが
よくわかりません。
ちなみに、海の記念日が祝日になっているのは世界で日本だけです。
諸外国の祝日を見ると、宗教や民族の伝統行事とか、歴史的に大きな意味のある日だとか、社会に大きな功績を遺した人の記念日だとか、もともと人々が自発的に祝ったり記念したりする物事がありました。
それが祝日になっているものが多いのに、日本の祝日は
と聞かれても国民が答えられない日が多いですね。
ところで、山の日って何する祝日?
海の日って、日本だけの祝日やねんなぁ~
外国の人に、「この祝日の意味って何?」って聞かれた時にちゃんと答えれるようにしとかんとアカンな!