子どもたちも夏休みに入り、いよいよ猛暑も本格化してくる時季です。
暑いからだを冷やし、汗で流れたミネラルを補給できる、夏の定番飲み物といえば
麦茶
です。
昔の人は麦を炒って、煮出して作っていましたが、最近はすっかりお手軽水出しパックが、家庭でのシェアの大半を占めています。
容器に水とパックさえ入れておけば、子どもでも手軽につくれます。
が、バックをずっと入れっぱなしにしておいたり、出す時にぎゅっと絞ってしまったりすると、苦くてまずい成分がたくさん溶けだして、あんまり美味しくない麦茶になってしまいます。
逆に、ちょっとの手間を加えるだけでいつもの麦茶がずっと美味しくもなるって、知っていましたか?
美味しい麦茶とは、美味しいところだけ抽出した麦茶
麦茶の美味しさはコーヒーに似ている
麦茶は、炒った大麦を沸騰させないお湯で煮だした飲み物です。
麦茶と言っていますが、お茶の葉は全く入っていません。
作り方だけ見ると、まさに麦で作るコーヒーみたいなものです。
だから美味しさの秘訣もコーヒーに似ています。
コーヒーの旨味や香ばしい香りは、豆を焙煎することで生まれています。
麦茶も炒って生じたおこげのような部分の美味しさと香りを味わっています。
おこげには美味しい成分と美味しくない成分がある
焙煎したおこげの成分は、まろやかな旨味を出すものと、苦い雑味を出すものに大別されます。
旨味のほうが溶けだしやすく、雑味のほうが出てきにくい性質があるので、旨味だけ上手に出して、雑味が出てこないように煎れると美味しく飲むことができます。
やかんで煮出していた麦茶は、炒ったままの麦をそのままゆっくり煮出していました。
麦の粒はそれ自体がフィルターのようになっているので、じっくり煮出すと旨味だけが出てきて、雑味がでてこないので、やかんで煮出す麦茶はとても美味しかったのです。
紙パックの麦茶は雑味をいかに出さずに作るかが大事
砕いた麦からは簡単に雑味が出てきてしまう
紙パックの水出し麦茶は、麦を砕いて粉にしたものが入っています。
粗挽きのコーヒーと同じです。
挽いたコーヒーをグツグツ煮出してしまったら、苦味やエグ味が出て飲めません。
粉にした麦茶も、粒の時より簡単に雑味が出てくるため、パックを長時間入れっぱなしにしたり、絞ったりすると、苦い麦茶ができるのです。
煮出しても雑味が旨味と同じようにどんどん出てきてしまうので、粒のまま麦茶のようにパックごと煎じると、やはりまずくなります。
が、少しでも雑味を減らすコツです。
雑味を出てきにくく、旨味を出てきやすく
そうは言っても、砕いた麦茶からは、水出しでもやはり、雑味は多少溶け出してきます。
これを少しでも抑えるため、雑味と旨味の溶けだす時間差を大きくする工夫をします。
まず、紙パックを少量のお湯につけて1~2分だけ蒸らすようにします。
お湯をかけると粉がちょっと膨らんだ感じになります。
フィルターにいれたコーヒーにお湯をかけて煎れる時と同じです。
あれは、砕かれた粒の繊維が膨らんで、砕かれる前のフィルター機能を一部復活した状態になっています。
フィルター機能によって、雑味は出てきにくく、旨味は出てきやすくなるのです。
雑味が出てきにくくなったところで水出しにする
すると、水だけの時より旨味が早く出きります。
色の濃さ具合を見て、もう出たなと思ったらサッとパックを出してしまいましょう。
いつもより短時間で、いつもより雑味の少ない、やかんで煮出した昔の味わいに近い麦茶ができあがります。
いかがですか?
そんなに面倒臭くはないでしょう?
ちょっとだけお湯を沸かすのは手間に思えますが、その分、いつもより早く出来上がりますから、消費量の多い季節にどんどん次を作って冷蔵庫で冷やしていくには、都合のいい作り方です。
早くて美味しいのですから、これはオススメな方法です。
騙されたと思って、あなたのおうちでも、ぜひ1度お試しください。
美味しい麦茶を作るのって結構難しいねんで!
でも、この方法やったらお手軽に美味しい麦茶が作れるなぁ~