八百屋の店先を見ると、最近はどんな野菜も通年で売っています。
季節感がそれほどはっきりとは表れていませんが、それでも、冬野菜がだんだん旬の時期に入ってきていることがわかります。
ハウスものや輸入ものが多かったものが、ここへきて露地ものが一気に出回ってきていますね。
泥つきのレンコンが積まれているのもよく見かけるようになりました。
お正月のおせちには欠かせないレンコンは、これからますます美味しくなっていきます。
レンコンは地下茎が肥大化した栄養貯蔵庫
蓮の根と書きますが、実は地下茎です
漢字で書くと蓮の根っこですが、みんなが食べているレンコンは、実は根じゃありません。
地下茎という茎が膨らんだものです。
根菜の中には、他にもこの地下茎が膨らんだものがいくつかあります。ジャガイモやサトイモなどのイモ類は、サツマイモ以外は、やはり地下茎です。
地下茎は土の中の茎ですが、根と地下茎の区別はなかなか難しいです。根っこには、側根と呼ばれるヒゲみたいなものがあるそうです。
良く見ると、サツマイモや人参、ゴボウにはヒゲがありますが、ジャガイモやレンコンの表面は、泥はついているもののヒゲはなく、洗うとツルツルです。
レンコンの穴は酸素を運ぶ通気孔
地下茎と根の違いは、その役割の違いでもあります。
根は地中の養分や水分を吸い上げるのが主な役目ですが、茎は根が取り込んだ養分や水分を葉や花、実に運ぶ通路です。
栄養分を貯蓄しておくために地下茎も根も途中を肥大化させることがあります。野菜として食べているのはその肥大化した根や地下茎です。
レンコンに穴がたくさん開いているのは、葉が吸収した酸素(空気)を根まで運ぶためです。
レンコンの茎や根は水の中、泥の中にあるので直接空気に触れることができませんから、茎の中の太いパイプで運んでいるわけです。
根から葉に養分を運び、葉から根に酸素を運ぶ通路が肥大化したのがレンコンです。
効能の幅広さが注目される野菜
縁起物のレンコンには、身体を守ってくれる働きがいっぱい
レンコンは穴が沢山開いていることから、
「先の見通しが良い」
と縁起を担いで慶事の料理に出されることが多いです。
その縁起のいいレンコンは、身体にもいい栄養がたくさん詰まっており、最近その効能について改めて注目が集まってきています。
みかんよりも多いビタミンC
レンコンは、生だとみかんよりもビタミンCが多く含まれています。
でんぷんも沢山含まれており、加熱するとこのでんぷんが、ビタミンCが熱で破壊されるのを防ぐ働きをしてくれるため、調理後もビタミンCが沢山残っています。
ビタミンCは白血球の働きを強め、ウィルスが入ってきた時の攻撃力を高めます。
また、皮膚や軟骨のコラーゲンを作るのに必要な栄養素であり、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの材料にもなります。
これらビタミンCの働きにより、レンコンは、疲労回復、風邪予防、がんの予防、肌のアンチエイジングなどの老化防止に効果があります。
ムチンとポリフェノールと食物繊維で胃腸の健康を保つ
レンコンが糸をひくぬめりの成分の素は「ムチン」と言われる物質です。
ムチンには胃腸の粘膜を強くする作用があります。
またタンパク質の分解を進める効果もあります。
レンコンを切っておいておくと、切り口が黒ずみますが、これは「タンニン」というポリフェノールの一種が含まれるせいです。タンニンには炎症を押さえ止血する作用があります。
ムチンとタンニンのダブル効果により、胃壁を守り、潰瘍の症状を押さえ、胃もたれ防止など胃腸の働きを助け保護してくれます。食物繊維も豊富に含まれるため、更にその働きを整え、便秘改善までしてくれます。
カリウム効果で高血圧を防ぐ
ミネラルでは、
カリウムの含有量が際立って豊富
です。
カリウムは取り過ぎた塩分や老廃物の排出を促進するため、高血圧を防止し、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防にもなります。
むくみの改善にも効果的です。カリウムにはまた、筋肉の収縮をスムーズにする働きがあるため、不整脈やこむらがえりなどの防止にもなります。
花粉症や喘息にもレンコンが効く
最近特に注目されているのは、レンコンのポリフェノールには、花粉症の症状を改善する効果があることが認められたことです。
アレルギーの抑制や免疫力のアップにも効果的のようで、咳や喘息を和らげる作用もあると言われています。
花粉症や喘息の人は、一日40gほど(二切れくらい)のレンコンを毎日続けて食べていると、症状がだんだん軽くなってくるそうです。
急場の咳止めには、皮ごとすりおろしたしぼり汁をのどに落とすといいそうです。
数滴鼻腔に落としておくと、鼻の通りも良くなるそうで、二日酔いの吐き気防止にもこのしぼり汁は効くと言われます。
美容と健康のため、常備菜としてレンコンを
レンコン+酢で胃腸の働きを活性化
これだけ効能豊富なレンコンなので、ぜひいろいろ工夫して毎日の食卓に取り入れると良さそうです。
食べ過ぎ飲み過ぎになりがちな人は、酢漬けのレンコンを常備しておくと、胃腸を保護しながら、停滞している働きを活性化させるのに役立ちます。
他にも、きんぴらやレンコンチップス、筑前煮・・・などなど、炒めものにも天ぷらにもレンコンは重宝して美味しいです。
毎日少しずつ食べ続けましょう
茹でて冷凍すると保存も利きます。
生のままなら、節ごとに切って濡れた新聞紙などにくるみ、ビニール袋などに入れてから冷蔵庫にいれて保存すると長持ちします。水の中で育つ野菜ですから、乾燥させないように気をつけてください。
いつも冷蔵庫にレンコンを常備して、毎日少しずついろいろな調理の仕方でいただきましょう。
食感や香りが苦手な人もいますが、すりおろして小麦粉や米粉とこねるレンコン団子にすると、食べやすくなります。
ひき肉や野菜も沢山入れて、つみれやハンバーグのような感じで食べましょう。
いかがですか。レンコンの効能の幅広さ、馬鹿にできませんね。
これから春先までの寒い時季、旬の期間が続きます。良かったら、あなたのおうちでもぜひ、レンコンレシピの健康法お試しください。
レンコンは頻繁に胃がもたれるまさケロンにはぴったりなんだね~!