- 熱がないのに風邪のような症状に悩まされていませんか?
- もしくは、花粉症なのに、他の人と比べて症状が違う。
そんなあなたは、「寒暖差アレルギー」かもしれません。
知名度がまだ低い寒暖差アレルギー
筆者自身が耳鼻咽喉科で
「寒暖差アレルギーだね。」
と診断されたとき、お医者さまが何を言っているか、わかりませんでした。
筆者は昨年の秋から何度も扁桃腺が腫れ、耳鼻咽喉科に行きました。その時、気になることがありました。扁桃腺が腫れ、熱っぽくてぼんやりしているのに、体は元気なのです。風邪をひいて高熱を出したときの、どう寝返りをうってもつらい、息をするのも苦しい、ウィルスに感染したときに起こる、あの風邪の独特の症状と違いました。
その時は扁桃腺の腫れをおさえる抗生物質をもらい、一週間ほど寝込みますが、しばらくすると回復しました。しかし、一カ月もしない内に同じ症状が起こり、再び耳鼻科のお世話になった時に「あなたは寒暖差アレルギーだね。」と言われ、初めて寒暖差アレルギーという言葉を耳にしました。
寒暖差アレルギーとは?
激しい寒暖差は、あなたが思っている以上に体に大きく影響します。
【原因その1】気温差に弱い鼻の粘膜
鼻の粘膜は鼻から入った空気をあたため、適度な湿気をあたえ、肺に送り込むのがその役目です。大きな気温差で、鼻の粘膜の血管が刺激され、広がります。血管が広がると鼻の粘膜が浮腫み、フィルターとして役割を十分果たすことができず、血管運動性鼻炎を起こします。
【原因その2】自律神経も気温差に弱い。
自律神経は、寒いときには体の熱をキープし、気温が高くなると、汗をかくなどして、体温を発散させます。その自律神経が順調にはたらく気温差7℃までといわれています。
寒暖差アレルギーの特徴
自覚症状が「風邪」や「花粉症」とよく似ています。そのため、自己判断で誤った対処法をし、症状が改善されないことが多いようです。具体的に言うと、風邪ではないのに風邪薬を飲んだり、花粉症でもないのに、花粉症の薬を飲んだりです。ですが、風邪、花粉症とは違った症状もあります。
風邪との見分け方
1.熱がでない。
せきが出る、喉や扁桃腺が腫れている。扁桃腺の腫れのせいで熱っぽい。なのに、体温計で熱を計ると平熱、そんな場合は寒暖差アレルギーの可能性がありませす。
2.気温差がスイッチ
筆者の場合は、就寝時に暖房を切ってベッドに入り、だんだんと部屋の気温が下がってくると、せきが止まらなくなったり、寒い屋外に出ると頭痛がしたり、熱っぽくなります。
3.鼻水が透明でサラサラ
鼻風邪の場合、黄色っぽく、ねばねばした鼻水が出ます。寒暖差アレルギーの場合は、無色透明のさらさらの鼻水が出ます。ただし、花粉症の場合も同じですので、次の「花粉症との見分け方」も参照してください。
花粉症との見分け方
1.目の炎症と充血
花粉症の目の炎症と充血は、 目の粘膜に花粉が付き、起こるアレルギー反応です。目の炎症と充血はないのに、鼻水やくしゃみが出る場合は、寒暖差アレルギーかもしれません。
アレルギーの原因物質の検査
アレルギーと名前はついていますが、寒暖差アレルギーにはアレルゲンはありません。病院で血液検査やスクラッチテストなどのアレルギーのテストを受け、花粉やその他のアレルギーがない場合、寒暖差アレルギーかもしれません。
たかがくしゃみ鼻水といっても、寒暖差アレルギーよりも深刻なケースもあります。自己診断はせず、まずは耳鼻咽喉科に行き、診察を受けましょう。
寒暖差アレルギーの対処法
とにかく、マスク!
冷たい空気が鼻の粘膜を刺激するなら、それをシャットアウトしなくてはいけません。
以前、
「風邪にはマスク!効果はちゃんとあります!マスクを使った風邪予防!」
という記事にも書きましたが、マスクは自分のはく息で高温多湿な環境を作り、鼻の粘膜を守ります。また、冷たい空気が肺に入るのを防止してくれて、自律神経のはたらきも助けます。
寒暖差をなくす服装を
寒いのに薄着は論外ですが、かと言って着こみすぎてもいけません。汗をかいて体が冷えると、症状を悪化させます。天気予報をチェックし、1日の気温差が大きい日は上着を持っていく、小まめに脱ぎ着をして調節する、などして予防しましょう。
自律神経を整える
- 日光を浴びる
- 十分な睡眠をとる
- 腹式呼吸
- 水を飲む
- 適度な運動
- ストレッチ
- ヨガ
などがいいですね。自律神経の乱れは日常生活の乱れでもあります。生活習慣を見なおして、無理せずに続けられることから始めてみてください。
寒暖差アレルギーについて、ご理解いただけましたか?
筆者はこれらの症状のせいで、病院をたらい回しにされ、いろいろな検査をされても原因がわからず、
「熱がないからあなたは病気じゃない。」
と診断されて、つらい思いをしました。
今ではマスクを着け、寝ている間も部屋の温度が下がらないように工夫しただけで、症状が出にくくなりました。もし、同じような症状で悩まれているかたは、耳鼻科に行って相談してみてください。
寒暖差アレルギーなんて初めて聞いた!花粉症と勘違いしてる人、案外多そうだよね。