暖冬は花粉の飛散終了時期の関係は?
暖冬は花粉の飛散終了時期にどのように影響するのでしょうか?
よく言われているのは、
「暖冬で暖かい日が続くと、花粉の飛散の時期も早まる」
です。おおかたの予想の通り、暖冬だと花粉の飛散の時期が早まるのは確かです。かといって、それは全国的にそうなるわけではなく、地域ごとの気象の違いなどで花粉飛散の開始と終了の早い、遅いが決まってきます。
暖冬だからと言って、今年は花粉が早い、飛散が終わるのが早いと決め付けるのではなく、地域ごとの情報をきちんと確かめることが大切です。
暖冬だけで、その年の飛散時期を決められない理由
花粉を飛散させるのはスギの雄花
スギは「雌雄異花(しゆういか)」といって、一つの花にめしべだけのがある雌花(めばな)と、おしべのみの雄花(おばな)を咲かせます。雄花が花粉を飛散させ、雌花が受粉します。もちろんスギの木も花粉を飛散させているのは雄花です。
雄花が休眠から覚めさせるのは?
雄花は冬の間休眠しています。休眠から目覚めさせ、花粉を飛散させるきっかけになるのは、1月の下旬から2月にかけての「厳しい寒さ」です。寒さで休眠状態だったスギの雄花が目覚め、それをきっかけに花粉を飛ばし始めます。
その冬が暖かかったとしても、花粉が飛散させる時期が暖かいと、休眠から目覚めず、雄花は花粉を飛ばしません。その結果、花粉の飛散時期が遅くなります。
仮に暖冬だとして、雄花が休眠から覚めるタイミングで寒波が来たとしましょう。そうすると、花粉の飛散はだいたい例年通りになるのです。
花粉の飛散時期が早くなれば、飛散終了時期は早くなるの?
これも、一概には言えません。花粉の飛散量や終了時期は複雑な要因が重なって決まります。暖冬以外にも、
- 前年の夏の気候
- その他の気象条件
- 地形
が、複雑にからみ合ってくるからです。
前年の夏の気候
飛散する花粉の量が決まるのは、暖冬かどうかではありません。例えば、
「花粉が飛ぶ前の夏が冷夏だった」
などです。気温が低いと、スギの雄花は花粉をたくさん作ることができません。
その他の気象条件
- 雨が多くて日照時間が不足して雄花が十分に成長できなかった
- 台風で木がダメージを受けていた
といった場合も同じです。雄花が少なかったり、元気でないと花粉をたくさん作ることはできません。
上に挙げた例ですと、花粉の飛散が早かったり遅かったりしても、その年は花粉の量が少なくて比較的過ごしやすくなります。
地形
よく例に挙げられるのが「大阪」と「東京」です。日本の2大都市ですが、これらの地域は花粉の飛散時期が1カ月違います。原因は、その地形にあります。日本の気流は西から東へと流れています。天気が西から東へ移っていくのも、そのためです。
つまり、「花粉は風にのって、西から流れてくる」のです。西側が大阪湾の大阪と、西側が山梨や長野など、スギがたくさん生えてる山々が連なる東京では、どちらがたくさん花粉が飛んでくるのか、説明するまでもないですよね。
このように、花粉の量は悲惨終了時期は、単に暖冬だからと言うだけではなく、前の年の夏の気温や日照時間、地形などが複雑にからみあって決まることがおわかりいただけたかと思います。素人が判断するまでもなく、天気予報や、たくさんの花粉飛散に関する情報サイトがありますよね。
「今年は暖冬だから花粉の飛散は早く終わるはず!」
と、自分で判断して外れると、やっぱりがっかりしてしまうのではないでしょうか?暖冬だと、花粉飛散終了時期が早まる、というのは間違いではありませんが、あまり、盲信しすぎないようにしましょう。
これは同じ日本でも「花粉の飛びにくい地域がある」っていう伏線かな?