根拠のないもの
迷信とデマ
「夜に爪を切ると、親の死目に会えない」
「夜にクモをみると、悪いことが起きる」
これらはすべて迷信です。迷信とは
のこと。
だいたい、
「○○をすると××になる」
というパターンになっていて、子供のころに親から言われることが多いですよね。
筆者も子供のころ、なかなか寝ないでいたときに
「夜更かししていると、人さらいがやってくる」
と脅かされ、本気で怖くなってしまい、余計に寝られなくなってしまったという思い出があります。
現在では、誰でも簡単に情報にアクセスし、真偽を確認できるので、迷信の効力もだいぶ薄れてきました。とはいえ情報に気軽に触れることができるのも考えものです。
おびただしい数の情報の中には根拠のないもの、デマが数多く含まれているからです。そこで今回はデマを見分けることができないか、考えてみたいと思いますが、もう少しだけ「迷信」を見ていきましょう。
「夜に口笛を吹くとお化けがやってくる」
これも筆者が子供のころに信じられていた迷信です。
夜に口笛を吹くと、うるさくて近所迷惑になることを戒めるためにつくられた迷信のような気がします。
一種のしつけのようなものでしょうか。「口笛はやめなさい」と言うよりも「お化けが出るぞ」といった方が効果てきめんだったにちがいありません。
「食べてすぐ横になると牛になる」
これもよく知られた迷信です。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
もちろん、本当に牛になるわけがありません。行儀の悪さを戒めるための迷信といえます。ちなみに食後に横になることは、身体のためには良いことだとする専門家もいます。
身体を休めることで胃に負担がかからず、スムーズな消化ができるとのこと。ただし、眠ってしまうのは好ましくないそうです。
やさしい嘘
思いやりと「あおり」
迷信とは「やさしい嘘」だといえるのではないでしょうか。
冒頭に紹介した「夜爪を切ると、親の死目に会えない」ですが、想像するに、昔は照明が発達していなかったため、夜に爪切りのような細かい作業をすると、ケガをする危険があったから生まれたと考えられます。
親の死目に会えないという部分は全く根拠がなく、いってみれば「嘘」です。嘘を肯定するわけではありませんが、この場合は相手を思いやるための「嘘」といえます。
海外では「双子は不吉」という迷信が信じられていた時代があったそうです。それが原因で痛ましい事件も起きたことでしょう。
どうしてこんな迷信が生まれたのか分かりませんが、「やさしい嘘ではない」ことだけは確かです。
不安をあおって間違った方向に導いています。もう迷信ではなく、デマです。
情報との付き合い方
情報は諸刃の剣です。人の命を救うこともあれば、奪うこともありえます。
自分に悪意などなくても、悪意のある情報を信じて行動すれば、状況によっては加害者になってしまいます。
どうすれば悪意のある情報を見破ることができるのでしょうか。
まずは疑うことだと思います。何も信じるな、ということではありません。鵜呑みにしないで、一度好奇心というフィルターに通してみるのです。
例えば「双子は不吉」に対して、なぜ不吉なのかを調べてみる。宗教的な意味なのかもしれない、あるいは、この時代、まだまだ裕福な家庭は少なくて、子供が同時に二人も生まれたら、経済的な負担が大きくなることを表していたのかもしれません。
さらに、その情報に対して自分はどのような態度をとるかです。
日々発信されていく膨大な数の情報をすべて妄信していたら、自分がなくなってしまいます。ブレない自分をつくるために、いったんネットから離れてみるのもいいかもしれません。紙の本を読んだり、新聞を読むのもお勧めです。
情報に対してしっかりとした態度をとることができれば、有益な情報が自然と集まってくるようになるかもしれません。
なんでそうなの?って一度落ち着いて自分の考えをまとめてみるのって大事だよね。