食の豆知識

ソラマメの栄養価!世界で愛されてきたバランス食品

Written by すずき大和

東京両国国技館では、大相撲の夏場所(五月場所)が間もなく千秋楽を迎えようとしています。

江戸時代、お江戸に夏の到来を知らせる風物詩として

目に青葉 山ほととぎす 初鰹

なんて句がありました。

初ものに目の色を変える江戸っ子が減り、山や野鳥が身近でなくなってきた現代の大都会東京では、

  • 神田祭
  • 大相撲夏場所
  • はしりのソラマメ

初夏の三大風物詩だと言ってるビール片手のおじさんたちがいるとかいないとか・・・。

さすがに居酒屋のお通しに鰹のたたきはついてきませんが、枝豆ではなくこの時期だけソラマメが出てくるお店はありそうです。



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ソラマメは穀類というより青物野菜

原産地がわからないほど古くから栽培されてきた作物

古代エジプトの主要作物のひとつだったソラマメは、新石器時代の昔から南西アジアなどで栽培化されていました。

北アフリカからカスピ海にかけて古代の野生種も見つかっており、だいたいその辺が原産であったろうと言われていますが、もはやはっきりとはわからないくらい歴史の古い作物です。

シルクロードを通って東アジアにも伝わり、日本にも奈良時代に入ってきました。

現在は南米・北米でも多く栽培され輸出されています。

世界中で未熟豆が人気

豆類は昔から世界中で食べられていましたが、大豆やヒヨコ豆など、完熟してから収穫し、茹でたり煮たり粉にしたりなど加工して食べるものが多く、保存のきく穀物として活用されていました。

しかし、ソラマメに関しては、多くの地域で、未熟の青くて柔らかいうちに収穫し食べられています。

未熟のソラマメは劣化が早く、日本では食べごろは収穫後3日以内とさえ言われています。

北アフリカから西南アジア地方では、2~3月が生のソラマメの旬です。

乾燥した保存品や加工品も含め、ソラマメが一年を通して日常食となっているエジプトでは、旬の時季は、特に柔らかい品種のものを生のままおやつのように食べる習慣もあります。

栄養豊富で効能がいっぱい

ソラマメの栄養と健康効果

ソラマメは豆ですから、他の青物野菜に比べると水分が少なく、その分栄養が濃く詰まっています。

糖質と植物性たんぱく質が主成分ですが、ビタミン等ミネラルや食物繊維も豊富で、成人病予防や美容健康に良いことだらけのバランス栄養食品です。

消化を促すビタミンB1と脂肪の燃焼を助けるビタミンB2が多く、疲労物質の乳酸を分解してエネルギー代謝を促進し、肥満を防ぎます。

塩分排泄を促進するカリウムも豊富で、高血圧予防に効果的です。

不足しがちな

  • マグネシウム
  • 鉄分
  • カルシウム
  • 亜鉛
  • 食物繊維

も含まれます。

ビタミンCと食物繊維と鉄分がアップする青い豆

日本と中国では、完熟させて茶色くした豆もよく食べます。

炒り豆や煮豆にしたり、フライドビーンズや餡などお菓子にもよく加工しています。

茹でた未熟豆よりかさが多く食べられるので、逆に糖質やタンパク質の取り過ぎに気をつけてください。

青い未熟な豆は、完熟して乾燥させてから食べるよりも、ビタミンCが多く、風邪の予防や美肌効果が高まります。

また、ソラマメの鉄分はほうれん草よりも含有量が多いのですが、吸収率が悪く、ビタミンCはそれを高める働きをします。

食物繊維の宝庫である薄皮やさやは、出始めの柔らかい時期に豆と一緒に茹でてミキサーにかけ、ポタージュやソースにして食べると、整腸効果抜群です。

臭いが苦手な人も上手に食べよう

栽培される豆の中では一番大きなサイズのソラマメは、茹でてビールのおつまみにする以外にも、いろいろな料理にも使いやすい豆です。

独特の臭みが苦手な人もいますが、油と一緒に調理すると比較的気にならなくなります。

エジプトのソウルフードのターメイヤ(ソラマメコロッケ)にしたり、玉ねぎやベーコンなどとかき揚げにすると、子どもにも食べやすくなります。

茹でた後、フライドビーンズにしてもいいですね。

目にも鮮やかで栄養豊富な初夏の旬のソラマメ、酒のつまみに留めておくのはもったいないです。

エジプト人に負けず劣らず、たくさん食べて元気に夏を迎えましょう。

まさケロンのひとこと

そら豆って栄養価高かってんや!
確かに、お酒のおつまみにしておくのはもったいない・・・
でも、ビールと合うんよぉ~

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。