6月は制服を着る人たちが一斉に夏服に切り替える
衣替えの時季
ですね。
制服の夏と冬の切り替えはともかく、家庭の中での衣替えってしていますか?
最近は、わざわざ季節ごとに衣類の場所を入れ替える衣替えなんてしない、という人も増えてきています。
仕事も家事も子育ても担っている主婦にとっては、そのほうが効率的です。
が、手抜きと見られることに、負い目を感じてしまう人もいます。
衣替えってしたほうがいいのか、しないほうがいいのか、いったいどっちでしょう?
衣替えって何のためにやってきた?
もともとは衣類のメンテナンス行事
着物生活が長かった日本では、季節に応じて着るものがはっきり分けられました。
それぞれの季節が終わると、次の季節の着物に切り替え、今まで着ていたものは洗い張りしたり、虫干ししたり、仕立て直したり・・・
というメンテナンスを行って、次に着る時に備えました。
仕舞う場所の入替えというより、このお手入れをすることが衣替えの主目的でした。
家族一緒の部屋の時代
そもそも昔の一般庶民はそんなにたくさん着物を持っていたわけではありません。
一間か二間で家族全員が暮らしていた生活の日本では、畳の部屋にほとんど家具はなく、衣類は行李などに入れて部屋の隅に置くだけの収納で済んでいました。
夏冬ものの大移動のような衣替えの苦労はしていなかったと思われます。
近代に入って洋服が登場しますが、なんだかんだ戦後しばらくの頃までは、日本家屋の間取りや生活の仕方は変わらず、衣替えする習慣も母から子へと続いていったのでしょう。
経済が豊かになり、衣類の量が爆発的に増加
高度経済成長期に入って、人々の生活は爆発的に豊かになり、オシャレ度も上がって、手持ちの服もぐんぐん増えていきました。
当時は服の生地や形が夏物・冬物とはっきり分かれるファッションでした。
シャツや下着までも季節分けする習慣も残っていました。
箪笥と押し入れにオンシーズン・オフシーズンの衣類を二分する衣替えは、狭い部屋を服で溢れさせないために合理的なことでした。
21世紀の衣替えのメリット・デメリット
押し入れからクローゼット・ロフトへ
バブル全盛期の頃から、住宅様式も
- クローゼット
- ロフト
- オープンキッチン
- バリアフリー
など急速に変化しました。
家族一人一人が自分の部屋の同じ収納スペースに衣類をしまって管理する生活パターンになり、衣替えをする必要性もだんだん薄れていきました。
ファッションのシーズンフリー化
そして現在、学校や一般商店も庶民の家庭も、ほぼ社会全部にエアコンがいきわたり、室内の夏冬の衣類の差が少なくなりました。
真冬でもインナーにTシャツや半袖を来たり、ワンピースにニットを重ね着したりするし、真夏でも冷房対策でニットのはおりものが必要です。
ジーンズもフリースも一年中着る素材です。
ワンシーズンしか着ないものはコートや水着や冬・夏生地のスーツなど、一部に限られるようになっています。
多くのものは一年中出し入れしやすく、何があるか目が届く範囲のスペースにしまっておく方が便利です。
今、衣類を完全にオン・オフシーズンに分けて半分仕舞い込む必要性は小さくなっています。
衣類のためにはどちらがいい?
クリーニングやアパレル業界の人たちは、今も衣替えを奨励する声が多いです。
季節ごとにきちんとメンテナンスをして、日の当たらない涼しい場所に保管したほうが、部屋で光や風が当たりやすい所に吊るしておくより傷まない、と訴えています。
しかし、人の生活するスペースにはエアコンが普及した今、機密性の高いコンクリートの集合住宅などでは、エアコンが行き届かず、光も当たらず、空気も入れ替わらない所に半年仕舞い込むほうが、カビやしみになりやすかったりもするのです。
シンプルに生きるためのひとつの選択肢
エコが叫ばれ、無駄に消費・廃棄することが後ろめたくなりつつある現在、洋服の衝動買いなどをしないためには、今あるものをきちんと把握して活用することが大事です。
洋服業界の人は、要らないものを仕分けして、要るもののメンテナンスをする衣替えは、無駄な買い物を抑制するからいいと言っています。
一方で、「脱」衣替えした人たちは、いつも見える所に収めておく方が内容を把握しやすくなり、収納スペースの範囲に収めようと思うと不必要なものは買わなくなると感じていました。
衣替えの是非は一概には言えないようです。
さて、あなたは衣替えする派ですか、やめる(た)派ですか?
まさケロンは、衣替えをやめた派やなぁ~
小さい時は、衣替えをしとったけど最近は全然してないな。
正直、面倒くさいやん・・・