食の豆知識

土用って何?なぜ丑の日にはウナギを食べるのか?

Written by すずき大和

暑い日が続く季節です。

土用の丑の日はウナギを食べる

って子どもの頃から聞いてきました。

意味はよくわかりませんでしたが、要するに夏休みに入ると

どよう

っていう期間になって、どこかに

ウナギの日

があるけど、それは毎年変わるらしい・・・という程度の認識でした。

どようのうしのひって何?

と大人に聞くと、たいていは

ウナギを食べる日だよ

と答えが返ってきました。

なんで?

と聞くと

暑いから、精をつけるために食べるんだよ。

が定番の答えです。

土用の丑の日だから

というのもたまにありました。

禅問答か!

まあ、子どもはそれでも納得しちゃうんですけどね。

しかし、自分が大人になった昨今は、外国人にも聞かれることがあるのでやっかいです。

ドヨウノウシノヒ?ナンデスカ?

と聞かれたら、さて、あなたはちゃんと説明できる人ですか?



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土用ってなんだ?

東洋に流れる五行思想

世の中は、目に見えない力が働いていて、いろいろな力のバランスが取れていると世の中はうまく回り、乱れると、病気になったり、仕事がうまくいかなくなったり、社会が乱れたりする、という考え方は、東洋にも西洋にも古い時代からあります。

今もパワースポットなんて所がよく観光名所になりますね。

東洋では力のことを

と呼びました。

まだ科学が進んでいなかった昔、東洋では世の中を作っている5大元素

であると考えられていました。

これは、物質を構成するものというだけでなく、ありとあらゆる事象はこの5つのエレメントの気に支配されていると考えられました。

これを

五行思想

といいます。

土用は立秋の前の18日間、土の気が強く働いている時季

季節(時)も、春は木の気が、夏は火が、秋は金が、冬は水が、そしてそれぞれの季節の境目には土の気が強く働いているとされました。

夏の終わりだけでなく、実は春も秋も冬も、次の季節に変わる日

  • 立春
  • 立夏
  • 立秋
  • 立冬

の直前18日間は土の気に支配された土用の期間です。

ただ、現在では、土用というと夏の土用のことを示して言うことがほとんどになってしまい、春・秋・冬の土用は忘れられてしまったようです。

丑の日にウナギのわけ

年月日は干支で数えた

干支

というと、今は個々の年に割り当てられた十二支のことだけが意識されるようですが、本当は月にも日にも干支が割り当てられています。

芥川龍之介は、辰年辰月辰日に生まれたので、龍之介と名付けられた、という話は有名です。

また、11月になると、酉の日に酉の市が開かれますね。

夏の土用は18日または19日間あるので、毎年1回か2回は丑の日が入っています。

なぜウナギ?

暑さの厳しい時期なので、体力も落ち気味の人が多く、疲労回復に聞く栄養素が豊富なウナギで精をつける、というのはとても理に適ったことです。

ただ、なぜそれが丑の日になったかというと、いくつか説が語り継がれています。

一番有名なのは、平賀源内が発案したという説です。

夏になると売れ行きが落ちることを嘆くウナギ屋に、

本日丑の日

と書いて貼ることを勧めたら、それ以降そのウナギ屋さんは繁盛したそうです。

他にも、

丑の日には「う」のつくものを食べるといいという風習があった

などとも伝えられています。

さあ、土用の丑の日の説明とウナギの理由、わかりましたか?

簡単にまとめると、土用というのは、7月20日頃から8月7日頃にかけての18ないし19日間のことで、古代中国の思想によると、土のパワーが世界にみなぎっている期間と言われています。

また、中国の文化が伝わっている国では、年月日それぞれに、12の動物を順番に割り当てる風習があり、18日間の中に毎年1日か2日うしの日があるのです。

日本では、この日に栄養豊富なウナギを食べて夏バテを予防する、という習慣が江戸時代中頃に生まれ、今も続いています。

て、感じでしょうか。

小さいお子さんに聞かれそうな人は、子どもにわかるようにやさしい言葉で説明の仕方を考えておいてくださいませ。

ちなみに、土用の丑の日は、2014年は7月29日1回だけですが、2015年は7月24日と8月5日の2回あります。

まさケロンのひとこと

これで、外国の人に「土用」ってなに?ってきかれても大丈夫やね!
しっかり説明したりやぁ~

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。