漁で捕れる雑魚や地場産の野菜などから作られる
佃煮
は、冷蔵庫の無い時代に保存食として重宝され、かつては日本人の食卓に欠かせないご飯の友でした。
レトルト食品や冷凍ものが普及した現代は保存食としての印象は薄まり、食生活の変化もあって、消費量は激減しています。
そこをなんとか巻き返そうと、生産者たちが、キャンペーン等行って消費拡大を働き掛ける一貫として、2004年、6月29日を
つくだ煮の日
と制定しました。
売上減を巻き返す贈答品の需要
佃煮を食べなくなった理由
日本人の佃煮消費量が減った原因は、前述のように食生活そのものが変化したことが大きいです。
たくさんのご飯を少しのおかずで食べていた時代は、濃い味付けのご飯の友が愛されました。
今はおかず全体が豊富になり
パンやパスタを食べる機会も増え、そもそも米や醤油の消費量が減っています。
また、佃煮は日常的なおかずとしては比較的高価なため、贅沢な嗜好品のイメージが強く、常備するほど買う気になれない人も多いです。
付加価値で勝負の高級品を売りにする
佃煮は職人さんが手間暇かけて作るものなので、もともとそんなに安価でもなかったのですが、流通量が多かった頃はもう少し身近な値段でした。
国産の海産物の値上がりの影響もありますが、佃煮業界は大衆品の安売り競争を避け、材料を吟味した高級品の付加価値を売りにすることで、贈答品市場を開拓したのです。
確かに、名の或る老舗の佃煮詰め合わせは、お使い物として広く重宝されています。
佃煮は買うよりお土産でもらう物、という感覚が強い昨今です。
もらった佃煮が食べきれない人が激増
詰め合わせでもらう佃煮は、そこそこの量があります。
ご飯の友が要らない食生活なわけですから、そんなにたくさん食べることもできず
健康志向に合わせて塩分等かなり控えめな商品が主流になっているので、今の佃煮の賞味期限は昔よりかなり短いのです。
味が凝縮された佃煮は案外使える料理アイテム
もらい物でも、単価が高いものですから、
捨てるのはもったいないです!
賞味期限が来る前に料理に使うと消費が進みます。
そのままご飯やお茶漬けに乗せるくらいしか食べようがなさそうな佃煮ですが、味付けがしっかりついて素材の旨味も凝縮されているので、他のものと合わせて料理に使うと、簡単便利な
○○のもと
になります。
変わりご飯のもと
だしの旨味が出る昆布や雑魚など海産物系の佃煮は、炊き込みご飯にすると、味付けを加えなくていいので便利です。
人参やゴボウなど入れてもいいですね。
きゃらぶきやしいたけ・クルミなどは刻んで混ぜご飯にしましょう。
おにぎりの中の具だとしょっぱいと思うものも
和え物・サラダのもと、和風パスタのもと
- かつお節
- ゴマ
- 山椒
などが入ったふりかけタイプの佃煮や海苔佃煮は
- 水菜
- 新玉ねぎ
- サラダほうれん草
- 山芋たんざく
などと和えるだけで副菜が一品できます。
マヨネーズを少し加えるとサラダのような感覚で食べられます。
スパゲティに混ぜると和風パスタになります。
昆布や雑魚の佃煮で合える時は、塩分が濃い目だったり、食感の固いものは大根おろしに浸してまぜると柔らかくまろやかになります。
コロッケやグラタンの具にも
牛肉の時雨煮や鳥そぼろのようなものは、コロッケの具材にしたり、ホワイトソースとまぜてパスタやポテトやピラフにかけてグラタンにしましょう。
オムレツ(だし巻き卵でも良)の具にしても美味しいです。
肉系はチーズにも合うので、一緒に入れるとより美味しくなります。
佃煮が好きで自分で買う人も、漬物や塩辛のように食べきりサイズがなかなか売っていないので、袋で買って使いきれないことも多いでしょう。
独り暮らしで毎日自炊するわけではない人などは、100g入りでも買うのを躊躇しています。
料理アレンジをたくさん知っておくと、そういう人ももっと佃煮を買いやすくなるのではないでしょうか。
つくだ煮の日
のキャンペーンは、佃煮の無料配布などのイベントが多いようですが、メーカーさんは、もっと食べ方の提案を進めてもいいような気がします。
一人暮らしやと、佃煮は買わへんなぁ~
たまに食べたくなって買っても、残してしまって賞味期限が切れてるなんてあるあるやんな・・
せやけど、料理の素材として使うんやったら上手いこと使い切れそうやな!