7月も半ばを過ぎると、いよいよ本格的な夏の
レジャーシーズン
が始まります。
まずは、海の日を含む三連休を皆さんはどう過ごされていますか?
「海の記念日」が
海の日
という祝日になって、そろそろ20年近くたつのでしょうか。
祝日のなかった7月に新たな休みの日を!
という触れ込みで祝日化された「海の記念日」は、もともとは戦時中に定められたものです。
7月20日は
だそうです。
海洋国日本の繁栄を願う「海の日」には、日本各地で海にまつわるイベントがいろいろ開催されます。
現在も活躍する帆船の雄姿
日本丸と海王丸
横浜港と富山港にある帆船パークでは、海の日には毎年、公園内で恒久的に係留されている
日本丸
海王丸
という美しい帆船の帆をすべて張り、現役時代に大海原を航行した時の雄姿そのままに優美な壮観を見せてくれるイベントが行われています。
この二隻は姉妹船で、共に1930年(昭和5年)に水産学校の大型練習帆船として、莫大な国家予算をつぎ込んで作られました。
太平洋戦争中は、帆装が外され、軍用輸送船任務に従事したりもしましたが、戦後再び帆が取り付けられ、航海訓練船として、多くの練習生を育てながら、数多くの遠洋航海に従事しました。
真っ白い帆が幾重にも貼られた姿は海にそびえ立つ白鳥のようだとも言われ、
海の貴婦人
などと呼ばれました。
今は引退して、それぞれの港に係留され、現役時代そのままの整備を続けながら、公開されています。
全ての帆を広げ国際信号機を飾った姿は圧巻
海の日を始め、年に何回か、全ての帆を広げる
総帆展帆(そうはんてんぱん)
と呼ばれるイベントを行っています。
もともと帆船の帆を張るという訓練(セイルドリル)の公開でしたが、現在は訓練生ではなく、女性を含む多くのボランティアの人たちによって執り行われています。
普段畳まれている帆が全て開かれた時の帆船の姿は、大航海時代の栄光を思わせる、輝かしく雄大な眺めです。
その美しさと迫力に思わず圧倒されます。
当日は、ボランティアの人たちがマストに登り、挨拶を行う儀式、登檣礼(とうしょうれい)から始まり、帆を広げる総帆展帆と、国際信号旗(国旗)を飾りつける満船飾まで一貫して行われます。
21世紀に蘇る帆船の人気
汽船にとって変わられていった商用帆船
大航海時代から、大型帆船は長らく世界の海の交易を担ってきた花形でした。
産業革命以後、動力で動く汽船に徐々に切り替えられ、20世紀後半には、大型の商用帆船はほとんど衰退し、大型帆船の用途といえば、海軍や民間の船員訓練船などに限られるようになりました。
エコで人件費も少ないハイテクな現代の帆船
21世紀に入り、石油の高騰やエコ思想の広まりに伴い、再び帆船の魅力が最注目されてきました。
行楽クルーズ用だけでなく、商用の大型帆船を導入する海運業者も出てきています。
現在の帆は、風向きや風力に応じ正確にコンピューター制御で調整されています。
セイルドリルする際に多くの人員を必要とすることが、帆船の人件費高騰要因でしたが、それも、最近では多くの部分が機械化され、少ない人数で賄えるようになってきました。
汽船と帆船のハイブリッド船もでてきており、大型帆船の商用活用は今後ますます進みそうです。
自然の力が進みを左右する帆船のロマンチックな面や、自然に優しいところが、最近魅力を集めつつある帆船。
・・・・総帆展帆の多くの人たちの手際の良さと、圧巻な眺めの人気も徐々に上がってきているようです。
横浜の日本丸メモリアルパークも、富山の海王丸パークも、総帆展帆を見物するだけなら無料です。
お近くの人は、良かったら一度見物にいって、海の貴婦人に逢ってみてください。
海の貴婦人って言うぐらいやから、めっちゃ綺麗なんやろうな!
いっぺん見てみたいなぁ~