生まれ星座別の運勢ランキングの順位を気にするあなたに贈る、星と星座のウンチクです。生まれ月ごとの性格占いと+αの星ネタを紹介しています。
星占い好きでも、自分の生まれ星座の星の並びの形をちゃんと知らない人は案外たくさんいます。が、そんな人でも「北斗七星」はほとんどの人が知っています。
では、北斗七星に対して、
「南斗六星(なんとろくせい)」
があることは知っていますか?
南斗六星は、中国の占星術で使う太陽星座のひとつです。
南斗六星は、射手座の中にあります。
12月生まれのあなたは何座?
生まれ星座の神話
12月生まれの人は・・・
- 1日から23日までの生まれの人が「射手座生まれ」
- 24日から31日までの生まれの人が「山羊座生まれ」
射手座は、ギリシャ神話によると、聡明で多才なケンタウルス「ケイロン」の姿です。彼は師として多くの人や神の子を教育しました。
山羊座は、角を持つ半身山羊の牧神「バーン」が、化け物に追われて逃げる途中、慌てて上半身山羊、下半身魚の姿に変身してしまった姿です。
有能で目的のためにまっしぐらの12月生まれ
西洋占星術では、人の性格は、生まれ星座の神話が深く影響しています。12月の生まれ星座の神話は、対照的な賢者と愚者のように見えます。が、意外と、どちらの生まれの人も性格的には似たところを持っています。
バーンは失敗を教訓とし、空に上がってからはとても慎重派に変わります。慌てず堅実な努力で粘り強く物事を解決する神様になりました。山羊座生まれの人はその性格を次いで、コツコツ地道に努力を重ね、着実に成功を勝ちとるタイプです。
射手座は、既存の価値観や相手の種族や文化の違いなど気にせず、関心のあることにどんどん取り組んでいく、自由で冒険心溢れる実行派です。元来の鋭い感性で難なく勝ち組に立つ天才肌の楽天家です。
開放的なコスモポリタンの射手座と、黙して保守的慎重派の山羊座は、物事の対処スピードは対照的ですが、周囲の評にブレることなく、自分でこうと決めた道をまっしぐらに進んで夢を叶えていくところは共通しています。
どちらも周囲からは有能な人と見られています。が、人の意見をあまり聞かず、合理的に判断する野心家で、能力に劣る人に対して見下したような言動を悪気なくするので、自己中心的な人とも見られがちです。
射手座は東洋では南斗六星だった
「南斗六星」知っていますか?
ゲームや漫画の世界では、東洋文化の暦や方角の占い術の用語がよく使われています。「南斗六星」と聞くと、世紀末伝説の拳法流派を連想する昭和生まれの人も多いでしょう。
本来は、“東洋の射手座の方言”のひとつです。
目立つ星を線で結んで何かの形に見立てる文化は世界中にありました。昔は世界各地の文明で異なる星座がありました。近代、天文学の都合から、西洋文化の88星座が世界共通の星座と定められました。が、今も地域ごとの星座が風俗の中に深く根付いて語り継がれている例は、たくさんあります。
そういうご当地星座のことを「星座の方言」といいます。
北斗七星も南斗六星も、中国や日本の方言のひとつです。
日本では、江戸時代までは西洋占星術はあまり知られておらず、中国の暦と方角と天文学がミックスした占いが社会の基盤にありました。中国占星術(古代天文学)の星座もポピュラーでした。
近代化と共に多くの文化が西洋化していく中、暦の占いや中国の星座はだんだん忘れられていきました。北斗七星は、北極星を見つける目印でもあり、日本でも様々な伝説があったので、現在も語り継がれています。が、射手座が100年ちょい前は南斗六星だったことを知っている人は、ほとんど居なくなりました。
中国の天文学
中国の古代天文学では、黄道の星座は、12ではなく28ありました。
この太陽星座を「宿(しゅく)」といいます。
7つずつ4つの方角のグループに分け、象徴となる獣が定められました。
- 東方「青龍」
- 北方「玄武」
- 西方「白虎」
- 南方「朱雀」
日本のキトラ古墳にも描かれた四獣はもともと二十八宿を統べる聖獣です。
宿は漢字一文字で表されます。射手座の中には
- 斗
- 箕
のふたつの宿が含まれています。
南斗六星は、「斗(と)」宿の俗名です。射手座の胸の位置から弓を持つ左手の先にかけての6つの星の並びが、ししゃくを伏せたような形になっています。
その右下の4つの星の並びが「箕(き)」宿です。
射手座
南斗六星
日本の占星術「暦注」
日本では、二十八宿を4週間分の各日に割り振り、永遠にローテーションする暦を定め、その日の宿により、吉兆の運勢が細かく決めました。暦の占いを
「歴注(れきちゅう)」
といいます。二十八宿は、江戸時代までの重要な歴注のひとつでした。
西洋の射手座生まれの占いは、誕生日で決まる運勢です。
日本の二十八宿は、28日ごとに巡ってくる「斗宿の日」のその日の運勢占いです。
ちなみに、斗の日は
“土堀り、開店、造作に吉”
ついでに、箕の日は、
“動土、池掘り、仕入れ、集金、改築に吉”
“結婚・葬式に凶”
こ、細かい・・・・江戸時代の人は何をするにも暦が大事だったのがわかります。
二十八宿は、“中国由来の日本の星占い”です。
大安や仏滅を気にし、星座占いの順位に一喜一憂する国民性は、こんなところにルーツがあったのでした。
南斗六星か~。昔はオリオン座しかわからなかったんだけど、やっぱ知れば知るほど星空を見上げるのが楽しくなるね。