5月9日は、日本アイスクリーム協会が定める
アイスクリームの日
です。
毎年全国各地でアイスクリームに関するイベントや、アイスクリームの無料プレゼントなどが行われています。
マイナス18度以下で保存されるアイスクリームは、細菌が繁殖しないので、賞味期限がなく、保存料も使われていない場合が多いです。
そう聞くと、なんとなく安全でヘルシーなイメージもしてしまいますが、逆に長期間保存されることを考慮して、より品質を安定させるための安定剤や乳化剤が添加されているものがほとんどです。
一般に市販されているアイスクリーム製品に使われる添加物について考察してみましょう。
滑らかな口当たりを作る乳化剤と安定剤
美味しいアイスクリームを作るモト
アイスクリームとは、簡単に言うと、牛乳を甘くしてかき混ぜながら凍らせた冷菓です。
凍っているのに、滑らかでクリーミーな口当たりになっていることで、牛乳のコクと旨味が際立ち、まろやかな美味しさを作っています。
なぜ凍っているのにコチコチにならずにクリーミーなのかというと、牛乳がもともと水分の中に細かい脂(乳脂肪)の粒がたくさん混ざり合っているものだからです。
脂と水分が程よく混ざり合っていると、人はクリーミーだと感じます。
本来脂と水は分離してしまうものですが、牛乳の中の乳固形分の働きで、うまく混ざっているのです。
このように、脂分と水分が混ざり合っている状態を乳化といいます。
アイスクリームの美味しさの鍵は、この乳化の具合にあります。
より滑らかに美味しくするために
脂肪分の粒が細かく、たくさんあるほど、よりクリーミーな感じになるので、アイスクリームの場合は、牛乳より脂肪分の割合が多くなるように、乳脂肪または植物油が材料に配合されます。
生クリームなどの乳脂肪分を追加して、乳脂肪分8%以上にしたものは
アイスクリーム
一部植物性油を混ぜて乳脂肪3%以上にすると
アイスミルク
更に、乳脂肪分はほとんど使わず、植物油と無脂肪乳固形分を混ぜて作ったのが
ラクトアイス
と、乳成分の濃さによって3段階に分類されています。
後から乳化させるために、添加物が必要
乳化状態を保つにはある程度の粘度がないといけないのですが、乳固形分の中の乳タンパク質は粘化の働きがあり、牛乳はそれによってうまく乳化しています。
アイスクリームは植物油が入っていません。
また、乳脂肪分だけでなく乳固形分全体を濃くしてあるので、乳化剤も安定剤もそんなに必要ありません。
一方、アイスミルクやラクトアイスには、乳化を促進する乳化剤や、増粘多糖類と呼ばれる安定剤がたくさん添加されています。
添加物の安全性は、実はまだ解明されていない部分もある
添加物の何が悪いのかは、まだよくわかってはいない
アイスクリーム類に使われる添加物は、他に香料と着色料が主なものです。
低糖やローファットを謳うものは、更に人工甘味料なども使われています。
全て日本の法律で認められる基準を超えないものですが、化学物質などに関しては、まだまだ記録が少ないので、長年にわたり摂取した時の影響などはっきりわかっていないものもあります。
アイスクリームに使われるものは、天然素材由来のものが比較的多いので、表示やwebサイトなどで開示されている情報に注意してみるといいでしょう。
実は表示だけではわからない添加物
しかし、表示だけではわからない部分も多いです。
アイスクリームに使われる添加物は、ひとつの目的に対してひとつだけ使われている場合は、具体的な添加物名が表示されていますが、複数使う場合は、まとめて
- 増粘多糖類
- 香料
という表記でも良いことになっています。
また、植物油が使われる場合、たとえばパーム油と書かれていても、パーム油に使われている酸化防止剤は表記されません。
黄色い色を付けるアナトー色素などは、天然素材由来のものも科学的に生成されたものも両方あります。
食品添加物は少ないに越したことはない、と考える人は、ラベル表示だけでなく、メーカーのホームページなどで、細かくチェックして商品を選ぶようにしましょう。
あまり情報開示していないメーカーもあれば、アメリカのハーゲンダッツのように、事細かに安全性や原材料の情報公開をしている所もあります。
そして、安価で表示がまとめ表記になっていることが多いラクトアイスはあまり選ばないことが肝心です。
お時間と意欲のある人は、自宅で無添加手作りアイスクリームを食べきり量作ることが、一番安全かもしれません。
添加物って、正直いまさらって感じはするけど・・・
でも、出来るだけ添加剤を摂取せえへん努力ってのは大切やと思うで!